この映画は冒頭の題名が出るまでのダイジェストがすこぶる秀逸で、それだけで1本の映画が完成していると思われるほどのできばえだ。
内容的には、現代からするとかなり浮いた映画に見えるかもしれないが、オキナワという東京から一番離れた一種の桃源郷としての非現代というテーマの視点でこの作品を見ると、逆に現代だからこういう映画があってもいいのかな、と思ってしまう。
非現代的な彼らの家屋。(特に妹の下宿のひどさ) . . . 本文を読む
小西真奈美、女優として一番美しいそのときに、彼女のためというべき耽溺的、魅惑的なすこぶるピュアな映画が出現した。
市原の現代的な軽い男性ぶりに少々演技が気になったが、後半はそれでも愛に生きてゆく強い男を演じていた。
小西真奈美は「恋愛小説」もそうだったが、こういうピュアな映画はしびれるほどいい。髪の毛の1本1本までが美しく感じられる。素晴らしい映像も彼女に味方している。
とにかくこの映画を主演でき . . . 本文を読む
今流行りのレトロものであるが、それほど金をかけていなく、カットも少なめで思ったより簡素だ。タイムスリップものは楽しいが、何故不倫相手の女も一緒にスリップするのかなと思っていたら、とんでもないどんでん返しも待っていたわけで、これはすれすれの反則ワザでしょう。でも、これは面白かったです。
大沢たかおは二十歳でも自然に演じられる貴重な俳優でございますな。驚きです。
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冒頭の前置きのハナシはこの映画を理解する意味では親切だが、ない方がこの映画を面白くさせたのではないだろうか。結論が分かってからの映画はやはり平板になりやすい。
でも、それにもかかわらずこの2時間を持たせたのは演出力が落ち着いてきたのと、ミステリー仕立てにしたことに負うところが多いと思う。その脚本力には拍手を送りたい。
結局この映画はスピルバーグの「未知との遭遇」とよく似ている。何か、宗教臭が見終わ . . . 本文を読む
だいたい一作品10分程度のオムニバス。ショートなので、脚本が絶対的。でも、やはり長澤雅彦の「バースデイガール」緒方明の「その山を崩せ」富永まいの「風見鶏と煙突男」辺りが面白かったのは、実力者通りの評価か。映像で、見づらいのもあったのはいかなる理由か。ショートとはいえ、手抜きは許さぬぞ。
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わが敬愛するベルイマン監督、20年ぶりの新作。彼の映画はもう見られないと思っていたので、映画館で映像を見られる至福にそれだけで酔いしれる。おまけに、俳優もベルイマン映画の常連の二人が主役。見ごたえがある。
ベルイマンの演出力は落ちてはいない。相変わらず人間の業を暴いてゆくその粘着性に逆にずずっと見てきた僕の方が驚いてしまう。20年経っても人間って変わらないのだろうか、、。
父と息子、母親と娘 . . . 本文を読む
これだけのアイデアだけでひとつの青春映画まで形成できるこの演出力にまず敬意を表します。軽いコメディーかなと思っていたら、細かいところまで計算されている綿密な演出で、しっかりと沸沸と青春の逆戻りする人々を淡い方法ながら色鮮やかに描き切る。
初演出と思えないその大人の映画に僕は大いに感激した。映画って、これなんだよね。こんな、さりげないテーマも映画を見る人たちみんなに響くものがびんびんある。大作でなく . . . 本文を読む