砂漠での不時着遭難もの。
この手のものって、出演者のそれぞれのキャラが明確であればあるほど俄然面白くなるはずなのに、それがない。
脚本が甘い点もあるだろうが、やはり最初から完全B級を目指している成せる業じゃないだろうか、、。
全体に掘り下げ方が浅いんだよね。だってジョヴァンニ・リビージ があの程度の描かれ方しかされていないんだから、、。
凡作でございます。
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蒼井優の可憐な少女振りがすべてであろうと思う。
いまどき、こんなストーリーひとつで2時間を持たせるのがどんなに大変か、熊澤尚人はまず考えたに違いない。
そのため沖縄の風土、光、人々を基調に持ってくる。
東京の町並みも沖縄から出てきた少女の目線で、いかにもエトランゼのごとき異東京がなかなか良く、だがその都会人も少女の素直なひたむきさを理解する側の人間となってゆく。
こんなハナシが、当人に分からずにう . . . 本文を読む
まあ、低予算の範囲内でこのテーマというか狙いは面白いと思う。
しかし、二人が海に放り出されてからがこの映画の一番面白いところであり、演出の力量を発揮できる部分なのに、後半は見せ場もないままあの二人のように砕け散ってしまった。
音楽も地味だったし、全体にしかけもおとなしめだったね。要するに中途半端な恐怖で終わってしまった。その割にはラストは救いようのない終わりで、これじゃ映画館をスカッとした気分で出 . . . 本文を読む
多感な子供たちをテーマにしたいかにもピュアな物語だ。純粋さを求めると現代では小学6年生にまで年齢を若くしなければならないというジレンマも確かにあるが、それはそれで実に初々しいしく美しい世界だ。
まんがっぽい展開に少々引くところもあるがそれはご愛嬌。多部未華子のスケールの大きさの前にはそれらは問題にならない。まさに少女漫画の一こまをそのまま映像化したような多部未華子は久々の大物感が漂う。
題名からは . . . 本文を読む
ギリアムの悪夢。毒がきついので慣れるまで時間がかかるかも。子供って、大なり小なりこういうものを持っているのは事実。
という見方をすればこの映画もオタク映画の範疇ではないのだが、ギリアムの毒と死臭が蔓延するあたりから独特のパラレルワールドに連れられて行く。
ぼくは昔見た「シベールの日曜日」の現代版かな、とも思った。女の子というのは年齢以上に大人なんですよ。そういった感覚がこの映画にある。だいたい子の . . . 本文を読む
日本映画としては屈指の出来。かなり練ってある脚本に無駄な部分がない。映像のちょっとしたカットにも意味を持たせ、兄弟の本源的な心の葛藤を人間の闘いにまで昇華させた演出は高く評価できる。
ただ、人生を受動的に生きていた兄が急変し、すべて対照的な弟に対してあのような感情を持つ(弟の兄に対してのそれも同様)というテーマが、ちと不可解な気もしたのだが、まああり得る話ではあるのだろう。
男同士のこの葛藤のテー . . . 本文を読む
ロシア革命を事前に勉強してから見ると分かりやすい映画かなと思う。モンタージュ的にはところどころ見所はあります。
言わずと知れた世界的名作の誉れ高い革命映画。どうしても「戦艦ポチョムキン」と比較してしまうが、群集の動きは髣髴させるものがあるもののテーマが収束してしまうので、一人一人の心の中にまで及んでいないと見た。
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まさに二人劇だ。夜中の劇のため、重苦しい雰囲気が漂い見ているほうも睡魔に襲われるなど厳しいものがあるが、そこはミハルコフ、映像は秀逸だし、二人の演技力も鋭く、90分を持たせている。
セリフによってそのうち二人の歳月を観客が知る構成になっているので、少々単調な内容なのだが、ラストにかけて動的になっていく辺りはさすがミハルコフとうなるシーンもある。
題名のヴァーリヤも結局画面に出ないまま映画は終 . . . 本文を読む
ソ連コルフォーズ推進、啓蒙のためのいわゆる国策映画なんでしょう。人民の迫力あるクローズアップはエイゼンシュタインならではのもの。度肝を抜かれる。但し、彼の心情そのものは伝わってこない。
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名作と聞いていたので逆に見るまでに時間がかかってしまった。見てみると、何だか出来すぎて、偽善っぽい気がしたのは僕だけか。素直に感動できない何かがこの作品にはあると思った。
あの、子供たちの音楽隊が一番嘘っぽい。あそこに至る迄の経過が単純すぎる。描き足りない。最初の出だしはなかなか面白かっただけに残念。その後はもうプリマドンナといい、同僚牧師だったり、急に入隊する若者だったり、漫画じゃあるまいし、リ . . . 本文を読む
娯楽映画を装った文明風刺映画だということは冒頭から分かる。
アメリカの資本を得て完成した映画なのに反米もしくは反大国映画になっているところがこの映画のミソかな。
ギリシャがなぜ衰退していったかなんて、そんなのワールドレベルの話であって、気候と水と何より文明があり、自由なギリシャが目の前にある、それで充分じゃあないかと言う人間賛歌がまずある。
そんなことを言いたかったのだろうなあ。
でも、その危機感 . . . 本文を読む
4700mという秘境とも言えるチベット高原でのチベットカモシカを密猟する者とそれを阻止する民間パトロール隊との死闘。
パトロール隊員が殺戮されたことから追求が本格的になりさらに犠牲が出てくることになる。
この地域では鳥葬なのである。人間を鳥が食べやすいように鉈で粉砕するシーンは自然との融和を描写しているのだろうが、やはりショッキングだ。
けれど、人間同士は融和できず闘いが続いている。その、矛盾。人 . . . 本文を読む
昔は結構こういう大きな老人は周りにやたらいたと思う。そういう意味で人間のスケール感が全体的に小さくなっているのが現代。
母親から捨てられたも同然の環境で、よく人間形成にプラス面が醸成できたと感心します。
それだけおばあちゃんも素晴らしかったのでしょうが、佐賀という地域性の自然の良さもあったのでしょう。
感動作なんだけど、映像がもう少し美しさが感じられればなお良かったですね。
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意外と昔からの伝統である日本映画の灯というものがこの映画には見える。
まず何を言っても田中裕子の、全身で生きる女と芸術を両立させる渾身の演技だろう。画面が引き立っている。彼女のシーンだけ燃えているように見える。まさに映画だ。
しかし、息子の病気がテーマとなってから、骨髄バンク物となって、トーンが少し落ちましたね。ここが映画的には惜しい。少し長すぎた。
だが、思いがけない窪塚俊介の力演。まださわやか . . . 本文を読む
モディリアーニをアンディ・ガルシアが演じるというので、引き気味に映像を見ていたが、何の何の立派に破綻芸術家を演じている。後半では完全に実際のモディリアーニと顔がダブルほど完璧な演技に舌を巻く。愛妻ジャンヌの狂恋ぶりも絵画とよく似た女優を使い成功。
映像もすこぶるシャープで、そこらの映画と違う雰囲気をかもし出している。
壷をつかんだ演出、取り巻きの名だたる芸術家の演技も的確で、最近の映画でもかなり高 . . . 本文を読む