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繭の夏(2001 佐々木 俊介著) 東京創元社  65点

2010-09-20 15:21:59 | 読書遍歴
読みやすく、クリスティのスリーピングマーダーを誇示したところは、ミステリーとしてのしたたかさを窺えさせるが、どうも自然さというか、リアルさに欠ける。

だいたい病的に虫などを殺す子供を殺害するという動機自体は新しさも感じて、それほど人が言うほど後味も悪くないと思うけれど、それを宮沢賢治の影響というのはちょっとどうなのか、と、、。

本当にそういう動機で人を殺すなら、トリックを使ったり、ましてや犯人は通常のビジネス界で生きていることなどあり得ないと思う。とうの昔に自殺しているだろう。

また不思議なことにこの人間は有閑マダムに浮気の触手にされたり、どうも性格形成が破たんしているように思える。

第二の殺人と思われた意外な真相も、あんな陳腐な内容だったとは、こちらの方が後味がものすごく悪いと思えます。

文章的にはとても才能を感じさせるモノなので、あとひと工夫でいいミステリーが書けるのではないだろうか、、。

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