作者の弱者への目線が素晴らしい。刑務所の中ってわからないが、看守がこういう人たちばかりであれば、どれだけ報われることであろうか、、。
ミステリーの形式を取ってるが、それは一部であり、普通の小説といってもいいような気もする。人へのまなざしが深く、澄み切っている。5編の短編すべてが感動ものである。
僕は4編目のジャズシンガーのお話しが好きだ。小説ではあまり泣くことがないが、不覚にも涙を流してしまった。実にいい話だ。
何か、長岡弘樹の教場シリーズのようなイメージもあるが、双方とも秀作である。人間がきちんと書けているところが素晴らしい。久々の拾い物の書物である。
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