確かにこの手の小説では一段抜けているスケールの大きな警察小説である。警察小説といっても、ぐんと上層部での政界、産業界を巻き込んだ展開なので、小説とはいえ、エリートたちの心象も見え隠れし、特段面白い作品となっている。
エンタメ部分の描写も精緻で、特に 狼眼殺手を追いかける女性警官など、そこらのエンタメ描写顔負けのまさに今、映画を見ているかのようであり、手に汗を握って頁を繰る。それにしても一体全体何人亡くなったんでしょう、そのうち慣れてきます。
僕はこのシリーズでは初めて読んだわけで、何とも言えないのだが、ラストが判然とせず(要するにミステリーでいうところの犯人探し)、次回に続くということなんだろうか、、。ずっと読み慣れている人たちには普通の終わりなのかもしれません。
本作、飛び切りのエンタメ秀作です。500ページ近くあり、少々持ち歩くのに重い本ではあるが、一気です。
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