あの驚愕の「ミステリーアリーナ」に次いで、早速深水作品を読んでいる。
これは面白い。ぼくはまあ絵画も好きでよく展覧会に行くが、そういえばあまりエコーロドパリ派としてこのグループを鑑賞したことがない、かなあ。スーチンもそれほど好きではないし、、。
それぞれの章の巻頭で述べられるエコールドパリ派の画家たちの芸術的な掘り下げも見事であり、さすがとうなるように読んでいたが、まさかこれが読者への挑戦のキーとなるものと思っていなかったので、驚きもし、わくわくする。
最近本格モノで英米の雰囲気を保つ小説をあまり読んでいないので、オールドファンにも好かれる作品ではないか、と思う。ただあまりに事件の関係者が少なすぎるので犯人像は自然と絞られ、本格モノでの驚愕の真犯人像といった感じではない。
あれほどスペースを取った密室の謎にしても、あまりにあっけない感もある。でもこれはもう現代という環境からは(ミステリーの歴史を乗り越えるには膨大な時間と能力が要る)仕方のないことか。
大いに読ませるミステリーであります。
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