南青山のBody & Soulで、及部恭子さんのNYからの帰国ライヴを観る(2015/10/23)。何しろクリス・スピードが共演。
Kyoko Oyobe 及部恭子 (p)
Chris Speed (ts, cl)
Michael O'Brien (b)
Gene Jackson (ds)
Special guests:
Makoto Ozone 小曽根真 (p)
Branford Marsalis (ts)
及部さんのプレイに接するのははじめてだが、1曲目の「How About You」から素晴らしいピアニストであることが伝わってきた。まるで踊るように、愉快そうにピアノとメンバーに対峙し、タッチは柔らかい。まるで俊敏な猫のようだ。弾くか弾かないかのところで出し入れするときの優雅さと愉しそうな表情といったら。
ジャズスタンダード「Donna Lee」は、チャールス・ミンガスにふたりの妻がいたという話から、チャーリー・パーカーまたはマイルス・デイヴィスが作曲したという。その話から妄想を膨らませ、話しながらユーモラスに展開する「Donna and Lee」。クリス・スピードのクラリネットが渋い。また、ワインのことを想像しながら作ったという「I Remember Bourgogne」は、「I Remember Clifford」を引用する。さらに、及部さんのご実家のうどん屋をモチーフにした「Udon」。終始遊び心が溢れるライヴだった。
クリス・スピードのテナーサックスは、音量も押し出しも強くはない。むしろ、ドライで、隙間のある中空の物体のようで、聴けば聴くほど面白くなった。
ところで、途中で小曽根真さんが聴きに入ってきたのが見えたのだが、最後の曲でスペシャル・ゲストとして飛び入り参加。しかもなんと、ブランフォード・マルサリスとともに(!)。セロニアス・モンクの「I Mean You」の途中で、小曽根さんが交替し、さすがの貫禄、超高速のカッチョいい和音の塊を炸裂させた。ブランフォード・マルサリスも、テナーらしいテナーの、目が覚めるようなソロ。隣に立ったクリス・スピードが、アイドルであるかのようにブランフォードを見つめていた。
帰り際に、先日、Mezzrowでの穐吉敏子さんのライヴを観ていたでしょうと訊くとビンゴ。
Nikon P7800
●参照
ブリガン・クラウス『Good Kitty』、『Descending to End』(クリス・スピード参加)
三田の「みの」、ジム・ブラック(クリス・スピード参加)
ハリー・コニック・ジュニア+ブランフォード・マルサリス『Occasion』
デイヴィッド・サンボーンの映像『Best of NIGHT MUSIC』(ブランフォード・マルサリス登場)