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自縄自縛日記

石川武志『MINAMATA ユージン・スミスへのオマージュ』@リコーイメージングスクエア新宿

2021-10-24 10:22:45 | 九州

友人と、リコーイメージングスクエア新宿で石川武志写真展『MINAMATA ユージン・スミスへのオマージュ』。

石川さんはユージン・スミスとアイリーン夫人が水俣に移り住んだ際に同行し、小さな部屋で1年間寝食を共にした。新婚のふたりの隣で川の字になって毎日寝ていたんだよと笑って話してくれた。確かに映画『MINAMATA』に登場した通りの小さな家の部屋や急造暗室が記録されている。

若かったこともあり、写真技法はスミスから教わったのだという。Tri-Xを使い、ISO400ではなく320とみなして薄いネガを作る。原版がハイコントラストになってグラデーションが飛ぶことを嫌ったようだ。それをプリントすると薄暗い感じになるため、ハイポで銀を除去しコントラストを付ける。

いや良い写真群である。ミノルタSR-T101やオリンパスペンを使うスミスをとらえ、たまにぶれているのも親密さの証拠。覆い焼きも良い。映画のジョニー・デップも愛嬌があったけれど、本物はもっと剽軽でもあったんだな。

会場に置いてあったインド・バラナシの写真集もすばらしく、頁を順にめくりながらしばらく話をした。

●参照
水俣とユージン・スミス
森元斎『国道3号線 抵抗の民衆史』
『上野英信展 闇の声をきざむ』
『けーし風』読者の集い(31) 「生きる技法」としての文化/想像力
政野淳子『四大公害病』
原田正純『豊かさと棄民たち―水俣学事始め』
石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』
『花を奉る 石牟礼道子の世界』
土本典昭『水俣―患者さんとその世界―』
土本典昭さんが亡くなった
工藤敏樹『祈りの画譜 もう一つの日本』(水俣の画家・秀島由己男)
鎌田慧『ルポ 戦後日本 50年の現場』
佐藤仁『「持たざる国」の資源論』(行政の不作為)
桑原史成写真展『不知火海』
桑原史成写真展『不知火海』(2)


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