Sightsong

自縄自縛日記

張芸謀『活きる』

2014-05-05 00:51:29 | 中国・台湾

張芸謀『活きる』(1994年)を観る。(Youtubeの英語字幕版

国共内戦時。賭け事に熱中する男は、ついに身上をつぶし、妻子に去られ、家を奪われる。得意の人形劇で生計を立てるが、突然、国民党軍に徴用されてしまう。ところが、軍は人民解放軍に敗れ、男はそこでも人形劇を行い、革命に貢献したとの証明書を得る。命からがら戻った実家では、娘が口がきけなくなっており、息子が生まれていた。

50年代、大躍進政策。地域ごとに課された鉄の生産計画を達成するため、皆が無理をして働く。そして、そのために、息子が死んでしまう。

60年代、文化大革命。多くの者が共産主義の敵として捕らえられる中、娘が嫁ぎ、妊娠する。経験のある医者は投獄されており、医者のタマゴしかいない。男と娘婿は、牢屋から老医師を連れてくる。娘の出血が止まらない。空腹の老医師は饅頭を急に詰め込み、身動きが取れない。

30年以上にもわたり、苦労しながら生きのびていく家族を描き、同時に、当時の共産党政策批判にもなっている。また、さすが張芸謀。ドラマの作りかたが手馴れていて、本当に巧い。登場人物たちを襲う運命にハラハラさせられ、何度か涙腺がゆるんでしまった。

●参照
張芸謀『紅いコーリャン』(1987年)
張芸謀『紅夢』(1991年)
張芸謀『上海ルージュ』(1995年)
張芸謀『初恋のきた道』(1999年)
張芸謀『HERO』(2002年)
張芸謀『LOVERS』(2004年)
張芸謀『単騎、千里を走る。』(2006年)


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