ランディ・ウェストン+ビリー・ハーパー『The Roots of the Blues』(SunnySide、2013年)を聴く。
Randy Weston (p)
Billy Harper (ts)
ずっとアイドルだったビリー・ハーパーと、大地的なランディ・ウェストンとのデュオとあって、ずいぶん楽しみにしていた盤である。過去にも、ハーパーはウェストンのグループで吹いていて、ルーツへの視線において重なり合うところがある。
ハーパーは1943年生まれの70歳、ウェストンは1926年生まれの87歳。ちょっと吃驚してしまうが、個性は薄まっていない。ただ、拍子抜けするほどのリラックスした演奏であり、気心の知れたふたりによるデュオだからなのか、年齢のためなのか、判断しかねるところではある。
それにしても、ふたりとも気持ちのいい音を発する。におい満点、大歓迎である。ハーパーのオリジナル曲は1曲のみ(「If One Could Only See」)、ほとんどはウェストンのオリジナル曲である。それらの演奏も勿論馴染み深くていいのだが、普段聴かないジャズ・スタンダード「Body and Soul」「How High the Moon」「Take the A Train」が意表をついて愉快。
最近のデュオでの来日は去年だったか、京都のみでの演奏ゆえ諦めた。無理してでも行くべきだったか。
ビリー・ハーパー(2009年、新宿サムデイ) Leica M3、エルマリート90mmF2.8、TRI-X(+2)、フジブロ3号
ランディ・ウェストン(2005年、神田明神) ライカM3、ズミクロン50mmF2、Tri-X、フジブロ2号
●参照
○ビリー・ハーパー『Blueprints of Jazz』、チャールズ・トリヴァーのビッグバンド
○ビリー・ハーパーの映像
○ランディ・ウェストン『SAGA』
このCD、ずっと気になっていて、やっと最近入手しました。私はジャズを聴き始めたばかりで、冒頭の「carnival」などは楽しいのですが、後半、なにか現代音楽のように?難しく感じます。たしかに音はスコーンと突き抜けていて、強いオーラを感じます。これが「アフリカらしいブルース」ということなのでしょうか?(頭で考えるなと仰られそうですが、なにか消化不良で、どう捉えていいのか、お伺いしたいところです)
確かに、後半の「Cleanhead Blues」や「Timbuktu」ではそのような印象ですが、イントロ的な「Roots of the Nile」からスタンダード「Take the A Train」につながる展開で、馴染み深い世界に回帰してくれるように思えます。スタンダード曲がうまく挿入されていることが、自分にとっては嬉しい点です。
train」がこのように演奏されるのも、驚きでした。