オーネット・コールマン『Live at Teatro S. Pio X 1974』(Jazz Time、1974年)を聴く。
Ornette Coleman (as, tp, vln)
James "Blood" Ulmer (g)
Sirone (b)
Billy Higgins (ds)
なんだかよくわからないメンバーである。古い仲間のビリー・ヒギンズはいいとして、ジェームス・ブラッド・ウルマーに驚く。ウルマーは初リーダー作を吹き込む前であり、また、続く『Tales of Captain Black』(1978年)ではオーネットを迎えている。ここですでにサイドマンとして参加していたのか。
この頃は、オーネットは、自身のジャズから脱して、『Skies of America』(1972年)を発表したり、モロッコに渡って『Dancing in Your Head』(1973-75年)を録音したりと、さまざまな大きな模索をしていた。古いものも新しいものもイカレたものも同時並行だったということか。
なお音質は決して悪くないのだが、「soundboard recording」と書いてある割には、特に2枚目において、レコードらしきノイズや、磁気テープのような音写りが聴こえる(このブログによれば、同日1974/5/4の録音が『In Concert』という2枚組LPとして出ていたらしい)。ウルマーも妙なことをしているようなのだが、音があまり前面に出てこずよくわからない。ヒギンズのシンバルを威勢よく使う空中戦は好調。
オーネットはというと、最初の「Tutti」(まあ、「アメリカの空」である)からいきなりペラペラの軽い音で、笑ってしまう。しかし聴いていくうちに何でもよくなってくるところがオーネット。
●オーネット・コールマン
オーネット・コールマン『Waiting for You』(2008年)
オーネット・コールマン『White Church』、『Sound Grammar』(2003、2005年)
オーネット・コールマン&プライム・タイム『Skies of America』1987年版(1987年)
シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 再見(1985年)
シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 オーネット・コールマンの貴重な映像(1985年)
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オーネット・コールマンの映像『David, Moffett and Ornette』と、ローランド・カークの映像『Sound?』(1966年)
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オーネット・コールマンの最初期ライヴ(1958年)
オーネット・コールマン集2枚(2013年)