『the golden circle』(Jando Music、2013年)というアルバムを聴いている。勿論、オーネット・コールマンがかつて有名なライヴを行った場所からグループ名を取ったものであり、オーネット集である。
Rosario Giuliani (sax)
Fabrizio Bosso (tp)
Enzo Pietropaoli (b)
Marcello Di Leonardo (ds)
トランペットを吹くファブリッツィオ・ボッソしか知らないが、みんなイタリア人なのかな。
オーネットの名曲「Congeniality」からはじまり、「Peace」や「Lonely Woman」などをまじえた構成は、オーネットへのリスペクトに満ち満ちている。しかし、ここで展開される演奏はあまりにもストレートである。ときにはトラディッショナルな芸さえもみせる。すなわち、爽快ではあるが変態的ではない。
あらためて、アルド・ロマーノ『To be Ornette to be』(EMI、1989年)を取りだしてみる。
Aldo Romano (ds)
Franco D'Andrea (p)
Paolo Fresu (tp, flh, YAMAHA SPX90)
Furio Di Castri (b)
のっけから、ベースもピアノもうねうねとしたソロで自己を主張しまくる。パオロ・フレスのトランペットの存在感は大きく、エフェクターSPX90を使ったのだろうか、同時吹きもみせる愉しさ。やはり、こうでなくては。逸脱がなければオーネット的ではない。
そしてアルド・ロマーノのマニッシュなドラミングは個性的。ジャズ・ドラマーに、大きな懐に引き寄せて受けるタイプと、身体の前面で闘うタイプとがいるとしたら、ロマーノは明らかに後者である。バッターで言えば、前さばきが巧かったスワローズの若松勉か(違うか・・・)。いや、がっちりした体躯で、速く重いパンチを出し続けるボクサーか。
アルド・ロマーノ(2010年、パリ) Leica M3、Summicron 50mmF2.0、Tri-X(+2増感)、フジブロ4号
●参照
○オーネット・コールマン『Waiting for You』
○オーネット・コールマン『White Church』、『Sound Grammar』
○シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 オーネット・コールマンの貴重な映像
○オーネット・コールマンの最初期ライヴ
○コンラッド・ルークス『チャパクァ』
○アルド・ロマーノ、2010年2月、パリ