オーネット・コールマン『Waiting for You』(Cool Jazz、2008年録音)を聴く。
Ornette Coleman (as, tp, vl)
Tony Falanga (b)
Charnett Moffett (el-b) (Disc 1)
Al McDowell (el-b) (Disc 2)
Denardo Coleman (ds)
Joe Lovano (ts) (Disc 1)
1枚目が2008年7月6日、ドイツのジャズ祭「Jazz Baltica」。2枚目が2008年8月31日、「Chicago Jazz Festival」。当然ライヴ録音だが、1枚目の音質がとても良いのに対し、2枚目は客席から録ったようなひどさだ。
いつものメンバー、いつもの曲。「Sleep Talking」も、「Dancing in Your Head」も、「Turnaround」も、「Bach」も。(なお、曲目の記載はかなりいい加減である。)
そしてオーネットも変わらない。というより、変わらなさすぎて、癖だけが残っている。これは実は過激の反転なのでもあって、バド・パウエルも、大城美佐子も、辿り着いた境地は発酵食品であった。
人類の宝に対して、チーズとは、くさやとは、納豆とは失礼な。いやいや、選ばれた者しか発酵できないのである。誰もオーネットにも、バドにも、美佐子先生にもなれないのだ。
先日、飛行機の中で聴いたオーネットは、ソニー・ロリンズ80歳記念のコンサート(2010年)への客演だった。冗談のようなオーネット・フレーズを飽きもせず繰り返していて、「欽ちゃんか!」となかば呆れたのだったが、まあ、そういうことである。
●参照
○オーネット・コールマン『White Church』、『Sound Grammar』
○シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 オーネット・コールマンの貴重な映像
○オーネット・コールマンの最初期ライヴ
○コンラッド・ルークス『チャパクァ』