Sightsong

自縄自縛日記

中島貞夫『沖縄やくざ戦争』

2014-10-16 06:38:22 | 沖縄

中島貞夫『沖縄やくざ戦争』(1976年)を観る。

沖縄の「本土復帰」を前に、沖縄の二大やくざ組織は合併。「本土」の巨大なやくざ組織の沖縄進出を食い止めるためだった。しかし、その目的は、数年経つうちになし崩しになってゆく。組織の理事長(千葉真一)は狂犬のように振る舞い、「本土」組織の幹部を見せしめに殺してしまう。この事件が、もともと内部で目立ってきた対立に火をつけることとなり、理事長は舎弟(松方弘樹)のヒットマン(渡瀬恒彦)に射殺される。抗争は激化。

この、「第4次沖縄抗争」(1973-81年)のさなかに撮られた映画は、あまりにも実話を題材にしすぎており、沖縄での上映ができなかったという。確かに、理事長がバーで射殺される場面、舎弟の仲間がとらえられ、その三人が自分たちで掘った穴の中で殺される場面、新しく担ぎ出された理事長が土佐犬の散歩中に射殺される場面などは、映画のわずか前に起きたばかりの事件であったようで、沖縄の映画興行の担い手にとっては、無関係ではありえなかったのだろう。

それにしても、千葉真一の演技が凄まじい。本家は、関根勤のパロディの一万倍も上をいく凄まじさであり、笑うべきかどうかの閾値を超越している。いや、吃驚した。中島貞夫の力量でもあるのかな。


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