Sightsong

自縄自縛日記

オーネット・コールマン『Trio Live / Tivoli Koncertsalen Copenhagen 1965』

2018-07-28 23:17:19 | アヴァンギャルド・ジャズ

オーネット・コールマン『Trio Live / Tivoli Koncertsalen Copenhagen 1965』(Hi Hat、1965年)を聴く。

Ornette Coleman (as, tp, vln)
David Izenzon (b)
Charles Moffett (ds)

このメンバーによるトリオは1961年に結成され、1962年に『Town Hall 1962』、1965年に『Chappaqua Suite』や『Golden Circle』、1966年に『Who’s Crazy?』(映像作品が『David, Moffett and Ornette』)を吹き込んでいる。本盤はそのゴールデン・サークルのわずか数日前の演奏である。

冒頭の「Lonely Woman」ではデイヴィッド・アイゼンソンとチャールス・モフェットとが小刻みに不穏なムードを作っていき、その中でオーネットがアルトを吹く。これを聴くと、アイゼンソンのトーンの豊富さはやはり特別なものだったことがわかる。モフェットの手癖も嬉しい。ただ、オーネットのブロウの緊張感はゴールデン・サークルのそれに遠く及ばない。数日間でテンションを上げる何かがあったのだろうか。

そのことは2曲目の「Clergyman’s Dream」でも明らかで、モフェットのやり過ぎのプレイに対する観客の笑いが聴こえる。ゴールデン・サークルほどサウンドが張り詰めていればそんなことは起きないはずである。

『Town Hall』で演奏した「Sadness」ではようやく息を呑むような時間が訪れる。抑制したオーネットのアルトは、ブルージーに奇妙に飛翔するプレイと同様に快楽の源である。最後の「Falling Star」におけるアイゼンソンとオーネットのヴァイオリンとの軋み合いはなかなかの聴き物。

●オーネット・コールマン
オーネット・コールマン『Waiting for You』(2008年)
オーネット・コールマン『White Church』、『Sound Grammar』(2003、2005年)
オーネット・コールマン&プライム・タイム『Skies of America』1987年版(1987年)
シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 再見(1985年)
シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 オーネット・コールマンの貴重な映像(1985年)
オーネット・コールマン『Live at Teatro S. Pio X 1974』(1974年)
オーネット・コールマン『Ornette at 12』(1968年)
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スリランカの映像(6) コンラッド・ルークス『チャパクァ』(1966年)
オーネット・コールマン『Town Hall 1962』(1962年)
オーネット・コールマンの最初期ライヴ(1958年)
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