Sightsong

自縄自縛日記

鈴木昭男+ジョン・ブッチャー『Immediate Landscapes』

2017-07-27 07:37:22 | アヴァンギャルド・ジャズ

鈴木昭男+ジョン・ブッチャー『Immediate Landscapes』(Ftarri、2006, 2015年)を聴く。

Akio Suzuki 鈴木昭男 (pebbles, glass plate, sponge, pocket bottle, voice ANALAPOS, brass plate, cardboard box, wood screws, bamboo stick, metal plate, noise whistle, swizzle sticks)
John Butcher (ts, ss)

1-5曲目は、2006年にスコットランドで行われた演奏。それぞれ響きのよい場所が選ばれたということであり、レーベルの解説によれば、「Fife にある地下貯蔵所 Wormit Reservoir、反響音が長く続く人工建造物として有名な Hamilton にある霊廟 Hamilton Mausoleum、Durnessにある巨大洞窟 Smoo Cave、Spey Bay にある大きな氷室 Tugnet Ice House、オークニー諸島にある第二次世界大戦中に使用された石油貯蔵タンク Lyness Oil Tank」の5箇所。

こうなると演奏の結果として響きがありそれを利用するのではなく、場が共演者となっているということだ。スコットランドでのソロ演奏は『Resonant Spaces』に収録されているらしい。また、同時期のジョン・ブッチャーの傑作『The Geometry of Sentiment』でも、同様の場として宇都宮の大谷石地下採石場跡において演奏されている。ブッチャーは周囲に応じてカメレオンのように変化する人だが、演奏者だけではなく、場も感応の対象として選んでいたということか。そしてセンサーで感知するのはもとは自分の発した音だったりして、演奏者自身も含めたフィードバックのシステムだととらえると、それは電気的なものとは随分と異なる。

鈴木昭男が小さいモノから作りだす音も面白い。ブッチャーとはまるで態度が違うようであり、目の前にあるモノと音をとても大事にしているような雰囲気が伝わってくる。

6曲目は2015年、スーパーデラックスにおけるライヴであり、響きや増幅のサウンドへの介入はさほどないのだが、ふたりの呼応が感じられてまた良い。この日は対バンが多いこともあって、わたしはブッチャーの音をじっくり聴くためにホール・エッグファームに行くことを選んだ。本盤の録音を聴くと今になって後悔する。鈴木昭男さんの演奏も直に観てみたい。

●ジョン・ブッチャー
歌舞伎町ナルシスの壁(2016年)
ジョン・ブッチャー+高橋悠治@ホール・エッグファーム(2015年)
ジョン・ブッチャー+ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ『So Beautiful, It Starts to Rain』(2015年)
ジョン・ブッチャー+トマス・レーン+マシュー・シップ『Tangle』(2014年)
ロードリ・デイヴィス+ジョン・ブッチャー『Routing Lynn』
(2014年)
ジョン・ブッチャー@横浜エアジン(2013年)
ジョン・ブッチャー+大友良英、2010年2月、マドリッド(2010年)
ジョン・ブッチャー+マシュー・シップ『At Oto』(2010年)
フレッド・フリス+ジョン・ブッチャー『The Natural Order』(2009年)
ジョン・ブッチャー『The Geometry of Sentiment』(2007年)
デレク・ベイリー+ジョン・ブッチャー+ジノ・ロベール『Scrutables』(2000年)
『News from the Shed 1989』(1989年)

ジョン・ラッセル+フィル・デュラン+ジョン・ブッチャー『Conceits』(1987、92年)

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