Sightsong

自縄自縛日記

『けーし風』2009.3 オバマ政権と沖縄/ガザ、『週刊金曜日』戦争ごっこ、『BRUTUS』の仏像特集

2009-04-15 08:47:14 | 沖縄

■『けーし風』2009.3(新沖縄フォーラム)

最新号の特集は、「オバマ政権と沖縄」と「ガザが世界に問いかけているもの」。「オバマ政権」とは言うものの、その謳う「チェンジ」に過度な期待をするというよりも、米軍再編のなかで沖縄が存在する位置についての視線というべきか。ピースデポの梅林宏道氏による講演録と対談は示唆的である。米国の掲げる「スマート・パワー」(次期駐日大使のジョゼフ・ナイによる)は、ハードな軍事力でなく強制せず米国の意向に沿わせる力、だが、それに関して、梅林氏は限界だと指摘する。

「これは私に言わせれば、非常に矛盾した認識です。つまり、軍事的に優位を保つ国は、絶えず軍事力を背景にものを言っていると見られざるを得ないわけです。」
「ですから、軍事力を相対的に下げることによってこそ、そういうことが少しでもできるようになるのだという認識は、残念ながら生まれていない。それが「限界」という言葉になります。」

そのような面の顕在化はあちこちで見られるわけで、少なくとも激しく矛盾した親分の声を拡声器にかけることの罪は大変大きい。『朝日新聞』2008/1/8の紹介文なんかは、駄メディアの典型と言えそうだ。

グアム移転の協定なんかもあっさり看過されてしまい、それどころか、ヒラリー・クリントン来日時のビジュアル的な態度をニュースにしていたりして、もうどうしようもないねという印象が強い。

新崎盛暉氏との対談でも、梅林氏は繰り返している。

「オバマは確かに魅力的な人物ですし、抑圧された側についての視点がだんだんと政治の中に見えてくるという貢献もあるとは思います。しかし「軍事的優位を確保する」という前提を変える、そういうことを提示する力が世界のどこかから出てこないといけない。日本などはまさにそうなるべき憲法を持っている。危うい状況ですが、それでもまだ大衆カルチャーとしては、戦争はいやだし、軍事的優位を保つことをよしとしない発想が日本にはあり、軍事カルチャーへの抵抗がある。アメリカには無いに等しい。」

ガザ特集では、板垣雄三氏の講演録が圧倒的に思える。やはりここでも、イスラエル、米国主導のメディア戦略によって隠蔽されている部分が多いことを指摘している。

「もしもパレスチナに目をつぶって「ホロコーストの記憶」だけを吹聴するなら、それは自らを騙しているということになってしまう。「悲劇の民族」が永久に人道主義的だという保証はどこにもないのです。今日のイスラエル占領地の景色は、まさしくナチの強制収容所のそれなのです。」

■『週刊金曜日』2009/4/10 特集・戦争ごっこに巻きこまれるな

北朝鮮の人工衛星騒動が、軍備を必要だと思わせるためのものだったという多くの指摘。これも、皆そんなことわかっているでしょう、と考えるのはきっと大甘で、それどころか、堂々と「ミサイル」という報道が定着してしまっているのを許している。

千葉県知事選も含め、すべてデタラメのきわみだ。(これは、公職選挙法違反であったこと、献金隠しがあったことなどが明らかにされることに期待したい。)

■『BRUTUS』2009/4/15 特集・仏像

やめようやめようと思いつつ、仏像カードに負けて手を出してしまった。当然、みうらじゅんムーブメントの流れにあることはわかっているが、つい笑ってしまう。

世田谷美術館の中尊寺展、福岡市博物館の三井寺展にも足を運びたいが、さてできるだろうか。


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