原将人『20世紀ノスタルジア』(1997年)を観る。
広末涼子10代のデビュー作とあって、広末ファンの間では賛否両論分かれているようである。評価の分かれ目はおそらくオーソドックスな劇映画(ベタなアイドル映画も含めて)とはかけ離れた自主製作映画のようなノリにある。
私は、商業映画においても隙間だらけの映画を構築してみせた原将人の手腕が素晴らしいと思ってしまう。ここに出てくる物語も、思春期性も、トイカメラで撮られたようなキッチュな映像も、すべて手垢のついたような二次情報ばかりである。しかし、すべての要素が互いに距離を置いたようなドンガラの構造、そしてその距離が映画なのだとさえ感じられる。これはやはり、原将人のツッパリだったのだろう。
ところで、原将人全映画上映のVol.2が10/10に予定されているようで、ちょっと行けるかどうかわからないところ。『初国知所之天皇』をぜひ観たいのだけれど。(>> リンク)