マーティン・エスカランテ+小埜涼子『Duo』(2019年)を聴く。
Martín Escalante (as)
Ryoko Ono 小埜涼子 (as)
先のノア・ソウザとのデュオとは大きく異なり、相方は小埜涼子さんである。
確かに小埜さんも奇妙でフリーキーな音を出すものの、アルトのキー操作によってフレーズを繰り出してゆく。というか、それがアルトを吹くということである。一方のエスカランテは操作やフレージングよりも、破綻しようがしまいが吹き続けることに最大のアイデンティティを持っているようにみえる。その結果ポルタメントにも聴こえるぐちゃぐちゃの奔流が生まれている。
なにものにも負けないようにみえる強度をもったふたりが、まるで違うくせに、平然と共存してみせている。そのことがとても感動的。
●マーティン・エスカランテ
マーティン・エスカランテ+沼田順+石原雄治@なってるハウス(2019年)
マーティン・エスカランテ、川島誠、UH@千駄木Bar Isshee(2019年)
マーティン・エスカランテ+ノア・ソウザ『The Sprawl』(-2019年)
マーティン・エスカランテ+ウィーゼル・ウォルター『Lacerate』(2018年)
シシー・スペイセク『Spirant』(2016年)
●小埜涼子
mn+小埜涼子@七針(2019年)
林栄一+小埜涼子『Beyond the Dual 2』(2014-15年)