先日大阪に足を運んだ際に、「St. James」で、ピアニスト田中武久さんの70歳記念ライヴがあるというので行くつもりだったのだが、他の用事ができて叶わなかった。次の機会にこそ聴きに行こうと思いながら、ときどき、エルヴィン・ジョーンズとの共演盤『When I was at Aso-Mountain』(Enja、1990年)を聴いている。
Sonny Fortune (fl, ts)
田中武久 (p)
Cecil McBee (b)
Elvin Jones (ds)
それなりに大きな音量で聴くと、エルヴィン・ジョーンズの重い鞭のようなドラミングが、みぞおちや後頭部に、ドドッ、ズドドッと決まりまくる。これほどに独特で、へヴィ級でありながら軽やかであり、気持の良いドラマーは他にいない。1995年頃に、エルヴィンを新宿ピットインで観たとき、わたしはちょっと疲れていて眠かったのだが、最初の一音でびっくりするほど急に覚醒したことを覚えている。
それに加えて、セシル・マクビー。唸るベース、渋い。この人が好きだと言われれば、握手してしまう。
田中武久のピアノは、最初聴いているうちは、取り立てて目立ったところもなくさしたる印象を持たない。しかし、聴いているうちに、懐が深いというのか、いつの間にかピアノに耳が持って行かれている。文字通り、「じわじわくる」。大阪で早く聴きたいが、なかなか機会がない。
●参照
○エルヴィン・ジョーンズ(1)
○エルヴィン・ジョーンズ(2)
○『Stan Getz & Bill Evans』(エルヴィン・ジョーンズ参加)
○ロヴァ・サクソフォン・カルテットとジョン・コルトレーンの『Ascension』(エルヴィン・ジョーンズ参加)
○藤岡靖洋『コルトレーン』、ジョン・コルトレーン『Ascension』(エルヴィン・ジョーンズ参加)
○マッコイ・タイナーのサックス・カルテット(エルヴィン・ジョーンズ参加)
○ベキ・ムセレク『Beauty of Sunrise』(エルヴィン・ジョーンズ参加)
○ソニー・シモンズ(エルヴィン・ジョーンズ参加)
○チコ・フリーマン『Elvin』
○チコ・フリーマンの16年(セシル・マクビー参加)
○ソニー・フォーチュン『In the Spirit of John Coltrane』