Sightsong

自縄自縛日記

『Andrew Cyrille Meets Brötzmann in Berlin』

2018-05-18 20:01:30 | アヴァンギャルド・ジャズ

『Andrew Cyrille Meets Brötzmann in Berlin』(FMP、1982年)を聴く。

Peter Brötzmann (E-flat cl, tarogato, as, ts, bs)
Andrew Cyrille (ds, perc)

ペーター・ブロッツマンについては1960年代後半の『For Adolphe Sax』や『Machine Gun』などがあり、またアンドリュー・シリルについてもやはり60年代後半からのセシル・テイラーと伍しての演奏があったわけだから、その延長線上にあるものとして当然と言えば当然なのだが、やはり、このエネルギー・ミュージックには圧倒される。どうしても比較対象はかれらの現在の音になってしまい、それと比較すると違いはあまりにも大きい。もちろんどちらが良いということではないのだが、何にせよこの共演は凄い。

1曲目の「Wolf whiste」から両者ともに惜しみなくエネルギーを放ちまくる。文字どおりのヘラクレスである。一方のシリルは、現在は武道の達人然としたドラミングを見せてくれるのだが、このときはそれにマッチョな要素も加わっている。

2曲目からの「Quilt」a-cは趣向を変えており面白い(キルトである)。「a」ではブロッツマンは鳥のような高音、シリルはおそらくシンバルをスティックで擦り続けてそれに応える。「b」では一転してシリルの腹に響くバスドラ、ブロッツマンは朗々と吹くのだが、それが苛烈になってゆき、そしてなんと「On Green Dolphin Street」を吹き始める。意外に芸達者である。「c」では、シリルの繊細なシンバルワークから始まる多彩なソロを披露する。これは現在の姿にも通じているように思える。

●アンドリュー・シリル
ベン・モンダー・トリオ@Cornelia Street Cafe(2017年)
トリオ3@Village Vanguard(2015年)
アンドリュー・シリル『The Declaration of Musical Independence』(2014年)
アンドリュー・シリル+ビル・マッケンリー『Proximity』(2014年)
ビル・マッケンリー+アンドリュー・シリル@Village Vanguard(2014年)
ベン・モンダー『Amorphae』(2010、13年)
トリオ3+ジェイソン・モラン『Refraction - Breakin' Glass』(2012年)
アンドリュー・シリル『Duology』(2011年)
US FREE 『Fish Stories』(2006年)
アンドリュー・シリル+グレッグ・オズビー『Low Blue Flame』(2005年)
バーグマン+ブロッツマン+シリル『Exhilaration』(1996年)
ビリー・バング+サン・ラ『A Tribute to Stuff Smith』(1992年)
1987年のチャールズ・ブラッキーン(1987年)
アンドリュー・シリル『Special People』(1980年)
アンドリュー・シリル『What About?』(1969年) 

●ペーター・ブロッツマン
ペーター・ブロッツマン+ヘザー・リー『Sex Tape』(2016年)
ペーター・ブロッツマン+スティーヴ・スウェル+ポール・ニルセン・ラヴ『Live in Copenhagen』(2016年)
ブロッツ&サブ@新宿ピットイン(2015年)
ペーター・ブロッツマン+佐藤允彦+森山威男@新宿ピットイン(2014年)
ペーター・ブロッツマン@新宿ピットイン(2011年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Concert for Fukushima / Wels 2011』(2011年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(2011年)
ペーター・ブロッツマン+佐藤允彦+森山威男『YATAGARASU』(2011年)
ハン・ベニンク『Hazentijd』(2009年)
ヨハネス・バウアー+ペーター・ブロッツマン『Blue City』(1997年)
バーグマン+ブロッツマン+シリル『Exhilaration』(1996年)
『Vier Tiere』(1994年)
ペーター・ブロッツマン+羽野昌二+山内テツ+郷津晴彦『Dare Devil』(1991年)
ペーター・ブロッツマン+フレッド・ホプキンス+ラシッド・アリ『Songlines』(1991年)
エバ・ヤーン『Rising Tones Cross』(1985年)
『BROTZM/FMPのレコードジャケット 1969-1989』
ペーター・ブロッツマン
セシル・テイラーのブラックセイントとソウルノートの5枚組ボックスセット(1979-86年) 


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