Sightsong

自縄自縛日記

青木タイセイ+遠藤ふみ+則武諒@関内・上町63

2021-07-23 10:15:27 | アヴァンギャルド・ジャズ

関内の上町63(2021/7/22)。

Taisei Aoki 青木タイセイ (tb, b, pianica)
Fumi Endo 遠藤ふみ (p)
Ryo Noritake 則武諒 (ds)

3人ともゴリゴリ攻めるというより柔軟にサウンドを作ってゆく印象がある。

冒頭は遠藤さんのオリジナル(タイトル未定)。カーラ・ブレイを思わせる曲想であり、耳がそうなるとスペースを取って入るベースもまたスティーヴ・スワロウを想起させる。だがもちろんオリジナルであって、遠藤さんが和音とともに静かな中から真ん中ににじり寄ってくるおもしろさがある。そのまま「Waltz New」(ジム・ホール)に移り、ベースの音に乗せるというより別文脈で進むピアノ、はじけるようなドラムス。モンクの「Ugly Beauty」は遠藤さんの右手がはねる気持ちよい導入、そして変わった曲のトロンボーンはやはり独特。「Etudes」(ポール・モチアン)では増幅させたピアニカ、ピアノ、ドラムスが同列。

セットの締めくくりは遠藤さんの「雨音」。雨垂れを思わせるピアノに続き、湿った空気を再現するかのような効果をもつブラシとピアニカの響き。

セカンドセット冒頭の「Skating in Central Park」ではピアノとブラシに続いてすぐに入るトロンボーンの音色がとてもいい。遠藤さんのピアノには、最初に感じた通り、サウンドの構造に力で貢献するというよりは、別の並行世界で室内にいて作業や生活をしているような奇妙な感覚がある。そのままショーターの「Footprints」に続き、青木さんがベースで弾くテーマはオリエンタルな雰囲気がありおもしろい。そのままベースはサウンドのドライヴに移り気持ちいい。ベースでつなぎ、コルトレーンの「Resolution」に移ると、トロンボーンとドラムスのパターンが執拗。ピアノもまた静かに抑揚とともに執拗な演奏をする。

青木さんのオリジナル「時雨雫」は主導するトロンボーンならではの旋律に思える。最後の「Rabo De Nube(雲のしっぽ)」(シルヴィオ・ロドリゲス)はエモーショナルでいい曲。ピアニカの音色の効果もあった。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4、XF35mmF1.4

●青木タイセイ
酒井俊+青木タイセイ+永武幹子@本八幡cooljojo(2019年)
大前チズル『Royal Folks』(2017-18年)
オルケスタ・リブレ@神保町試聴室(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)

●遠藤ふみ
徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(その3)(2021年)
かみむら泰一+古和靖章+遠藤ふみ+阿部真武@神保町試聴室(2021年)
徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(その2)(2021年)
本藤美咲+遠藤ふみ@Ftarri(2021年)
徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(2021年)
池田陽子+遠藤ふみ@Ftarri(2021年)

●則武諒
クリス・ヴィーゼンダンガー+かみむら泰一+落合康介+則武諒@中野Sweet Rain(2019年)
福冨博カルテット@新宿ピットイン(2015年)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。