goo blog サービス終了のお知らせ 

Sightsong

自縄自縛日記

オリヴィエ・アサイヤス『クリーン』

2011-11-12 20:25:04 | ヨーロッパ

オリヴィエ・アサイヤス『クリーン』(2004年)を観る。

ロック業界。ドラッグで夫を亡くし、自らもドラッグ中毒で収監された女性(マギー・チャン)は、慣れない仕事を探し、いまだ見たことのない真っ当な生活を引寄せようとする。全ては、夫の両親のもとに預けている息子と一緒に暮らすためだった。記憶がこびりついたロンドンを避けてパリへ、そしてヴォーカリストとして録音のオファーがあったサンフランシスコへ赴く。

このときマギー・チャンは40歳前後。斜に構え、虚勢を張る傲慢な態度を変えることができないながら、弱さを暴発させそうな愚かな女性の演技が良い(アサイヤスと離婚したばかりだった)。また、感情を抑える夫の父親を演じたニック・ノルティも良い。口がでかくけだるい感覚のベアトリス・ダルも良い。

しかし何よりも、ライヴ感のあるカメラワーク、アンビエントな音楽とアンビエントなノイズ、短いセンテンスをスピーディーに鋏で断ったような編集が絶妙だった。感動も感情移入もしないが魅せられたことは確かだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。