Sightsong

自縄自縛日記

豊住芳三郎+ジョン・ラッセル『無為自然』

2018-08-23 07:27:17 | アヴァンギャルド・ジャズ

豊住芳三郎+ジョン・ラッセル『無為自然』(Chap Chap Records、2013年)。

Sabu Toyozumi 豊住芳三郎 (ds, perc, 二胡, 胡弓)
John Russell (g)

耳を傾けていると、有限の演奏時間のどこに居るのかわからなくなってしまうのだが、一刻ごとに何か新しいものが生み出されている。それが続く。

ジョン・ラッセルのギターは高音までをへばりつくように使う。12音を平等に扱い、そこからの抽出によりひりひりとした緊張とスピードとを創出している。そのあたりは師匠筋のデレク・ベイリーと共通するのではあるけれど、ベイリーよりもしなやかでマイルドな印象がある。

スピードといえば、豊住さんのドラムスがそれに激しく貢献している。タイトルの無為というか、無形の疾走であり、パルスを発する人というよりパルスそのものであるような。加えて、二胡がラッセルのギターと重なるときの他とのコントラストがまた素晴らしい。

この9月23日には稲毛のCandyで同じデュオがある。わたしも観に行くつもりである。

●ジョン・ラッセル
ドネダ+ラッセル+ターナー『The Cigar That Talks』(2009年)
『News from the Shed 1989』(1989年)
ジョン・ラッセル+フィル・デュラン+ジョン・ブッチャー『Conceits』(1987、92年)

●豊住芳三郎
謝明諺『上善若水 As Good As Water』(JazzTokyo)(2017年)
ブロッツ&サブ@新宿ピットイン(2015年)
豊住芳三郎『Sublimation』(2004年)
ポール・ラザフォード+豊住芳三郎『The Conscience』(1999年)
加古隆+高木元輝+豊住芳三郎『滄海』(1976年)
加古隆+高木元輝+豊住芳三郎『新海』、高木元輝+加古隆『パリ日本館コンサート』(1976年、74年)
豊住芳三郎+高木元輝 『もし海が壊れたら』、『藻』(1971年、75年)
富樫雅彦『風の遺した物語』(1975年)


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