Sightsong

自縄自縛日記

豊住芳三郎『Sublimation』

2017-05-02 20:23:32 | アヴァンギャルド・ジャズ

豊住芳三郎『Sublimation』(Bishop Records、2004年)を聴く。

"Sabu" Toyozumi 豊住芳三郎 (ds, perc)
Satoshi Iizuka 飯塚知 (as, ss)
Hideaki Kondo 近藤秀秋 (g)
Jun Kawasaki 河崎純 (b) 

やはりここでも活力を体現したような豊住芳三郎、その叩きっぷりはどのような意味であろうとも独尊。日本的なのかシカゴ的なのか、その両方なのか、なんとか的ではないのか。パルスの重さにも気圧される。まるでハヌマーンが奇矯な恰好で空を翔けてゆくような姿を幻視する。

独尊とは言え相手あってのことであり、ここで相対する3人のプレイにもまた迫力を感じる。はじめは皆横目で互いを睨みつつも敢えて抑制したような演奏を続ける。だが白眉は最後の5曲目「Lofty Resistance」。弦の軋みを吹いたような飯塚知のサックス、方法論的にも強度を表現した近藤秀秋のガットギター、暴走せぬよう一音一音に力を込める河崎純のコントラバス、それらが軋みの魔法陣を形成する。その中を駆け抜ける豊住芳三郎。

ところで近藤さんには、先日はじめてお会いしたときに、演奏もなさるのですねなどと間抜けで失礼なことを聞いたのだった。これを聴いてしまったいま、穴があったら入りたい。

●豊住芳三郎
ブロッツ&サブ@新宿ピットイン(2015年)
ポール・ラザフォード+豊住芳三郎『The Conscience』(1999年)
加古隆+高木元輝+豊住芳三郎『滄海』(1976年)
加古隆+高木元輝+豊住芳三郎『新海』、高木元輝+加古隆『パリ日本館コンサート』(1976年、74年)
豊住芳三郎+高木元輝 『もし海が壊れたら』、『藻』(1971年、75年)
富樫雅彦『風の遺した物語』(1975年)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。