先日、新宿ゴールデン街のBar十月に中平穂積写真展『Jazz Giants』を観に行ったところ、何でも急に中平さんがその気になったとかで、展示されている写真が売られていた。値段は言わないが、これで中平穂積オリジナルプリントが買えるとは信じられないくらいである。
慌ててわたしも1枚買ってしまった。スーツを着て大汗をかいているモンクの写真には既に買い手が付いていたので、その次に好きだと思ったモンクの写真に、購入印を貼った。1963年、モンクが来日した時に、渋谷の街を歩いている写真である。これも凄く良い。

写真展が終わって、十月のかずこママからもメールが来たので、飲みがてら受け取りに足を運んだ。扉を開けたら、そこには写真家の海原修平さんが座っていて仰天した。上海から帰国されていたとは知らなかった。以前にここで写真展を開き、お店を紹介してくださった方である。そんなわけですっかりご馳走になり、酔って写真を忘れないようにと気を付けながら帰宅した。
ところで、この写真が撮られた場所がわからない。「かりよん」、「とんかつ あら井」、「モコ」をググってみても、もうお店がないのか、ヒットしない。いつか同じ場所で同じポーズを取ってみたいものだ。
私はこの写真をたいへん気に入って、自分の家にポストカードを飾っています。
貴殿と同じように東京のどこなのか、気になり、時間をかけて調べつくしました。
渋谷であることが大きな手掛かりでしたが、撮影当時は中平氏がまだ百軒店にジャズ喫茶を経営している頃。その近くで撮られたと推測されます。坂道の角度も、行けば写真と同じだとわかります。
写真に出てくるとんかつ屋などの店の辺りは現在では風俗店の呼び込み店員が立っています。昼も夜も人通り激しい場所で写真撮るのは恥ずかしいですが、私は何枚も撮りました。是非、行ってみてください。