アレサ・フランクリンのDVD『Amazing Grace』(1972年/2018年)を観る。
Aretha Franklin (p, celesta, lead vo)
Rev. James Cleveland (p, lead vo)
Cornell Dupree (g)
Rev. C.L. Franklin (vo)
Kenneth "Ken" Lupper (org, key)
Pancho Morales (congas, perc)
Bernard Purdie (ds)
Chuck Rainey (b)
Southern California Community Choir (background vo)
アレサ・フランクリンのアルバム『Amazing Grace』は1972年にライヴ録音されたものだが、その際、ドキュメンタリー映画にするため撮影も行っていた。監督は『ザ・ヤクザ』なんかを撮ったシドニー・ポラック。どうやら『スーパーフライ』(カーティス・メイフィールドが音楽を担当)と同時上映の予定だったようである。
しかし、ポラックはカチンコを使わず、そのために音と映像を同期させることができなかった(映画では冒頭に「技術的な困難さにより」という字幕が挿入される)。作業や契約を経てお蔵入りのフィルムが公開されたのは、アレサが亡くなって数か月後のことである。
いやそれにしても至福の80分間。30歳になる直前のアレサの歌声には驚くほかない。マーヴィン・ゲイの曲から始まり、恍惚の表情で声を出すたびにバプティスト教会のクワイヤの面々や集まった人たちが歓喜する「Amazing Grace」で、ライヴのピークを迎える。豪華なバンドメンバーももっと写してほしかったところではあるけれど、バーナード・パーディが少し登場するだけで嬉しいというものだ。
本当に不世出の歌手だったんだなあ。
●アレサ・フランクリン
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