Sightsong

自縄自縛日記

内橋和久+松丸契@千駄木Bar Isshee

2020-10-06 08:07:10 | アヴァンギャルド・ジャズ

久しぶりのBar Isshee(2020/10/5)。コロナ禍でしばらく営業を休止していた。

Kazuhisa Uchihashi 内橋和久 (g, daxophone)
Kei Matsumaru 松丸契 (as)

前衛での長いキャリアを持つ内橋さんと、ジャズ中心ながら野心的な活動を拡げている新進気鋭の松丸さん。このふたりの出逢いというだけで驚いてしまうのだが、若い人と演りたいという内橋さんの希望を受けてイッシーさんが組んだものだという。さすがである。

内橋さんの引き出しの多さにはあらためて圧倒される。何気なく出すダクソフォンの声は妖怪のようでもあり、艶やかな女性のようでもあり、老人の嗄れ声のようでもあり、幼児のようでもある。それがサウンドの流れの中で、えっいま何をするのと「文脈」的なものを気にしてしまうのだが、それさえ自然に引き寄せてしまう凄さがある。

それで松丸さんはどうするのかと注視していると、アルト1本で頑固に思えるほど自身の音楽を押し出している。はじめは内橋さんの多彩さにアルトの擦音の変化で追従しているようにみえた。横の御大をもっと挑発してもよいのではないかと思いもしたが、仮にそうしたとしても足腰のしっかりしない浮気サウンドかもしれなかった。押し通すところに松丸さんの表現の強さが感じられた。実際、鋭角の音はデュオとして拮抗させる力を持っていた。それでも途中からは立ち上がり、マイクを通じてアンプ機能をもっと自分のほうに引き寄せようとしていたように思えたがどうだろう。

次の機会には松丸さんはエフェクトも使うそうである。また驚きがありそう。

●内橋和久
ロジャー・ターナー+喜多直毅+内橋和久@下北沢Apollo(2019年)
サインホ・ナムチラック+内橋和久@八丁堀ハウル(2019年)
内橋和久+サーデット・テュルキョズ@Bar Isshee(2018年)
ユーラシアンオペラ東京2018(Incredible sound vision of Eurasia in Tokyo)@スーパーデラックス(2018年)
ロジャー・ターナー+広瀬淳二+内橋和久@公園通りクラシックス(2017年)
U9(高橋悠治+内橋和久)@新宿ピットイン(2017年)

●松丸契
松丸契@下北沢No Room for Squares(JazzTokyo)(2020年)
松丸契@東池袋KAKULULU(2020年)
瀬尾高志+松丸契+竹村一哲+高橋佑成@公園通りクラシックス(2020年)
松丸契+永武幹子+マーティ・ホロベック@なってるハウス(JazzTokyo)(2020年)
松丸契@下北沢No Room For Squares(2020年)
松丸契+片倉真由子@小岩コチ(2020年)
細井徳太郎+松丸契@東北沢OTOOTO(2019年)
松丸契『THINKKAISM』(2019年)
纐纈雅代+松丸契+落合康介+林頼我@荻窪ベルベットサン(2019年)
m°Fe-y@中野Sweet Rain(2019年)
SMTK@下北沢Apollo(2019年)


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