ウルリケ・レンツ+ヨシュア・ヴァイツェル『#FLUTESHAMISEN』(2016年、Factorvac)を聴く。
Ulrike Lentz (piccolo, fl, fl with glissando headjoint, alto fl, flutetubes)
Joshua Weitzel (chuzao shamisen)
タイトルの通り、フルートと三味線。ふたりともドイツ人である。
ヨシュア・ヴァイツェルは日本で働いていたこともあり、日本語も堪能である。かれが三味線を日本の伝統音楽として学んだのかどうかわからないのだが(ギターも弾く)、それはどちらでもよい。これを聴くと、独自文脈でのインプロとして、三味線にもさまざまな表現があるのだなと驚かされる。掻き鳴らしも、細い弦を強く張ったことによる独特の振動音も、音をそこから外部につまみ出すような手法も。
その多彩さはウルリケ・レンツのフルートについても言うことができる。もとより音波が安定しない楽器だが、そのことを活用したゆらぎが効果的で、尺八を思わせもする。唇付近の音を増幅させる時間も、管全体の風のような共鳴を際立たせる時間もある。
このふたりによる即興が2曲。面白く興味深い。ヨシュアさんは今年の7月にも来日するそうであり、ぜひいろいろ手法や考えについて訊いてみたい。
●ヨシュア・ヴァイツェル
二コラ・ハイン+ヨシュア・ヴァイツェル+アルフレート・23・ハルト+竹下勇馬@Bar Isshee(2017年)
大城真+永井千恵、アルフレート・23・ハルト、二コラ・ハイン+ヨシュア・ヴァイツェル+中村としまる@Ftarri(2017年)