Sightsong

自縄自縛日記

rabbitoo@フクモリ

2016-03-23 23:50:58 | アヴァンギャルド・ジャズ

万世橋のフクモリにて、rabbitooを観る(2016/3/23)。

Motohiko Ichino 市野元彦 (g)
Daisuke Fujiwara 藤原大輔 (ts, effect)
Hiroki Chiba 千葉広樹 (b)
Koichi Sato 佐藤浩一 (key, p)
Noritaka Tanaka 田中徳崇 (ds)

トンネルの跡なのだろうか、音が筒状のコンクリートの空間に響く。循環し何かへとシフトしていくサウンド、ソロ回しなどではない形で個々が主張するサウンド。仕事のあとでとても疲れていたのだが、この循環に耳をゆだねていると奇妙に覚醒してきた。

この面白さは何ならむと思いググっていると、市野さんと田中さんによるインタビュー記事を見つけた。なるほどと腑に落ちるところがあった。
http://www.cdjournal.com/main/cdjpush/rabbitoo/1000000958

そういえば渋谷毅さんだって、毎回違うことをやろうとする野心を漲らせているわけではないし、クリシェのようでいてクリシェでは決してない。同じように、プラクシスなるものと、それによる微細なズレが、ミニマリズムに限りない面白さを供給しているわけである。

●参照
福冨博カルテット@新宿ピットイン(2015年)
アクセル・ドゥナー + 今井和雄 + 井野信義 + 田中徳崇 『rostbeständige Zeit』(2008年)


林栄一+小埜涼子『Beyond the Dual 2』

2016-03-23 07:18:14 | アヴァンギャルド・ジャズ

林栄一+小埜涼子『Beyond the Dual 2』(R-Records、2014-15年)を聴く。

Eiichi Hayashi 林栄一 (as)
Ryoko Ono 小埜涼子 (as)

林栄一のアルトサックスは誰が聴いても一発で判るような音色で、節回しもまた個性的。そのため、『音の粒』といった完全ソロや、たとえば「往来トリオ」だとか『Mona Lisa』だとかのワンホーン作品でも、わたしはその気にならないと聴かないことが多い。(もっともそれは個性的な楽器奏者の誰についても言えることだろうけれど。)

このアルトふたりのくんずほぐれつの吹き込みからは、その林さんの個性だけが聴こえてくるわけではないが、同時に重層的なサウンドの中から林さんの個性がくっきりと浮かび上がってきて面白い。小埜さんのドライで闊達なソロの積み重ねも好きになる。1足す1は3以上である。

●参照
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
往来トリオの2作品、『往来』と『雲は行く』(1999-2000年)