アート・アンサンブル・オブ・シカゴのライヴDVD、『LUGANO 1993』を入手した。
どうやら、『Salutes the Chicago Blues Tradition』としてCDで出されている演奏と同時期のものであり、同じ1993年7月、異なるスイスの都市で収録されている。ナレーションはドイツ語(意味は判らないが、ドイツ語であることは判る)、現地でのテレビ放送だろうか。
これまでアート・アンサンブル・オブ・シカゴの映像は、『Live from the Jazz Showcase』(1981年)のVHSのみを持っていた。これがオリジナルメンバー5人による演奏であるのに対し、このスイスでのライヴは、吃驚するようなゲストを迎えている。
Lester Bowie (tp)
Roscoe Mitchell (reeds, perc)
Joseph Jarman (reeds, perc)
Malachi Favors (b, perc)
Don Moye (ds, perc)
with
Frank Lacy (tb)
James Carter (ts)
Amina Claudine Myers (org, vo)
Chicago Beau (harp, vo)
Herb Walker (g)
白衣を着てトランペットを楽しそうに吹きならすレスター・ボウイは相変わらずだ。ドン・モイエの素朴を拡張したようなタイコも、音の響きに味のあるマラカイ・フェイヴァースのベースも、相変わらず。勿論、音を聴いただけですぐにそれとわかる、 まるで雅楽のような音色もあるロスコー・ミッチェルのサックスも、やはり、相変わらず。
しかし、ジョセフ・ジャーマンのサックスは大勢の中では浮上せず、どうも分が悪い。それもあって、彼はある程度パーカッションに専念しているのではないか、などと思ってしまった。(個性があっても、少人数のなかでこそそれを発揮できる人はいるものだ。)
ゲストはそれぞれ見せ場を与えられている。フランク・レイシーの暴れるトロンボーンも、シカゴのブルースマンであるハーブ・ウォーカーやシカゴ・ボーも楽しそうにパフォーマンスを魅せる。
ジェームス・カーターは初リーダー作を出した頃であり、日本で凄いと騒がれるのもこの後すぐだ。ブルースが大排気量のエンジンを積んだようなスタイルはやはり気持ちがいい。ブルーノート東京では自分が引き立つように当て馬のサックスを連れて演奏したり、新宿ピットインではジョン・ヒックスの指示を無視して傍若無人に振る舞ったりと、馬鹿な様子をみてウンザリしていたが、また改めて聴こうかなという気にもなってくる。
そしてアミナ・クローディン・マイヤーズのオルガンとヴォーカル。においムンムンで素晴らしいのだ。彼女が参加していなければ、このDVDを入手したかどうかわからないが、それは正解だった。
●参照
○アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『苦悩の人々』
○アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『カミング・ホーム・ジャマイカ』
○ロスコー・ミッチェル+デイヴィッド・ウェッセル『CONTACT』
○サニー・マレイ『アフリカへのオマージュ』(ミッチェル参加)
○ムハール・リチャード・エイブラムス『Streaming』(ミッチェル参加)
○ジョセフ・ジャーマン
○ドン・モイエ+アリ・ブラウン『live at the progressive arts center』、レスター・ボウイ
○マラカイ・フェイヴァースのソロ・アルバム
○マラカイ・フェイヴァース『Live at Last』
○アミナ・クローディン・マイヤーズのベッシー・スミス集
○ヘンリー・スレッギル(7) ズォイドの新作と、X-75(マイヤーズ参加)
○ヘンリー・スレッギル(8) ラップ/ヴォイス(マイヤーズ参加)
○ワールド・サキソフォン・カルテット『Yes We Can』(カーター参加)