2017-18 シーズン総括 選手寸評[2] DF編  + メルカート情報

2018-07-10 19:35:21 | ほぼ週刊サンプ通信 '17-'18

 さてシーズン総括、次はディフェンダー編。メルカートの動きを含め、各選手の去就にも注目しながら今シーズンのディフェンス陣を振り返っていきたいと思う。

 

 

 

 

 DF陣は2016-17シーズンに比べると55失点から60失点と、数字だけ見れば悪化。ただ、最後の11試合で25失点と一気に崩れたのでそれまではそこまで悪くは無かった。昨季飛躍したシュクリニアールをインテルに引き抜かれたのでその穴が心配されたが、フェラーリがその穴をほぼ埋める(シュクリニアールの方もさらに成長して良い選手になっているが)。そして両SBのストリニッチベレシンスキが昨季のレギュラーのレジーニとサーラを控えに追いやった事からわかる通り、全体的にはパワーアップした。

 昨季と変わらず4バック、そして一貫して4-3-1-2を使用。基本的にはラインを高く保って裏へのボールはオフサイドを狙いにいくが、オフサイドトラップを破られたら当たり前だけど失点にかなりつながっている。後は強豪相手にラインを引き過ぎて、中盤が間延びしたりミドルをぶち込まれたり。そこら辺が失点パターンか。後、相変わらずセットプレーの守備は弱い部類に入ると思う。継続した集中と言うのは課題であろう。

ジャンパオロ監督4バック

 ストリニッチ(ムッルー)(ドド) ベレシンスキ(サーラ)

    フェラーリ シルヴェストレ

    (レジーニ)    (アンデルセン)

※右SBはベレシンスキが成長して、サーラを抜き去ってレギュラーを確保。攻守ともにかなり精力的に動き、テクニックも無くは無い。目立たないが良い選手だ。CBはシルヴェストレは今年も変わらず柱となり、相棒は新加入のフェラーリ。前半戦は良かったが、終盤戦で息切れ。すると最後の数試合に若いアンデルセンにもチャンスが与えられた。アンデルセンはそこでまずまずの結果を残し、来季はレギュラーになる可能性が高い。シュクリニアールがデビューした時と物凄く似ている。左SBは前半戦はストリニッチが抜群の働きを見せて、ついにサンプも理想の左SBを手に入れたかと思われた。ストリニッチは別に守備が特別上手いわけでは無いが、テクニックが有るので不用意にボールを失わなかったり、クリアする所をパスで繋げて、結果守備を軽減させることになる。左サイドから攻め上がってのクロスも効いていた。しかし、ミランとの契約の問題で後半戦から試合に使われなくなる。代わり1番手のムッルーは正直期待を裏切った。攻撃はまだ良いが、守備時に非力感が否めない。まだ若いから今後期待できなくはないが、今季の出来だけで言えばとても700万ユーロの働きでは無い。さらに彼が怪我するとレジーニサーラまで左SBをやらされる始末で、この左SBの安定感の無さが後半戦の失速につながったのは間違いないだろう

  さて、DF陣ひとりひとりを振り返ってみる。

右SB 24 バルトシュ・ベレシンスキ 6.5 セリエAに慣れた今季は攻守ともにパワーアップして、昨季のレギュラーだったサーラを抜き去った。抜群のテクニックやスピードが有るわけでは無いが、攻守ともにかなり精力的に動き回りチームに貢献。リヒトシュタイナーみたいな感じ。代表にも定着して、ワールドカップではポーランド代表で、ほぼスタメンを張るまでなった。ナポリやインテルに狙われていると言うが・・・まだサンプでも成長する余地はあるし、正直今出ていくのは彼の為にもならないと思う。(31試合28先発/0ゴール/1アシスト)

CB 26 マティアス・シルヴェストレ 6.5 今季の相棒はシュクリニアールから主にフェラーリに変わったが、彼がDFの柱と言うのは変わらなかった。相変わらず”サンプの壁”となって、攻撃を跳ね返し続ける。しかし後半戦はチーム全体の守備力も低下して、彼自身にもやや衰えが見られた。特にスピード。また、組み立ての場面で突っ立ってただボールを回す姿が目立ち、勝ってる時ならまだしも、アウェイでのぐだぐだボール回しの原因の一つになっていたように思う。ただ、残念ながら来季はサンプから出ていく事がほぼ決定。パルマ辺りが有力と言われている。すごく過小評価されていると思うが、この4年間のサンプの守備を捧げていたのは間違いなく彼。それこそロマニョーリやシュクリニアール、そしてアンデルセンは彼を見て育ったのではないか。感謝したい。Grazie Matias!(34試合34先発/1ゴール/0アシスト)

CB 13 ジャンマルコ・フェラーリ 6 今季シュクリニアールの後釜として期待されて加入したフェラーリ。合流が遅れたが、レジーニからは比較的すぐにレギュラーを奪取。シルヴェストレとの連携も良く、守備では堅実さを見せた。またヘッドの強さはセットプレーでも活きており、CKから前半戦だけで2得点。しかし、後半戦はパフォーマンスが落ちた。ラツィオ戦での失点に繋がる致命的なミスパスも有り、最後の数試合はスタメンを剥奪されたりも・・・イタリア代表もシーズン当初は選ばれていたが、徐々に選ばれなくなってしまった。個人的には来季もいて欲しかったが、買い取りオプションの1350万ユーロはやはり高過ぎる。買い取らなかったサンプの判断は致し方ない所か(30試合29先発/2ゴール/0アシスト)

左SB 17 イヴァン・ストリニッチ 前半7/後半3 移籍期限最終日に獲得したが、瞬く間に左SBのレギュラーとなる。ここ数年のサンプの寂しい左SB勢と違い、しっかりしたテクニックと絶妙な攻め上がりが左サイドに落ち着きをもたらす。やっとサンプにちゃんとした左SBが定着したと思われた。しかし状況が一変したのが年明けから。冬のメルカートで、来季のミラン入りが確定と言う報道が流れる。それを機に(怪我も少しあったが)、ジャンパオロはストリニッチを一切使わなくなる。まぁこれはジャンパオロの判断だけでは無く、ミランとストリニッチとサンプの間に密約があったに違いない。残念でしょうがないのと同時に、ストリニッチには怒りしかない。そしてヨーロッパのリーグ戦の出場とお金を求めてミランに移籍した彼は、ミランの2年間のヨーロッパリーグ出場停止と言う最高のニュースを手に入れる事になる(17試合16先発/0ゴール/2アシスト)

左SB 29 ニコラ・ムッルー 5.5 元々は彼が左SBレギュラー候補として獲得された。しかしコンディション不足で開幕を迎え、後から加入したストリニッチにあっさりレギュラーを奪われる。レジーニよりはマシだとは思うが、まだテクニック的に不十分なところと、守備面でのひ弱さが目立つ。スローインする時に常に「出すとこ無いよー」みたいな身振りと情けない顔をするのは止めてほしい。ただサンプとしてはそこそこの金をつぎ込んでいるし、24歳と年齢も若い。生粋の左SBなので、成長に期待して育ててみたい選手だ。ドドみたいにならないでくれー(20試合16先発/0ゴール/2アシスト)

右SB 7 ヤコポ・サーラ 5 昨季は一応右SBのレギュラーだったが、ベレシンスキに逆転を許す。やはりMF出身と言う事も有って、守備に一抹も不安を残す。そして何より怪我がとにかく多い。1試合フルで出場した試合を数える方が難しいぐらいだ。若くしてチェルシーに青田買いされたように、何かの片鱗は残っており攻撃面では見劣りしないが、そこら辺がレギュラーを奪われた原因であろう。守備に長けてるタイプがサブのサイドバックにいれば重宝するが、それもなかなか難しい。まだ欲しがっているクラブはいくつかあるようなので、放出時では無いか?(13試合12先発/0ゴール/0アシスト)

CB 3 ホアキム・アンデルセン 6 ムスタフィシュクリニアール⇒と来たサンプが育てた若くて優秀な外国人センターバックの系譜を継ぐのは彼だろう。デカくて下手なタイプのセンターバックかと思っていたが、意外と足元も悪くない。終盤戦に盤石だったシルヴェストレとフェラーリのコンビにガタが来始めるとチャンスを与えられ、最終的に最後の6試合は先発。21歳とは思えない落ち着きも持っていて、右サイドバックでも一瞬起用されたように機動力も無くは無い(決して速くは無いが)。来季はレギュラーを獲って飛躍の年にしてもらいたい。代表も今の所デンマークのU-21であるが、フル代表の期待もかかっている(7試合6先発/0ゴール/0アシスト)

CB/左SB 19 ヴァスコ・レジーニ 5 現役で1番サンプ在籍年数が長い彼も、今年は受難の年となってしまった。批判を浴びながらも何だかんだで今まではスタメンで出る機会が多かった彼だが、今年は出番は激減。ついに出場しててもキャプテンマークをクアリアレッラに受け渡す事になってしまった。テクニック不足とたまに見せるポカ・・・・・買い取り先が見つからなければ残留の可能性は有るが、レギュラーはもはや無いだろう。と言うかあっては困る。キエーヴォあたりが狙ってると言う噂が有るが、28歳と言う一番脂が乗った時期に、彼もまだセリエBクラスに落ちたくは無いはずだから、早めに手をうつべきだ(14試合10先発/0ゴール/0アシスト)

***途中放出選手*** 

左SB 20 パヴロヴィッチ ND 4人いて飽和状態だった左SBの中でなかなか買い手が見つからず、しかし逆に開幕戦は怪我や出遅れでライバルがいなかったた為に出場。しかしその1試合出場しただけでクロトーネに完全移籍。しかしクロトーネでも結局8試合出場の0得点とあまりパッとしなかった。そろそろセリエAからいなくなってしまうか・・・ボスニア・ヘルツェゴヴィナ代表(1試合1先発/0ゴール/0アシスト)

左SB 6 ドド ND 同じく左SBの3番手と言う事で、ずっと放出リストの筆頭だったが買い手が見つからず・・・結局祖国のブラジルのサントスに一応レンタルで開幕からしばらくたってから移籍した。レンタルなので、また買い手を探さなければいけないが、サンプに帰ってくる事は無いだろう。ジャンパオロに完璧に信頼されず(特に守備が)、自慢のDFとは思えないドリブルがサンプで輝く事は無かった。私はかなり期待していた選手で、マルセロ位になれると勝手に思っていたので、完全に見誤った。セリエAでは無くて、しかも3-5-2か3-4-2-1とかの左ウィングバックで起用してくれるチームであれば、彼の人生も違う物になっていたかもしれない(0試合0先発/0ゴール/0アシスト)

 

 

  以上のメンツから、来季への動向を見てみる。私個人的に来季への願望。まず私的に来季に向けて必要な選手、そうでない選手

いる = ベレシンスキ、アンデルセン

どちらでも = ムッルー

いらない = レジーニ、サーラ

放出決定/ほぼ決定 = ストリニッチ、フェラーリ、シルヴェストレ

来シーズンのDF陣、フォーメーションはもちろん変わらないだろうが、メンツは半分以上入れ替わるだろう。両CBがいなくなり、新加入のコリーと成長を期待してアンデルセンがレギュラー候補筆頭か?フェラーリが昨季のジャンマルコからアレックスに変わってるのでご注意を。左SBにはムッルーをサブに追いやる選手を獲得したい。右のベレだけ引き抜かれなければそのまま残りそうで、ただW杯の疲れも有って合流も遅いだろうからサーラじゃない頼りになるバックアップが欲しい。レンタルバックで帰ってきたレヴェルベロランドはキャンプに招集されているので、そこでサンプに残るか再レンタルかどうか判断される

ジャンパオロ監督4バック’18-’19

???(ムッルー)  ベレシンスキ(サーラ???)

     コリー  アンデルセン

  (レジーニ???) (フェラーリ)

    レヴェルベ ロランド

 というわけで、まず売るのはレジーニサーラ。獲得したいのは優先順位順に

  1. レギュラー左SB
  2. サブ右SB
  3. レギュラークラスCB

と言うところか。ちなみに左SBにはブラジルのサンパオロのジュニオール・タヴァレスの名前が挙がっている 

 サンプトピックス

1 新ユニ発表!!

↑↑©genovapost.comより

継続して3年契約を結んだテクニカルスポンサーのJOMAから今シーズンのユニフォームが発表された。左から

ホーム、アウェイ、サード、GKユニ

この絵だと少しわかりづらいが、個人的には紐ユニのサードが秀逸!黒の紐バージョンは記憶に無く、すぐに買う事が決定した。GKユニはプラクティスと似ており、賛否両論になりそう。ただ、「GKユニは目立った方が相手FWの眼に入って邪魔になって良い」と言うメキシコのカンポス理論は私も同感で、そういう意味ではこの蛍光イエローは良いのではないか?アウェイユニは80年代のオールドサンプユニのイメージで、この写真ではわからないがパンツとブルッチェルキアティラインがつながるデザインとなっている。ホームユニは今さら言うまでも無いだろう。襟しか変えようがない

「世界で一番美しニフォーム」

2 続いてメルカート情報

一番の話題はヤクブ・ヤンクトの獲得。ウディネーゼから買い取りオプション付きレンタルで獲得。1500万ユーロ。トレイラの売却が裏では確定しているだろうが、このメルカートの初期段階でサンプがこの金額をあっさり投入した事は評価できる。ただ彼もジャンパオロのフォーメーションだと、左MFが最有力で次がトップ下となるだろう。個人的には一番プライオリティーを置いて金をつぎ込むところはトレイラの後釜だと思うので、多少不安が残るが。カペッツィの成長でお茶を濁すか、私は可能性は有ると思っているプラートのレジスタコンバートと言うウルトラCを繰り出すのか?現在トレイラの後釜候補で名前が挙がっている中では、インビュラ(ストークシティ)とか取れればうれしいが、そう上手くいくかな?フェレーロはインタビューでトレイラの代わりについて聞かれて

ベルギー人、クロアチア人、スペイン人、イタリア人」の中から1人取る

と語った。それが本当なら、ティーレマンス、ブラダリッチ、イジャラメンディ、バゼッリだったらいいなぁ

さていずれにせよヤンクトに罪は無く、彼の獲得は素直に喜ぼう。チェコ人の彼は若くしてウディネーゼのプリマヴェーラに引き抜かれて、セリエBのアスコリにレンタルされてそこで34試合5ゴール9アシスト。その後すぐにウディネーゼに戻されて、今度はトップチームで2年間。コパも合わせて合計69試合、11ゴール11アシストの成績を残した。まだ22歳だが経験もかなり積んでおり、サンプでは歴代少ない左利きのMFという事で非常に期待が持てる。ちなみにサンプ入りを決断した際には、同胞のパトリック・シックのアドバイスも有ったらしい。まさか「サンプで適当に2年位やって、その後ビッグクラブにステップアップすればいいよ!」とか言ってないだろうな!?余談だが、現在チェコの若手は非常に面白い選手が多い。次のW杯は今回のベルギーぐらい注目されてるのでは?

↑↑©U.C.Sampdoria Official Pageより

Jakub JANKTO ?ヤクブ・ヤンクト

  • ポジション:MF
  • 1996年1月19日生まれ(22歳)
  • チェコ プラハ出身
  • 184cm 73kg
  • 昨季:ウディネーゼ 36試合4得点
  • チェコ代表 10試合1得点 

さて、ここでこれまでのメルカート情報のまとめ

IN

  • DFアレックス・フェラーリ(24)⇒ボローニャからレンタルで加入。買い取りオプションは450万ユーロ
  • DFオマール・コリー(26)⇒ベルギーのゲンクから750万ユーロ+成績次第で200万ユーロのボーナスと言うオプションで完全移籍
  • MFダオウダ・ピータース(19)⇒クラブ・ブルージュ(ベルギー)よりフリートランスファーで完全移籍。ベルギー(ギニア)人
  • MFヤクブ・ヤンクト(22)⇒ウディネーゼからレンタルで加入。買い取りオプションは1500万ユーロ
  • FWイディル・ボートリフ(18)⇒スタンダード・リエージュ(ベルギー)から完全移籍。フランス人 

OUT

  • GKエミリアーノ・ヴィヴィアーノ⇒300万ユーロでポルトガルのスポルティング・リスボンに完全移籍
  • DFジャンマルコ・フェラーリ⇒元々在籍していたクロトーネに買い取りオプション行使されずに戻る
  • DFボゾ・ミクリッチ⇒クロアチアのハイデュク・スピリットに完全移籍
  • FWジャコモ・ヴリオーニ⇒再度レンタルでヴェネツィア(セリエB)に

 さて、すでにキャンプは始まっている。シルヴェストレリッキートレイラは招集されていないので移籍が決定的。ポーランド代表の3人(リネッティ、コフナツキ、ベレシンスキ)はワールドカップのお疲れ様お休みで、合流は7月21日から。それ以外の人たちは元気な姿を見せている。そして以下が練習試合の予定。

  1. 7月14日(土)17:30 Sampdoria - Sellero Novelle
  2. 7月21日(土)17:30 Sampdoria - Feralpisalò
  3. 7月25日(水)17:30 Sampdoria - Foggia
  4. 7月28日(土)18:00 Sampdoria - Parma
  5. 8月1日(水) 20:45 Fulham - Sampdoria
  6. 8月4日(土) 16:00 Watford - Sampdoria

まず地元のクラブから始まって、7月28日には同盟国のパルマとの”セリエAお帰りなさいマッチ”。そして昨年に引き続いてイングランド遠征で2試合。その後おそらくコパイタリア3回戦が8/11あたりに入って、8/18の週からもう開幕だ。さぁ楽しみな時期になってきた!

Foooooooorza Saaaaaaaamp!!  

今日のカッサーノのアフォリズム(格言) 

numero215:

Non vedo l'ora di finire la carriera.

Saro' grassissimo.E felice.

格言215:

現役を辞めるのが楽しみでしょうがない

太りまくってやる!それが俺の幸せだ



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