Andrea Pirlo アンドレア・ピルロ
- 1979年5月19日生まれ(44歳)
- イタリア ブレッシャ出身
- イタリア代表歴 116試合 13ゴール
- 監督歴 2020 U-23ユヴェントスFC
2020-2021 ユヴェントスFC
2022-2023 ファティ・カラギュムリュクSK(トルコ)
今さらですが、新生サンプの目玉とも言えるでしょう。新監督の”マエストロ”ことアンドレア・ピルロです
そして、ピルロは信頼するスタッフ全員を連れてきました
- ロベルト・バローニオ Roberto Baronio (助監督)
- マウロ・ベルトーニ Mauro Bertoni (コーチ)
- パオロ・ベルテッリ Paolo Bertelli (フィジカルコーチ)
- ニコラ・パヴァリーニ Nicola Pavarini (GKコーチ)
親友のバローニオ助監督は鉄板で、フィジカルコーチがユーヴェ時代のベナルッシじゃなかったのが意外です……
ロベルト・バローニオは約1歳半年上ですが、同じブレッシャ郊外出身
Voluntas Bresciaと言うジュニアチームで共にプレーして、その後ブレッシャユースに共に入りました
イタリアアンダーや1999-2000のレッジーナでも一緒とか(フル代表はバローニオはほとんど選ばれていない)
これはもうマンチョとヴィアッリ並みのコンビでしょう
バローニオは「ちょっと豚顔」のMFでした。ラツィオのイメージが強いですが、当時のラツィオは強くて、MFもネドヴェドやヴェロン、アルメイダとか良い選手とかたくさんいたので、なかなかレギュラーを掴みきれませんでした。運動量豊富なセントラルMFです。
ちなみにコーチのベルトーニもGKコーチのパヴァリーニもブレッシャ出身。ピルロはサンプをユーヴェ色にすると思われがちですが、実はそうではなく、故郷ブレッシャ派閥を築いております。新加入選手のジレッリもブレッシャ出身で、幼少時代にベルトーニの教えを受けた事が有ると言ってました。
そして、"我らがキャプテン"アンジェロ・パロンボはピルロのスタッフには入りませんでした。代表でも親交があるし、サンプを良く知る人間として入るかなと思いましたが・・・これはピルロの意向なのか、全てを0からやりたいラドリの意向なのか・・・?ちなみにパロンボはインヴェルニッツィ率いるユースチームの中で、U-15かU-16を指揮するのではと言われています
実際、サンプにユーヴェ色を持ち込む可能性があるのは会長始め、フロント陣の方ですね
今度はフロント陣容を見てみましょう
- テクニカル・ディレクター Nicola Legrottaglie ニコラ・レグロッタリエ
- チーフスカウト Lorenzo Giani ロレンツォ・ジャーニ
- スカウト Andrea Mancini アンドレア・マンチーニ
- アカデミーマネージャー Giovanni Invernizzi ジョヴァンニ・インヴェルニッツィ
- チーフドクター Marco Cesarini マルコ・チェザリーニ
ユヴェンティーノであるラドリッツァーニは旧知の仲であるファビオ・パラティチにアドバイスを求めます。ご存じの通りパラティチは2004-2009、マロッタの右腕としてサンプのスポーツディレクターとして腕を振るいました。その後マロッタにくっついてユーヴェに行き、マロッタがインテルに移った時にユーヴェの実質トップに昇格。しかし、3年後にはユーヴェからトッテナムへと移る事となります。今回のレグロッタリエTD、そして長年パラティチの下でスカウトとして腕を振るったジャーニの招聘、さらにはピルロ監督も間違いなくパラティチの助言のもとでしょう。
2012-13から長年SD、TDを務めたカルロ・オスティもついにサンプを離れる事となりました。つい最近、やめた後のインタビューで彼は
「サンプでの日々は、終わりは良くなかったが素晴らしいものだった」
「私はエドアルド・ガッローネに請われてサンプに来たので、フェッレーロではなくエドアルドには恩義がある」
失敗だった移籍を問われ
マティクラックこと「マティアス・ロドリゲス」
そして「ルイス・ムリージョ」
の2人を挙げてました。オスティもまだ他でやる可能性有るのに、現役のムリージョとか言って良いのかな、と思いましたが(笑)
まー妥当な後悔ですな
また、ラドリッツァーニはリーズの時同様、一気にクラブを自分色、に改革しようとしております。その一環として1984年から長きに渡ってサンプのチームドクターを務めていたアメデオ・バルダーリもついに交代する事となります。個人的にも親交があったDOCなので非常に残念です。ただし、もう約40年近くサンプに尽くしてきたバルダーリももう66歳。一つの良い機会だったのかもしれません。新任のチェザリーニは45歳。昨季はイングランドのシェフィールド・ユナイテッドのチーフドクターを務めていました。その前の経歴はフルハム、ヘナン、ワトフォード、ミラン、ブレッシャ。ここら辺もミラノ出身で直近までプレミアで仕事をしていたラドリッツァーニの色が良く出ていると言えるでしょう。
そんな中サンプ色が残る話題としては、我らが”マンチョ”の次男、「アンドレア・マンチーニ」もサンプのスカウト陣入りしました。後のスポーツディレクターを目指してキャリアを積んでいくようです。マンチーニに捧げられたこの「Roberto」という歌で登場しているのは長男のフィリッポ・マンチーニですが、彼よりは少しだけプロサッカー選手としての可能性も有ったアンドレア。兄貴と同じく、親父さんが監督を務めていた当時のインテル下部組織からキャリアをスタートさせ、ハンガリーやアメリカMLSでもプレーしました。しかしやはり親父さんは偉大過ぎました。選手としてはなかなか活躍できないまま、2017年には25歳にして引退を決断。そして2018年にはスポーツディレクターを目指して、フィオレンティーナで仕事を始めました。当時のDSはサンプにもゆかりがあったダニエレ・プラデ。ここら辺もサンプと親密な関係が有るマンチョの働きかけも有ったのでしょう。
彼は生粋のドリアーノであり、今回の入閣はマンチョとの連携をより強固にするためにも大歓迎であります。
このようにして、現在のサンプは
「ユーヴェとイングランドのエッセンスにブレッシャのそよ風が吹いて、たまにトルコのエスプリが効いたチーム」
そんなチームと言えるでしょう
さて、ここまでわずか約2ヶ月ですが、ラドリッツァーニが早速やってきた事を振り返ってみたいと思います
題して
ラドリッツァーニの〇と✖
- クアリアレッラ 〇 セリエBのレギュレーションにおいて、年棒と年齢、そして若手主体で行くと言う方針のもとで彼との再契約を見送ると言う決断は致し方ないか・・・彼が選手としての再就職先が見つからなかった場合、なんらかの形でサンプに残して欲しいですが
- パロンボ △ パロンボをコーチとして入閣させませんでした。パロンボはサンプと外様の良いつなぎ役として機能すると思ったのですが。まぁ最終的に下部組織でやらせるなら、まぁ良いと思いますが。ただ、最近は引退してすぐやる若手監督も増えている中、ここまでサンプの監督へと名前も上がらないパロンボの監督としての資質は、ちょっと疑問符が付いてきました
- バルダーリDOC 〇 上でも書きましたが、彼を交代させた事も意外と思い切った人事ですが。なんせどんなにオーナーが変わろうが、監督が変わろうが、彼だけはここ40年間ずっと変わらなかったのですから。ただ、物事に永遠はあり得ない。年齢を考えるとちょうど一つの機会だったのかもしれませんね
- サンプフットサル 〇 ここ2年間、Sampdoria Futsalとして活動したCDM Genovaはサンプとの2年契約が終了して、更新されなかったために元のCDM Genovaへと戻りました。私はサンプフットサルも追っかけ始めて、フォルトゥーナ会長とも仲良くなれたので残念ではありますが。やはり、イタリアのフットサル界はクラブ運営自体が非常に厳しい中、この2年間サンプが援助してくれた事に対して会長も非常に感謝しておりました。元々彼がドリアーノだったのも有って実現したこのプロジェクト。やはりサンプ的には採算は全く合っていなかったのでしょうが・・・いつの日かまたフットサル部門に戻って欲しい物です
- サンプWomen ✖ サンプフットサルと同じく、突然サンプWomen(女子)からもサンプは手を引く事となりました。ただ、これはダメでしょう。フットサルはかなり前からすでに、2年で一旦終わると言う話がきちんとされてましたが、女子は本当に青天の霹靂だったみたいで。せっかく結構なミラクルで昨季のセリエA残留を勝ち取って、大喜びで”Lettera daAmsterdam”を大合唱していたサンプガールズ。さぁいよいよ今季も頑張るぞ、と言うタイミングで突然のチーム撤退だったようです。何も知らされなかった選手もかなり失意の模様で。そりゃあいきなり務めていた会社が無くなってしまうのと一緒ですからねー。「イタリア女子サッカー全体への冒涜だ」とまで言ってる選手もいます。まぁもちろんサンプガールズが儲からないのはよくわかりますが・・・。ただ、猛烈な抗議を受けたラドリッツァーニ&マンフレディも少し考え直したみたいで、再開できるようにスポンサーを探し始めたようです。少なくとも選手達の今後が落ち着くように、救いの手を伸ばす事を期待します
さて、その他のプチ情報
ちょこっとサンプニュース
①ヴィアッリ追悼試合
9/10(日)21時~ レッジョ・カラブリアのオレステ・グラニッロにて“The Legend Gianluca Vialli”と銘打たれて、ジャンルカ・ヴィアッリの追悼試合が行われます。以下が出場予定元選手達
Ivan Zamorano, Marco Materazzi, Cafù, John Terry, Vincent Candela, Ernesto Chevanton, Vincenzo Iaquinta, Marcio Amoroso, Amauri, Julio Cesar, Kelvin Kuranyi, Marek Jankulosky, Tommaso Rocchi, Giuseppe Sculli, Simone Pepe, Jorge Vargas, Francesco Cozza, Fausto Pizzi, Andrea Damante, Sebastien Frey, Diego Lugano, Francesco Colonnese, Cristian Terlizzi, Ignazio Moser, Pierluigi Par
②プリマヴェーラはサッサリーニ新監督
サンプ・プリマヴェーラはトゥファノからダヴィデ・サッサリーニへと監督が代わりました。トゥファノは2018のU-17、2019にU-18の監督を務めてそのままプリマの監督に昇格して3期に渡って指揮を執りました。選手の評判も良かったのですが、サッサリーニには彼を超える指導を期待します。ちなみにサッサリーニは同じリグーリア州のLa Spezia出身の51歳。2021-22はピルロが来る前のFatih Karagümrük(トルコ)でアシスタントマネージャー。ファリオーリの助監督ですな。その後ピストイエーゼ、さらにサンプのサテライトクラブでもあったVis Pesaroで指揮を執りました。つまり色々サンプゆかりが有る監督ですな。期待しましょう!
旧体制からの脱却
ラドリッツァーニはやはり新たな体制をアピールすべく、今までの陣容は一掃する傾向にあります。幸いと言うべきかわかりませんが、昨季でチームは壊れていたのでそれほど惜しまれる功労者は少ないのかもしれませんが・・・次号でメルカートは詳しく書こうと思いますが、セリエBに落ちた事により相当年棒も制限しないといけないので、選手の方もかなりドラスティックに変わるでしょう。
1年間でセリエAに戻るチームを作ってくれるのか、とりあえずとにかく膿を出し切ってゆっくりチームを作っていくのか。それは今後のメルカートの状況で分かっていくでしょう
その様子は次号で!
Foooooooorza Saaaaaaamp!!