2013-14 シーズン選手寸評④ FW編

2014-07-19 18:50:35 | ほぼ週刊サンプ通信 '13-'14

 

ロッシ体制の2トップ時はエデル&ガッビアディーニのペアが基本。そして冬のメルカートでマクシ・ロペスとオカカが加入して、1トップ+左右攻撃的、ウィング的なサイドハーフという形に変化。1トップはマクシが華々しいスタートダッシュでレギュラーを獲ったかのように見えたが、結果的にはDERBYの1ゴールだけ。最終的にはオカカがレギュラーとなった。

オカカを支える2列目は、左エデル-中ソリアーノ-右ガッビアディーニが基本。シニサは、右利きの選手を左、左利きの選手を右に置くことにより、カットインしてのシュートや、トップに当ててのワンツーなどを好んだ。その分、サイド攻撃には右デ・シルヴェストリと左レジーニの両サイドバックが積極的に攻撃参加。サイドハーフが中に切れ込んで空いたスペースを上手く使う。

”未来のイタリア代表のホープ”と言われているマノーロ・ガッビアディーニはユーヴェとの共同保有の形を続行。来シーズンもサンプに残る。しかしマクシは買取オプションを行使せずに退団し、FWの補強は必須。今名前が挙がっているのが

・サマラス(セルティック=ギリシャ代表)

・ベルヘッシオ(カターニャ=アルゼンチン)

・オビンナ(キエーヴォ=元ナイジェリア代表)

・大穴 アレッシャンドレ・パト(元ブラジル代表)など。

カッサーノとクアリアレッラの帰還は、現実的には難しいだろう・・・

あとはこの冬に先行投資してレンタルに出していた、フェダートとベルトラーメが一旦戻ってくる。このままサンプでシーズンを迎えるか、レンタルに出されるか・・・ベルトラーメはGKフィオリッロの保有権の半分を手放してまで獲得した選手なので、活躍してもらわなければ!

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FW 23 エデル 7.5

シーズン通してレギュラーを張ったFW。最初は2トップの一角として。ミハイロビッチに代わってからは左ウィング(左サイドハーフ)が基本となった。しかし緊急時には1トップのセンターフォワードとしても機能。無くてはならない選手だ。抜群のスピードとドリブルでカウンター攻撃の担い手となる。シーズン終盤には、守備をする場面も多々見られ、シニサの期待に応えた。来季は3トップになる事から、今まで以上に攻撃に専念できるはず。ややダイブが多いと、セリエの審判団に思われているのがまずいが・・・さらに得点数は伸ばせるはずだ。(33試合/12ゴール(3PK)/8アシスト)

FW 11 マノーロ・ガッビアディーニ 8 イカルディに代わる得点源として期待されて入団したガッビア。強烈な左足から数々のチャンスを生み出して、期待通りの働きを見せた。タイプ的にはヘディングも出来るようになったシニョーリのような選手。左足のFKは、ミハイロビッチ監督も「自分のようだ」と高評価。終盤戦はディフェンス面の働きも求められた為にゴール数は伸びなかったが、来季はエデルと同じく、より攻撃に専念できるようになるはず。イタリア代表の未来も背負える選手として、サンプでもさらなる成長を見せて欲しい!いつかユーヴェに帰るのは避けられなさそうだが・・・(34試合/8ゴール/4アシスト)

FW 9 ステファノ・オカカ 7.5 冬のメルカートで、ポッツィとの交換トレードで加入。昔の西武の鹿取と巨人の西岡のトレードばりに得したトレードだった。元々ローマで16歳でデビューして、将来を嘱望されていたが伸び悩んでいた。しかしその才能の片鱗をサンプで発揮。カターニャ戦で40mぐらいドリブルでぶち抜いて決めたゴールは、往年のジョージ・ウェアを思い出させるものだった。フルシーズン働く今季が勝負の年となる。大化けするか、このまま大成できずに終わるか。身体能力、ドリブルは目を見張るものが有るので、課題は決定力。ポジショニングと嗅覚と言うFWに必要なセンスの向上が必要だ。彼にモンテッラやインザーギのセンスが加われば、20ゴールは軽くいくと思うのだが・・・(13試合/5ゴール/4アシスト)

FW 10 マクシ・ロペス 5.5

 昨年のサンプの10番が、冬のメルカートで帰還。いきなり出場したDERBYで、華麗な決勝ゴールを挙げて、一気にティフォージの心をつかむ。しかし結局昨年と同じく尻すぼみに終わってしまう。ゴールもDERBYの1ゴールだけ。イカルディと元妻を巡っての不倫騒動スキャンダルの渦中、インテル戦では熱くなってPKを外してしまう。あそこで彼のシーズンは終わったのだろう。「チャンスしか生み出さないFW」という表現は的を得てるかも。プロヴィンチャのエースは、来季はキエーヴォに活躍の場を求める事になりそうだ。(11試合/1ゴール)

FW 12 ジャンルカ・サンソーネ 6.5 強烈な左足を生かし、スーパーサブとして活躍。ただ試合途中に流れを変えるというよりは、誰かが欠場でスタメン出場した時に結果を残した。来季もその役割は変わらないだろう。周りが若すぎるのでベテランっぽく見えてしまうが、彼もまだ27歳。まだ成長する可能性も十分に有る。FKもガッビア、レナンとかぶってしまうが、かなり強烈。現在のサンプは左足のキッカーの宝庫だ。(24試合/3ゴール/1アシスト)

FW 9 ニコラ・ポッツィ 5 今年も怪我に泣いたDIN DON。2年前の昇格の立役者も、冬のメルカートで遂にパルマへ完全移籍した。もう彼をサンプで見る事は無いだろう。”In Bocca Al Lupo NICK!"(14試合/2ゴール(1PK)/3アシスト)

FW 37 アンドレア・ペターニャ ND 昨弱18歳でミランからレンタルで加入したペターニャ。結局彼は何をしに来たのだろう?まだ彼のレンタル先として、サンプはレベルが高すぎた。しかも冬にあっさりミランに帰還。彼がやった事は、練習中の風景を頻繁にFACEBOOKにアップしただけだった。来季はセリエBあたりにレンタルで出されるのではなかろうか?ただもちろん、将来化ける可能性はある。アントニーニやアバーテも、正に若すぎる時期にサンプにレンタルで来て何もできずに帰還。その数年後にブレイクを果している。ペターニャもそうなる可能性はあると思う。(3試合/0ゴール)

   前半のFW陣(2トップ)

   エデル  ガッビアディーニ

   (ポッツィ) (サンソーネ)

      ↓↓↓↓↓

  ミハイロビッチの4-5-1

           オカカ(マクシ・ロペス)

エデル(ゾレック) ソリアーノ  ガッビアディーニ(サンソーネ)

      ↓↓↓↓↓↓

 来季は4-3-3(3トップ予定)

エデル    オカカ   ガッビアディーニ(サンソーネ)

・・・なんの面白味もないが補強前の現段階ではこの3トップ。ここからどうなるか!?さぁ次回からはいよいよ移籍情報。今年は例年より、たのしみたのしみ!

 


2013-14 シーズン総括 選手寸評③ MF編

2014-07-08 18:18:52 | ほぼ週刊サンプ通信 '13-'14

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 W杯疲れが溜まりまくった今日この頃・・・アズーリはご存じのとおり、スアレスに噛まれた挙句に敗退した。まぁ正直今回のアズーリは、いずれにせよ優勝は無理であっただろう。将来、ガッビア、オカカ、ソリアーノが躍動するアズーリが観てみたい。

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 さて続いては13-14シーズンのMF陣。DFと同じく監督が代わりシステムが3-5-2から4-5-1に変わった影響で、様々な選手の運命が変わった。監督交代で一番恩恵をこうむったのはソリアーノ。得点力も開花してきて、ブレイクを果たした。さらにパロンボがDFから本来のボランチへと戻り、完璧にレギュラーとして柱となる。一方、ガヴァッツィやゲンツォグロウは使われる見込みが無いという事で、冬のメルカートで放出。序盤結構出ていたビャルナソンも出番を減らした。ミハイロビッチの4-5-1では、攻撃的な中盤両サイドをFWのエデルとガッビアディーニが務めていたが、彼らはFW扱いとして次回に紹介する。

MF 17 アンジェロ・パロンボ 6.5 ロッシ監督は昨シーズンに引き続き、3バックのリベロとして起用。しかしシニサは本来のボランチとして彼を信頼した。まだまだこのポジションでも十分やれる事を自ら証明。押しも押されぬサンプの”バンディエラ”、そして副キャプテンとして若い選手達を引き締める。ヴェローナ戦で、FKからかなり久しぶりのゴールも記録。まだまだ老け込む歳では無い。やはり彼にはボランチのポジションが似合う。オビアングやクルスティチッチが成長しきるまで、バリバリやって欲しい。(32試合/1ゴール/2アシスト)

MF 10 ネナド・クルスティチッチ 5.5 やや厳しい評価かもしれないが、背番号10を期待を込めて与えられた今季、やはり期待に100%答えられたとは言い難い。ロッシ時代は1ボランチ、ミハイロビッチ時代はパロンボとのダブルボランチ、共に一応レギュラーではあった。しかし3節のDERBYで負った負傷の為、先発出場は26試合にとどまる。元々10番タイプの選手(獲得が噂されるカンビアッソに似ているか?)ではないと思うが、まだまだ特に攻撃面で伸びる可能性は十分ある。球際に激しくなった分、自分の怪我も多い。無駄な激しいプレーを無くせば・・・”未来のキャプテン”の名を取り返すためにも、来季の奮起が期待される。(32試合/1ゴール)

MF 14 ペドロ・オビアング 5 3年目のジンクスにはまってしまったか。過去2シーズンの順調な成長、活躍を考えるとかなり物足りないシーズンになってしまった。ヴィエラやヤヤ・トゥーレのような選手になれる可能性はあると思うが、現時点ではパスミスが多すぎる。プレーが全体的に雑で、テクニックと身体能力を生かし切れていない。しかしシーズン中盤から怪我を我慢してプレーしていたようだ。シーズン終盤、残留を決めてからはミハイロビッチはベンチからも外し無理やり休ませた。よくよく考えたらまだ21歳。パルマを筆頭に様々なクラブからオファーがあるようだが、簡単に安値で手放しては絶対にいけない。2人で成長すれば、クルスティチッチとのダブルボランチはゆくゆく脅威になると思うのだが・・・・スペインU-21代表。(26試合/0ゴール)

MF 21 ロベルト・ソリアーノ 7.5 ミハイロビッチの一番の功績は、彼を抜擢してブレイクさせた事であろう。ロッシ時代はいまいちポジション的にはっきりしない、特徴が中途半端なので一皮むけなかった。しかしシニサの4-5-1のトップ下もしくは左MFで攻撃センスが開花。FWとのからみからどんどん前に飛び出し、ほぼシーズン後半だけで5ゴール。左右両足でシュートも打て、ヘッドも強い。印象的だったのはヴェローナ戦の2ゴール。特に中盤からドリブルで持ち込んで、3人ぐらい抜いて決めた左足のミドルは素晴らしかった。ちょっと違うけど、昔アヤックスで活躍したリトマネンみたいな選手。個人的には10番はクルスティチッチより、ソリアーノの方が似合うんじゃないかと?ネナドは8番かな?あとはまだ残っている、プレーのムラを無くせば・・・来シーズン活躍できるかが、今後の彼の人生を大きく左右するだろう。(29試合/5ゴール/1アシスト)

左MF 5 レナン 6  ロッシ時代はほぼ出番無し。しかしシニサに代わると、オビアングとクルスティチッチが調子を崩した事も有り、ボランチの控えとして重宝された。強烈な左足は錆びついておらず、サンシーロのインテル戦で決めた同点ゴールは、私的にはサンプの今シーズンの全ゴールの中で、2番目に素晴らしいゴールだったと思う。ただ、今後さらに上を目指すサンプの中では、レギュラーを獲るのは厳しいか。セリエA下位やセリエBのチームなら彼を欲しがるクラブは結構あると思うが。(18試合/2ゴール)

センターMF 22 ビルキル・ビャルナソン 5 昨季移籍したポーリの後釜が、最終的に決まっていなかったので移籍市場が終わる寸前に加入。レギュラーが期待された”バイキング”(アイスランド代表)だったが・・・3節のDERBYでいきなりスタメン出場を果たす物の、途中交代。それからなかなか確固たる活躍が出来ず。汗かき役ではあるが、テクニックが中途半端。かといってボランチで潰し役と言うわけでもない。ポーリがテクニックやスピード、ディフェンス等々全て平均8点の選手だったとしたら、このビャルナソンは全て7か6.5点の選手。コパイタリアでは得点もあげたが、最終的にどちらの監督の下でもサブから抜け出せなかった。ペスカラからオプションを行使して買取はせず。1シーズンでサンプから去る事となる。(13試合/0ゴール)

左MF 15 パヴェル・ゾレック 5.5 弱冠21歳のポーランド代表の期待の星。私は正直、今年こんなに出番が与えられるとは思わなかった。左利きで、ドリブルを得意とするウィンガー。主に左サイドハーフ、終盤はガッビアディーニが怪我の時に右MFの代わりとしても少し使われた。スピードとテクニックは期待できるものを持っている。しかし状況判断がまだかなり甘い。無謀なドリブルを繰り出したり、パスの場面で強引にシュートを打ってしまったり。最後から2番目のナポリ戦で嬉しい初ゴール!左足の良いシュートだった。しかし最終節でディナターレにハットトリックを許す、自殺点並みのキラーバックパス。最後に天国と地獄を味わった。来シーズンは、良いレンタル先が見つかれば、レンタルか?サラモンとのポーランド代表・1歳しか違わないコンビ。共に成長していって欲しい。(18試合/1ゴール)

左MF 77 アレッシオ・セストゥ ND 冬のメルカート終了間際に加入。加入直後のDERBYで、いきなり途中交代で出場。そして決定的なチャンスをもらったが、ボレーシュートは弱すぎ。振り返ってみれば、この瞬間にサンプでの彼の冒険は終わっていたのだろう。あそこでゴールを決めて、センセーショナルなデビューを飾っていれば、全然違う未来が彼には待っていた。仮にもキエーヴォの10番だったので、もう少しやるとは思ったが・・・3年後に彼の名前を憶えているサンプファンは素晴らしい。(2試合/0ゴール)

センターMF 31 マッティア・ロムバルド ND 偉大な父アッティリオ・ロムバルドの息子が、ついにサンプからセリエAデビュー。「鉄人」「ポパイ」など様々なニックネームを持つ、ドリアーノのアイドルの父。親父がスピードを生かした右サイドハーフだったのに対して、息子はテクニカルなボランチ。プリマヴェーラではキャプテンを務めているように、前から期待はされていたが、思ったより早いデビューとなった。親子でサンプ一筋。なんてすばらしい響きだ!クルスティチッチと並び、”未来のキャプテン”として期待は大きい。(1試合/0ゴール)

左右MF 79 ダヴィデ・ガヴァッツィ 5 ロッシ監督時代に、レギュラーでは無いが3-5-2の左右ウィングハーフとして6試合先発出場。テクニックは無いが、献身的な姿勢が認められた。しかしシニサの構想には漏れて、冬のメルカートでセリエBのテルナーナに移籍。一旦レンタル終了でサンプに帰ってくるが、上を目指すサンプ残留は年齢的にも厳しいか。(7試合/0ゴール)

センターMF 33 サヴァス・ゲンツオグロウ 5.5 ガヴァッツィと同じく、ロッシ時代にボランチの控えとして3試合スタメンで出場。全く同じようなコメントになってしまうが、冬のメルカートでシニサの構想に漏れてBのスペッツィアに移籍。ただ彼の場合は若いし、将来的にはまだサンプに帰ってくる可能性がある。(5試合/0ゴール)

左WB&SB 20 アントニーノ・バリッラ ND 夏のメルカート終了間際に電撃加入。左WBのレギュラー候補としてレッジーナから引き抜かれたと思っていた。しかし蓋を開けたら全くの期待外れ。結局3試合、レッドカード1枚の実績だけを残し、冬にレッジーナに帰って行った。カラブリアに慣れ親しんだ彼に、ジェノヴァの気候は合わなかったのだろう。(3試合/0ゴール)

センターMF 25 エンツォ・マレスカ ND 彼の場合は、元々ロッシ監督の構想に漏れていたので、夏のメルカートで買い手が見つからなかっただけ。冬にBのパレルモに移籍すると、A昇格の立役者となった。元々実力派ある選手だが、晩年のヴォルピのように、ロングボールを駆使したゲームメイクの反面、プレースピードの遅さが合わない監督はいるのだろう。でも、昨シーズンの見事なオーバーヘッドも有り、悪いイメージを残していったわけでは無い。サンプとは関係なくなるだろうが、今後もセリエで勇姿が観られそうな気がする。(1試合/0ゴール)

MF 27 ミルコ・エラモ ND 長年のレンタル生活に終止符を打ち、いよいよサンプに凱旋帰還したが結局居場所を見つけられず。開幕前はレギュラー候補として期待されたが、怪我の影響もあり結局開幕戦のユーヴェ戦1試合だけの出場にとどまる。冬のメルカートで、昨年も活躍したBのエンポリにレンタル移籍。マレスカと同じくA昇格を果たした。一旦は帰ってくるが、来シーズンもサンプに残る可能性は低いであろう。何か飛び抜けた特徴が欲しい。(1試合/0ゴール)

 

ロッシ体制時は3-5-2。しかし3人(クルスティチッチ、オビアング、デ・シルヴェストリ)以外のレギュラーが固まらず、フォーメーションも4-4-2や3-4-1-2など試行錯誤が続く。一応の基本はこうだった。

 5人の時のレギュラーは

 レジーニ - オビアング - ビャルナソン - デ・シルヴェストリ

(ガヴァッツィ) (ゾレック)   (ソリアーノ)

            クルスティチッチ

            (ゲンツォグロウ)

ミハイロビッチ体制の4-5-1が固まるとこう

エデル     ソリアーノ    ガッビアディーニ

 クルスティチッチ(オビアング) パロンボ

ご覧のとおり、かなりの変化があった。後半戦はオビアングが実力で控えに回る事も有るほどの充実ぶり。やはり監督が代わった効果はあった。

来シーズンの補強候補は、カンビアッソ、クーリン、コネなどの名前が挙がっているが、どうなる事やら!?