2015-16 シーズン選手寸評[4] FW編

2016-07-02 14:40:15 | ほぼ週刊サンプ通信 '15-'16

EURO2016のアズーリの快進撃は続いている。ベスト16で前回チャンピオンのスペインを撃破。ベスト8で今日の深夜ドイツと激突する。

スペイン戦は期待以上の出来で、イタリア会心の勝利であった。一方的にスペインに支配される展開に当然なると思っていたが、前半はイタリアの方がチャンスも多く作り出して内容的にもイタリアの方が良かった。1点目につながったエデルのFKは良かったし、ペッレもベルギー戦のリプレーみたいなボレーで自身2得点目。元サンプ勢も頑張ってる。私はユヴェンティーノとペスカレーゼとミラニスタのイタリア人とこの試合を観ていたが、1点目のFKの時にみんな「ピルロもいないし、カンドレーヴァも怪我して出てないしこのFK蹴る奴がいないぞー!」と言っていたが、何を言ってるんだ。サンプ時代、あの距離はエデルが良く決めてるじゃないか!との私の主張が実って良かったダメだったのは途中出場でまたもやイエロー貰って、出場停止になった元ジェノアのモッタだけだな彼が10番なのだけはちょっと納得いかない。

スペイン、ドイツ、そしてフランスvsアイスランドの勝者、そして決勝と考えられる限り一番最悪な組み合わせになったトーナメントのアズーリ。ただ全く期待されてなかったアズーリが優勝するには、これらの強豪全てに勝つぐらいの方がインパクトがあって良いだろう。世界チャンピオンのドイツとの対戦は、下馬評は圧倒的にドイツだが私は勝てるチャンスはあると思う。まずドイツとの公式戦(W杯とEURO)での相性の良さ。なんと4勝4分け。そして超豪華な中盤より前線に比べて、DFにそこまで大スターはいない。W杯の時のドイツはホントにピークだったので、その時よりは弱冠弱体していると言う点に期待して・・・

Foooooooooooorza Azzurri!!

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そんな中、サンプでは青天霹靂のニュース。

ヴィンチェンツォ・モンテッラ、ミランの監督に就任

 正直前から噂は出ていたが、モンテッラの代表監督の可能性が無くなり改めてサンプで来シーズンやると公言していた為にもう大丈夫だろうと思ってた。

モンテッラも最終戦のユーヴェ戦の後「こんな成績のまま、サンプを去る事は出来ない」と言っていただけに裏切られた気分だ。もうキャンプも間近と言う時期に、中国資本が入ったミランにちょっとプレッシャーをかけられただけであっさりモンテッラを譲り渡したフェッレーロ含むサンプフロント陣。ティフォージの反発も当然激しい。モンテッラで最初から1年間じっくり見てみたかったから残念だが、別にモンテッラの監督の手腕を認めてるわけじゃない。正直サンプのアイドルじゃなければ、世界一使えなかった監督と言う評価になる。ただ1回モンテッラ体制で行くと表明して、ミランに獲られると言う状況が良くない。

 実はミハイロビッチとモンテッラは監督として非常に似た経歴を辿っている。モンテッラが常にシニサの後を追いかけて監督をやると言うのが続いているのだ。アエロプラニーノがミランでも大失敗して、ミランをさらに奈落に突き落とすことを祈る。

もう決まった事はしょうが無いから、後任の話。今のところ元エンポリのジャンパオロと元ラツィオのピオリの一騎打ちの様相。ジャンパオロの可能性がかなり高い。明日には決まるだろう。そして7月1日から正式に夏の移籍市場も解禁となる。EUROも終わりが近づいてきて、いよいよメルカートから目が離せなくなる!

CIAO AEROPLANINO.

Questo non e' un arrivederci,ma e' un ADDIO!!

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さぁ最後は15-16シーズンのFW陣。ゼンガ監督は序盤、エデル、ムリエルの2トップ+トップ下(ソリアーノかコレア)と言う形でスタートする。シーズン序盤はこれがかなり機能していて、ゼンガ時代の12試合でエデルは9得点、ムリエルも4得点。チーム全体で崩したと言うよりは、2トップだけで崩した得点もかなりありお互いアシストも多かった。控えの一番手はカッサーノだったが、コンディション不足がはなはだしく序盤はあまり見せ場が無かった。ボナッツォーリは途中出場の4試合に留まり冬のメルカートでヴィルトゥス・ランチャーノに武者修行に出される。その彼よりさらに序列が低かったロドリゲスは、1年間でわずか6試合65分の出場と言う可哀そうな結果に終わった。

ゼンガの時のレギュラーは

主に使われた4-3-1-2の時

    エデル     ムリエル

  (カッサーノ)  (ボナッツォーリ)(ロドリゲス)

       ソリアーノ

       (コレア)(カッサーノ)

あまり無かったが、4-3-3の時(その場合、コレアやカルボネーロはFWのウィングとして起用された)

       ムリエル (カッサーノ)(ロドリゲス)

コレア           エデル 

(ボナッツォーリ)  (カルボネーロ)

 そしてモンテッラ政権になると、フォーメーションが主に3-4-2-1か3-4-1-2に。エデルが抜けた穴は大きく、それと時を同じくするようにムリエルが不調に陥る。その結果基本、不動のレギュラーは冬に加入したクアリアレッラだけ。彼のワントップをコレア、リッキー、ソリアーノ、カッサーノの内の2人が支える形。またはごく稀に使用されたクアリアとカッサーノorムリエルの2トップ+トップ下。得点力はゼンガ時代と比べても大差は無く、今年は点はそこそこ取れていたが最後の6試合で5試合無得点と息切れした。エデル放出してクアリアレッラ獲得は、B落ちした’10-’11シーズン。パッツォを放出してマッカローネが加入した時を思い出されるものだったが、当時の”ビッグマック”よりクアリアレッラは活躍した。正直もっとダメかと思ってた。ただ、来季以降も彼に頼るようではサンプも厳しいだろう。 

モンテッラ時代のレギュラーは

主に使われた3-4-2-1の時

         クアリアレッラ

          (ムリエル)(ロドリゲス)

    コレア     リッキー・アルヴァレス

   (カッサーノ)    (ソリアーノ)

 3-4-1-2の時

      ムリエル  クアリアレッラ

      (カッサーノ) (ロドリゲス)

        リッキー・アルヴァレス

     (コレア)(ソリアーノ)(カッサーノ) 

それでは1人1人の総括を見ていこう↓↓ 

 

 

 

FW 24 ルイス・ムリエル 5.5

怪我は癒えて、一応サンプFW陣で最も多く出場したのは彼だった。エデルと2トップを組んでいた序盤戦はかなり良く、9試合で4得点。かなり期待を抱かせる出来だったが、その後大失速。シュート力やスピード、ドリブルのポテンシャルは疑う余地は無い。ただ好不調の波があまりに激しく、ポジショニングやDFとの駆け引きに大きな課題を残す。絶対入らないロングシュートを無理やり撃ったり、取られちゃいけないところで無理なドリブルを仕掛けたり。顔や好調時のプレーはブラジルの名ストライカー”ロナウド”そっくりなのだが。どんな名FWを獲得するより、彼を覚醒させる事が出来る監督を取る方が良い補強になるのかもしれない。コロンビア代表(32試合1793分/6ゴール/7アシスト)

 

 

FW 99 アントニオ・カッサーノ 5.5 サンプとカッサーノの2度目の結婚は、大成功でも無く大失敗でも無く、イマイチ煮え切らない形で1年間が終わった。パルマを飛び出して半年間プレーしていなかったブランクは大きく、シーズン序盤はぶくぶくに太っていてとても使い物にならなかった。しかし徐々にコンディションを整えてくると、やはりさすがのプレーを見せ始める。ドリブルの速さは無くなり、一人でぐんぐん抜いていくようなプレーは少なくなったがやはりパスが上手い。彼の今シーズンのハイライトだった前半戦のDERBYとユーヴェ戦、これらのゲームのチャンスは、ほとんど”ファンタントニオ”から生まれたものだった。この頃は偽のCF、1トップでも使われた。ただ好調は長続きせず、クアリアとリッキーの加入と共に出番を減らし怪我も有った為に、終盤戦は大きなインパクトを残せなかった。来季留まるかは正直微妙で、現在本人は必死に夏のオフの間もトレーニングして痩せてる画像をSNSに投稿したりしてアピールしているが・・・それに加え、監督が誰になってそれと合うかも彼がサンプに残るのに重要な鍵となる。元イタリア代表(24試合1291分/2ゴール/5アシスト)

FW 9 アレッハンドロ・ロドリゲス 4.5 昨年のベルヘッシオの再来みたいになってしまった選手。序盤好調なムリエルに勝てずずっとサブ。後半もクアリアレッラの加入と1トップへの変更で、ほとんどまともな出番は無かった。序盤に若手のボナッツォーリより序列が低かったのが、彼に対する評価だ。レンタル元のチェゼーナでの契約オプションは更新されなかったので、来季はセリエBへと戦場を移すであろう(6試合65分/0ゴール/0アシスト)

FW 27 ファビオ・クアリアレッラ 6 エデルの代わりに冬に加入したサンプのかつてのストライカー。10年ぶりの帰還となり、トリノでもインモービレの加入後出番を失っていた為、活躍できるかやや懐疑的だった。しかし最初こそ試合勘の無さがあったが、慣れてきたインテル戦から4試合で3得点。それだけで無く、献身的なチェイシングや魂のこもったプレーはティフォージの心を再び掴んだ。独力で何とか出来るタイプでは無いが、良いパスさえ来れば様々なシュートのバリュエーションを持つ。スルーパスで抜け出したり、クロスに合わせて得意なアクロバティックなボレーやヘッド。ただ1トップを務めるにはポストプレーはやや物足りなく、年齢的にもうこれ以上伸びしろが無いのが来季以降はつらいかもしれない。サンプでディナターレになれるか。個人的には彼がスーパーサブにいる陣容になれば強くなると思う、と言うかそうじゃないと厳しい・・・元イタリア代表(16試合1291分/3ゴール/0アシスト)

FW 30 アンドレス・ポンセ ND プリマヴェーラの得点王がついに最終節のユーヴェ戦でトップチームデビュー。19歳にしてすでにヴェネズエラA代表に選ばれている通り、期待の星だ。サンプはこのスターを自前のストライカーとして育てられるであろうか?ヴェネズエラ代表(1試合4分/0ゴール/0アシスト)

FW 23 エデル・マルティンス 7 前半戦の得点源。と言うかセリエAの得点王レースでも、イグアインに次いで2位にずっとつけていた程好調だった今シーズンのエデル。あれだけ売却をずっと拒否していて、なぜこのタイミングで売ったのか。果たして売り時は正しかったのか・・・インテル行ってからは不振が続き、スタメンの座も奪われて最終的にたった1得点。間違いなく本人にとっては失敗だった移籍であろう。現在EUROのイタリア代表で2トップでレギュラーの座を与えられると、生き生きとプレーして活躍している通り、まだまだ環境次第では素晴らしいプレーヤー。サンプに戻ってくれば良いのに・・・イタリア代表(19試合1696分/12ゴール(3PK)/3アシスト)

FW 11 フェデリコ・ボナッツォーリ ND 弱冠19歳のストライカーにさすがにたくさん出番は無かった。しかしすでにセリエAで実績を少し残してるロドリゲスより評価が高かったと言う事はポテンシャルを感じさせる。左利きでセンターフォワードながらドリブルも結構得意なストライカー。出場機会無しと言う事で、冬にセリエBのヴィルトゥス・ランチャーノに武者修行に出される。そこではほとんど途中出場ながら14試合に出場して、嬉しい初ゴールも決めた。もう1,2年修行してから芽が出ればいよいよサンプで勝負か?イタリアU-19代表(4試合81分/0ゴール/0アシスト)

↓↓↓↓↓↓

 来季に向けて、今のところ残留しているのがクアリアレッラ、カッサーノ、ムリエル(怪しいが)。そして加入がほぼ決まっているのがブディミル

アンテ・ブディミルはクロアチア人のFW。25歳190㎝75kg。昨季セリエBのクロトーネで40試合16得点。左利きのセンターフォワードタイプのストライカー。長身を生かしてヘッドが強く、同胞のマンジュキッチに良く例えられる・・・・・・らしい。移籍金180万ユーロの4年契約になる模様。セリエA実績が無いだけにどれくらい通用するか?

オフの間も必死にアピールを続けるカッサーノは現在体重83kgらしい。もちろんベストコンディションなら、あと1年ぐらいフルシーズンで観たいが(現在34歳)。ボナッツォーリは一旦戻ってきて、またレンタルかなー?入れ替えも含めて、新しいFWあと2人は欲しい。エデルかガッビアが帰ってきたら狂喜乱舞。パッツォ帰還の噂もあるが、もういいでしょ。ただ、全ては新監督次第でDF陣よりはプライオリティは低いだろう。

↓↓それらを踏まえて、未加入選手も含めて来季の予想(予想も何も、まだまっだ白紙状態だけど…)

4-3-1-2(2トップ+トップ下の場合)

 

  クアリアレッラ ムリエル

   (カッサーノ)  (ブディミル)

         コレア

    (リッキー・アルヴァレス)

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移籍メルカート情報は、次号から詳しく追っていきます! 

 サンプトピックス 

1.その他でほぼ決定している獲得選手がローマのセンターバック、レアンドロ・カスタン。左利きのブラジル代表センターバックは、ローマで2年前までバリバリのレギュラー。ただ怪我でここ2年間を棒に振り、再出発の道を探していた。1年間のレンタルでの移籍となる模様

2. リッキー・アルヴァレスと2019年6月30日まで契約更新。

反対にディアキテ、カッサーニ、クリストドゥロプーロスらは契約延長されない模様。元々オプション無しレンタルのラノッキア、ドド、ブリニョーリもさよなら。ドドは欲しいなー

3.サンプのDFシュクリニアールはEUROベスト16、ドイツ戦でフル出場。代表ではボランチとして起用され世界チャンピオンの実力を肌で感じた。惜しくもスロヴァキア代表はここで敗退。シュクリニアールは2試合0得点

4.今年もバルセロナと夏に対決する事が決定。ジョアン・ガンペール杯に4年ぶりに招かれた。バルサがサンプとCL決勝を制して優勝したウェンブリー以来、25周年を記念してサンプが招待された模様。バルサにとって、夏の親善試合のトリを飾るこの試合。ちなみに4年前はソリアーノのヘディングでのゴールでサンプが1対0で勝っている。

ジョアン・ガンペール杯 2016年 8/10(水) バルセロナ対サンプドリア @カンプ・ノウ 20:30(日本時間深夜3:30)Kick Off

Foooooooorza Saaaaaaaamp!!  

今日のカッサーノのアフォリズム(格言) 

numero76:

Non c'e' nulla che vale il momento della doccia

dopo una partita vinta.

格言76:

試合に勝った後のシャワーに勝る価値のあるものは無い


2015-16 シーズン選手寸評[3] MF編

2016-06-18 14:30:04 | ほぼ週刊サンプ通信 '15-'16

EURO2016がいよいよ開幕した。

クラブではサンプ以外の試合、バルサだろうがCL決勝だろうが全く燃えなくなってしまった私だが、代表の試合は結構好き。やっぱりベイルとかレバンドフスキとかがお国の為に必死にディフェンスしてスライディングとかしていると熱くなる。プロ野球と高校野球の違いみたいなものか。W杯と違ってEUROの場合は、どの国も近くてそれぞれの国同士の因縁が非常に多く、また実力差もそれほどないために面白い。

そして、残念ながら現サンプの選手は1人も選ばれていないがイタリア代表。

初戦  ITALIA 2-0 ベルギー
2戦目 ITALIA 1-0 スウェーデン

で早くもグループリーグ突破FIFAランキング2位のベルギーを撃破し、王様イブラヒモビッチも倒す
このイタリア代表の2トップは、2012年のセリエB時代のサンプの2トップ!(しかもペッレは控え…😁)...
それが示す通り、今回のイタリア代表は私が見てきたここ25年ぐらいのイタリア代表の中で1番タレントがいないチームかもしれない。
でも期待されてない時の方がイタリアは強いからな~

エデルのスウェーデン戦でのゴールは、見事の一言。サンプ時代の好調時を思い出させた。エデルもこれからちょっと日本でも騒がれるかもしれないが、エデルの本当の凄さはサンプファンなら誰もが知ってる通り、その献身性、そしてオールマイティさ。私が一番エデルっぽいなぁと思ったのがベルギー戦。ダルミアンのミスパスからベルギーに大カウンターを食らいルカクにGKと1対1の大チャンスが到来。それを懸命に防ぎに行ったのが、なんと全力で走って戻ってきたエデルだった。そんなディフェンスもしつつ、2戦目では後半終了間際の一番疲れてる時間に、ドリブルで3人をぶち抜き決勝ゴール。監督にとってはものすごく使いやすい選手だろう。

て、アズーリはどこまで行けるでしょうか!?

その他ではクロアチアvsトルコのモドリッチのゴール、やばっ
大空翼クンよりすごい!現実は漫画を超える!

https://www.youtube.com/watch?v=4slbX993D5g

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そんな中、イタリアではセリエA昇格プレーオフがひっそりと行われており元サンプが多数在籍するペスカーラがセリエA昇格最後の切符を手にした。

SERIE A 昇格プレーオフ 決勝戦

ペスカーラ 第1戦 2-0 トラパニ

        第2戦 1-1 (2試合合計3-1でペスカーラのA昇格が決定!)

敗退したトラパニ監督のセルセ・コズミ(ご存じかつてのペルージャの監督)が泣きじゃくるのを、ペスカーラの監督マッシモ・オッドが抱きかかえて慰める姿が印象的だった。ペスカーラにはサンプからレンタル中のルーカス・トレイラ(来季戻ってくる予定)やアンドレア・コーダ、さらに元サンプのGKフィオリッロやDFカンパニャーロフォルナジエールがいる為にかなり因縁深い。

おめでとうペスカーラ!

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だいぶ脱線したが、いよいよ本題。続いては15-16シーズンのMF陣。

ゼンガの時は4-3-1-2もしくは4-3-3。モンテッラは3-4-2-1か3-4-1-2の布陣を好んで使った。MF陣は冬に移籍した選手はほぼいなかったが、怪我人が多く、フォーメーションも変わったので大分ポジションも変化した。

ゼンガの時のレギュラーは

主に使われた4-3-1-2の時

             ソリアーノ

             (コレア)

  バッレート    フェルナンド  カルボネーロ or イヴァン

(クルスティチッチ) (パロンボ)   (クリストドゥロプーロス)

4-3-3の時(その場合、コレアやカルボネーロはFWのウィングとして起用された)

   バッレート  - フェルナンド  - ソリアーノ

(クルスティチッチ)  (パロンボ)  (イヴァン)(クリストドゥロプーロス)

 まず1年中レギュラーを張り続けたフェルナンド。今年獲得の選手では1番のヒットとなった。監督代わってフォーメーション代わっても、彼がどっしりボランチに座り我らが”バンディエラ”パロンボは完全にサブとなった。その脇を南米版ガットゥーゾのバッレートと”キャプテン”ソリアーノが固める布陣が4-3-3時。その場合はコレアカルボネーロが3トップのウィングとして起用される。また4-3-1-2の時は、ソリアーノがトップ下に上がり右MFをイヴァンカルボネーロが務める布陣。もしくは徐々に本領を発揮し始めてきたコレアがトップ下を務めた。 

モンテッラ時代のレギュラーは

主に使われた3-4-2-1の時 (ドドとデ・シルヴェストリはDFとして考え、紹介した)

       ソリアーノ   リッキー・アルヴァレス

        (コレア)    (カッサーノ)

 ドド   クルスティチッチ フェルナンド  デ・シルヴェストリ

      (バッレート)   (パロンボ) (イヴァン)(クリストドゥロプーロス)

 3-4-1-2の時 (ドドとデ・シルヴェストリはDFとして考え、紹介した)

         リッキー・アルヴァレス

            (コレア)(カッサーノ)

 ドド   フェルナンド  ソリアーノ  デ・シルヴェストリ

     (バッレート)   (イヴァン) (クリストドゥロプーロス)

   (クルスティチッチ) (パロンボ) 

 モンテッラ政権になってサンプから出て行ったMFは、若手でほぼ出場機会が無かったロッカだけ。しかしカルボネーロがシーズン絶望の大けがを負っていなくなる。またイヴァンも怪我がちで、バッレートも結構活躍していた前半戦に比べるとかなり調子を落とした。代わりに加わったのはリッキ―・アルヴァレス。リッキーはカッサーノコレア、もしくはソリアーノとダブルトップ下の座を争い、かなりの確率で先発出場していた。またダブルボランチではフェルナンドと組む相棒が目まぐるしく入れ替わる。攻撃的布陣でソリアーノが入ったり、運動量のあるイヴァン、守備重視のバッレートが帯に短したすきに長し。終盤には復調してモンテッラの信頼を勝ち得たクルスティチッチが何試合かレギュラーを務めた。テクニックに長けた選手を好むモンテッラ。クルスティチッチはレジスタの位置からの左足の長短正確なパスが買われたんだろう。

ちなみに両サイドハーフ、左のドドと右のデ・シルヴェストリはほぼ不動。代わりがいなかったのもあるが・・・

それでは1人1人の総括を見ていこう↓↓ 

 MF 7 フェルナンド 7  シャフタール・ドネツクから今季一番の高額移籍金で加入したブラジル代表。その金額はダテでは無かった。マウロシルヴァ+エメルソン(昔のローマの)みたいな選手。屈強な身体を生かして敵を食い止め、チャンスと見るや攻め上がって強烈なミドルを放つ。また開幕戦ではいきなりFKから得点を決めたように、プレースキッカーも度々務めた。1年中レギュラーを守り、GKヴィヴィアーノに次ぐ出場時間を記録。イエローカード14枚はかなり多いが、チームの為に犠牲になった物もかなり多く、守備もしっかりやってる証拠であろう。ただ残念なのは、ボランチがパロンボから彼になってパワーアップしているはずなのに、失点は増えてチームの成績には直結しなかった事。ポジショニングや戦術眼等、細かい所にはまだまだ成長の余地がある。多くのビッグクラブが彼に注目しているが、できれば残って欲しい。往年のサンプのブラジル人と言えば、彼=「トニーニョ・セレーゾ」の様になってくれるまで・・・ブラジル代表(35試合3147分/4ゴール/4アシスト)

 MF 21 ロベルト・ソリアーノ 6.5 パロンボの出場が激減した今季は、基本的に彼がゲームキャプテンを務めた。3MFのサイドハーフ、トップ下、ダブルボランチの一角とMFの中では流動的にポジションを務めたが、彼自身の役割は変わらなかった。今季は、印象的なDERBYの得点を含めて得点力がパワーアップ。左右どちらでも打てるミドルシュートは脅威。ただトップ下時には、調子や相手によってはたまに試合から消えてしまう試合も有った。ずっと代表に選ばれ続けていたが、最後の最後にEURO2016の切符を勝ち取れなかったのは残念。オールラウンダーだが、ややディフェンスが弱く特徴に欠けると言う事か。まぁまだ若いしチャンスはまだまだ有るだろう。冬に今夏のインテル行きが決まっていると言われていたが、ここにきてミハイロビッチ監督のトリノも彼を熱望しており、去就は不透明。残念ながらサンプ残留の道は薄そうだが、売るなら最低15億円以上にはしてくれ。

イタリア代表(37試合2953分/8ゴール/4アシスト)

MF 8 エドガー・バッレート  6  新加入の元パレルモ&パラグアイ代表キャプテンは、思っていたより泥臭かった。まさに南米版ガットゥーゾという感じ。完璧なレギュラーだった前半戦の出来だけだったら評価はもっと高かった。精力的に中盤でボールにアタックし、奪い、攻撃につなげる。ただ思っていたよりテクニックが無く、ガソリンが切れてきた後半戦は致命的なミスをしてしまったり、スタメンから外れる事も多くなった。年齢的にここから伸びる事は期待しにくく、例え残留したとしてもテクニカルな選手なモンテッラの下ではサブか。またサンプがもっと上を目指す為には、彼の様な選手がサブにいないとならない。元パラグアイ代表。(30試合2280分/0ゴール/1アシスト)

MF 25 リッキー・アルヴァレス 5.5 冬に、干されていたプレミアリーグのサンダーランドから加入。その移籍交渉に手間取り、練習に合流してから約3週間試合に出られないと言う不運な面もあり、少し出遅れた。ディ・マリアからドリブルのキレを少しマイナスしたような選手。左足一本でボールを操り確かにボールは取られないが、カッサーノやコレアに比べると決定的な仕事は少ない。サンプで唯一決めた超ロングシュートは見事だったが・・・怪我が無ければそれなりの仕事はするだろうが、あまり高年棒になってしまうならいらない。そこそこの値段で残留させられるなら、コレアが100%成長する為のトップ下のサブ選手として良いかもしれない。モンテッラの信頼は結構厚く、トップ下部門ではファーストチョイスだった。

元アルゼンチン代表(13試合842分/1ゴール/1アシスト)

MF 20 ネナド・クルスティチッチ 5.5 もう終わったかと思われていた元「未来のキャプテン」。ボローニャからレンタルバックしてきて、ゼンガの元では怪我も有りほとんど出番は無かった。しかしシーズン終盤に怪我が治ると、モンテッラに試されそのまま数試合スタメンを張る。元々トップ下やウィングをやっていた事もあるとおり、決して技術が無い選手では無い。ただスピードやダイナミズムは期待できないので、左足で長短のパスを操れるレジスタの位置が適任だと思う。左利きのレジスタと言えば、リヴェラーニみたいな選手を目指して。もう若手から中堅になってきてるので、そろそろ踏んばらないとこのまま選手生命が終わる可能性も有る。相変わらず露出が激しい若い嫁さんと、Facebookにバンバン登場しているが、ここで復活してきたところを見ると、本人は真面目に練習していると信じたい。

元セルビア代表(10試合574分/0ゴール/1アシスト)

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 MF 17 アンジェロ・パロンボ 4.5 我らがバンディエラも、寄る年には勝てず・・・完全にフェルナンドにボランチのポジションを奪われた。今季のサンプで一番酷かった2試合に、パロンボが両方とも出場している事が一つの時代の終わりを告げる。まずシーズン最初の試合となった、EL予備予選初戦。もちろんCBがおらず、パロンボをCBで起用したゼンガの采配が悪いが、彼のパフォーマンスも本職のポジションでは無かったとは言え酷かった。この1試合で今季の運命の大半が決まってしまったのだから・・・もう1試合が37節のDERBY。このドリアーノにとって一番重要な試合に、ずっと出場していなかったパロンボを先発で使ったのは、モンテッラのバンディエラに対する”はなむけ”だったのか?バンディエラとなった選手の引き際は非常に難しい。パロンボ自身もヴォルピに引導を渡して今の地位を築き上げている。また、あのトッティですら最後移籍するだしないだひと悶着あった。パロンボも下位とかセリエBとかに戦場を移せばまだやれるだろう。故郷の隣村、フロジノーネへの移籍の可能性が強かったがB落ちしてどうなるか。いったいサンプのバンディエラはどう言う結末を迎えるのだろうか?

 元イタリア代表(7試合409分/0ゴール/0アシスト)

MF 10 ホアキン・コレア 6 なかなか評価が難しい今シーズン。間違いなく片鱗は見せた。後半戦のカルピから3試合連続ゴール。特にカウンターからのスピードに乗ったドリブルは度々脅威となった。ただ精神的にはまだまだ甘く、無人のゴールへのシュートを外したり不用意なレッドカードを貰ったり。まだ良い時と悪い時の差が激しく、継続性が無い。しかしサンプとしては大金を投じて先行投資した彼を簡単に売り払うのは愚行で、今後は22歳の彼を生かしていくフォーメーションを作っていくべきだと思う。となるとやはりトップ下か。去年も書いたが、似ているプレースタイルはやっぱりカカだ。またぎフェイントが大好きなのは今年で良くわかった。全員好調時の、エデル-ムリエル-コレアの南米トライアングルは面白かったんだけどなぁ

(25試合1378分/3ゴール/3アシスト)

MF 95 ダヴィド・イヴァン 6 今季一番のサプライズだったかもしれない。弱冠20歳のスロヴァキア人MFは、夏のキャンプでゼンガに認められてそのままトップチーム入り。開幕戦からスタメンを飾った。フィールドを縦横無尽に駆け回り、テクニックもしっかり有る。田舎の少年のようなあどけない顔をしているし線も細いが、意外と激しく敵ともやりあうし体幹が強いんだろう。パレルモ戦で決めた超ロングダイレクトループシュートは見事だった。それが嬉しいセリエA初ゴール。後半戦は怪我も有り出場機会は減ってしまったが、来季に向けて楽しみな存在。冬に同胞のシュクリニアールが加入した際には、若くて言葉もしゃべれない彼の大きな助けとなった。今後のサンプとスロヴァキア代表を2人で支えていく存在になるかもしれない。シュクリニアールが先にフル代表に選出されたので負けていられないだろう。

スロヴァキアU-21 代表(21試合1165分/1ゴール)

MF 77 カルロス・カルボネーロ 6 前半戦はゼンガの元、かなり出場機会があった。早いだけの奴かと思ったがテクニックもあるし、ディフェンスも全くダメでは無い。4-3-1-2の右MFかトップ下、4-3-3のウィングで主に起用されたが、やはりサイドの方が生きる気がする。本来は4-4-2の台形MFの右サイドハーフが適性なんじゃないかなぁ。大けがを負って、後半戦を棒に振ったのは残念だった。ただモンテッラの3-4-2-1だとあまり活躍の場は無いかもしれないが・・・まだ若いしオプション行使して、来季も見てみても良いと思うのだが、今のところ可能性は薄い

コロンビア代表(14試合1096分/0ゴール/3アシスト)

MF 18 ラザロス・クリストドゥロプーロス 5 ゾレックとの交換で移籍期限ぎりぎりで加入した、ギリシャ代表のドリブラー。名字が長過ぎて(Christodoulopoulos)ユニに入らない為、背中の名前はラザロス。怪我も有り出遅れて、カルボネーロやイヴァンとの競争に敗れる形で出場機会は限られる。本職のMFよりサイドバックや3バックのウィングハーフでの起用がほとんどだった。もう少し期待してたので残念な出来。古巣ヴェローナ戦で決めた、見事なボレーシュートが唯一の見せ場となった。おそらく来季の居場所は無いのではないか。

元ギリシャ代表(10試合378分/1ゴール)

MF 92 ミケーレ・ロッカ ND インテルから移籍してきた19歳のMF。意外と早くセリエAデビューのチャンスは訪れたが、結局出場はその1試合だけ。冬のメルカートで、セリエBのヴィルトゥス・ランチャーノにボナッツォーリと共にレンタルで武者修行に出された。もちろんサンプに帰ってくる可能性は有る選手だが、今後どういう成長を見せるか・・(1試合/0ゴール)

MF 13 パヴェル・ゾレック ND 夏のメルカート終了直前に、クリストドゥロプーロスとの交換トレードでエラス・ヴェローナに移籍。エラスではほぼレギュラーでそこそこ活躍したので、彼にとっては良いトレードだったのでは。ポーランドのフル代表にも選ばれたが、残念ながらEURO2016出場はならず(2試合/0ゴール)

 

 

 

以上のメンツから、私個人的に来季への願望。まずは私的に来季に向けて必要な選手、そうでない選手

いる = コレア、フェルナンド、イヴァン、ソリアーノ、カルボネーロ

どちらでも = バッレート、クルスティチッチ、リッキー・アルヴァレス

いらない = クリストドゥロプーロス、パロンボ(選手としては)

これはあくまで私の希望で、現実ソリアーノフェルナンドの少なくとも1人、最悪2人ともいなくなるだろう。フェルナンドにはスパルタク・モスクワが約1500万ユーロのオファーでほぼ決定と言う噂も有る。ソリアーノは当初噂に上っていたインテル以外にも、シニサのトリノとナポリの噂も有る。とにかく安売りはしちゃいけない。逆に加入の噂は、まず前述のレンタルバックのルーカス・トレイラ。あとナポリのヴァルディフィオーリとかフィオレンティーナのマルティネスとか。さらに現在はアンデルレヒト勢がやたら噂に上っており、MFドフール、プラート、FWスアレスとか。去年オカカを売って、コネクションが出来ていると言う事だろうなー。いずれにせよある程度EUROが終わらないと、今年の移籍市場はそんなに活発にならないと思うので、まだどれも噂話に過ぎないだろう。MFは一番メンツは揃っているので、流出を食い止めればOKだが、前述の2人が放出されればそれ同等の代わりの選手は絶対に欲しい。 

Foooooooorza Saaaaaaaamp!!  

 

今日のカッサーノのアフォリズム(格言) 

numero75:  

Chi ha abbassato lo stereo in palestra? 

格言75:

誰だ、ジム(体育館)のステレオの音量を下げたのは?


2015-16 シーズン総括 選手寸評[2] DF編

2016-06-04 17:27:39 | ほぼ週刊サンプ通信 '15-'16

 EURO2016、おそらくサンプ唯一の出場者はミラン・シュクリニアール

 いよいよEURO2016開幕が間近に迫り、各国の代表が続々と発表されてきた。まずイタリア代表

【GK】
1 ジャンルイジ・ブッフォン(ユベントス)
12 サルバトーレ・シリグ(パリSG=フランス)
13 フェデリコ・マルケッティ(ラツィオ)
 
【DF】
2 マッティア・デ・シリオ(ミラン)
3 ジョルジョ・キエッリーニ(ユベントス)
4 マッテオ・ダルミアン(マンチェスター・U=イングランド)
5 アンジェロ・オグボンナ(ウェストハム=イングランド)
15 アンドレア・バルザーリ(ユベントス)
19 レオナルド・ボヌッチ(ユベントス)
 
【MF】
6 アントニオ・カンドレーバ(ラツィオ)
8 アレッサンドロ・フロレンツィ(ローマ)
10 チアゴ・モッタ(パリSG=フランス)
14 ステーファノ・ストゥラ―ロ(ユベントス)
16 ダニエレ・デ・ロッシ(ローマ)
18 マルコ・パローロ(ラツィオ)
23 エマヌエレ・ジャッケリーニ(ボローニャ)
 
【FW】
7 シモーネ・ザザ(ユベントス)
9 グラツィアーノ・ペッレ(サウサンプトン=イングランド)
11 チーロ・インモービレ(トリノ)
17 エデル(インテル)
20 ロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)
21 フェデリコ・ベルナルデスキ(フィオレンティーナ)
22 ステファン・エル・シャーラウィ(ローマ)
 ※青=元サンプ 赤=元うんこジェノア

【トレーニングメンバーとしてチームに帯同】
GK アレックス・メレト(ウディネーゼ)
DF ダニエレ・ルガーニ(ユベントス)
DF ダビデ・ザッパコスタ(トリノ)
MF マルコ・ベナッシ(トリノ)

 サンプ勢は結局、ソリアーノデ・シルヴェストリと一応ラノッキアが落選した事により選出者無し。ジェノアも無しとジェノヴァ勢にとっては悲しい結果に。まぁ10番モッタが示す通り、タレントがいない今回の代表。私が見る限り、ここ36年で一番スター性に欠ける代表の様な気がする。イコール弱いとは言わないが、さすがに今回は厳しいだろう。一番のスターは、悲しいかなブッフォンなのでは!?一応よしみでエデルは応援してあげて、個人的にはベルナルデスキに期待している。初戦で優勝候補にまで上がっているベルギーに勝てれば、トーナメントには行けるだろう。1994年W杯のコロンビアの様に、普段は中堅国のベルギーが慣れない優勝候補のプレッシャーに押しつぶされればチャンスはあると思う。実力では残念ながら劣っていると思うが。トーナメントまで行けば、0-0で引き分けてPKで勝つと言う番狂わせもあり得るから、特にEUROは何が起きるかわからない。ギリシャが優勝したぐらいだからなぁ。個人的には出場枠24ヶ国は大反対。どうしてもアルバニアや北アイルランドなど一歩実力が劣る国も入っており(オランダが出場できていないが)、グループリーグではあまりときめくカードが少ない。16ヶ国の時は、予選グループからほとんど面白いカードだったのに・・・相変わらずビジネスに走るUEFA

 さて、その他の国に目を移すとスロヴァキア代表で弱冠21歳のDFシュクリニアールが選出と言う嬉しいニュースが!サンプでも控えで、わずか3試合しか出場していない彼が唯一の代表選手と言うのは皮肉なものだ。だが将来性をすごく買われており、代表にとっても面白い選出となった。ちょっとムスタフィがサンプで辿った時と同じ臭いがする。元サンプ勢の出場は、そのドイツ代表ムスタフィ、ポーランド代表サラモン、アイスランド代表ビャルナソンぐらいか。個人的にはアズーリとその辺りの国に注目してEUROは観ていきたいと思う。

さてシーズン総括、次はディフェンダー編。メルカートの動きを含め、各選手の去就にも注目しながら今シーズンのディフェンス陣を振り返っていきたいと思う。

 

 

 

 

 DF陣は2014-15シーズンと比べて一番ダメになったセクション。失点42だった先シーズンに対して、今季は61失点。得点48は全く同数だったので、今季低迷の要因は間違いなく守備である。メンバーは開幕当初は先シーズンとあまり変わってなかった。デ・シルヴェストリが怪我でいなかったのと、ロマニョーリが抜けた。そのロマニョーリは相当でかかったのだろう。いまだに、なぜロマニョーリがアズーリに呼ばれないのかがわからない。弱体化しているとは言え、ミランに移籍してあっさり完璧なレギュラーを確保している21歳・・・

もちろんDF陣だけの問題では無いが、ゼンガ監督時の4バック、モンテッラ監督の3バック(両ウイングハーフのデ・シルヴェストリとドドは共に4バックでもサイドバックをやる為に、ここではDF扱いにするが)、共にミハイロビッチ監督時代の強固なディフェンスは築けなかった。 

ゼンガ監督4バック

 レジーニ(メスバー)               カッサーニ(ペレイラ)(デ・シルヴェストリ)

 

       ズカノヴィッチ  モイサンデル

         (コーダ)       (シルヴェストレ)

※ゼンガ監督時代7~11月まで。デ・シルヴェストリが12月まで怪我していた為に開幕時右SBはカッサーニ。しかしそのカッサーニもすぐ怪我をして、17歳のペレイラが抜擢されて大いなる驚きをもたらした。当初はモイサンデル-シルヴェストレのCBコンビに左SBズカノヴィッチの予定だったが、両CBが怪我がちで結局ズカノヴィッチはほとんどCBで使われた。その結果、昨季レギュラーながらあまり評価されていなかったレジーニが左SBのレギュラーを務めた。開幕直前にサラモンをカリアリに放出して、さらに控えCBコーダも重症を負ったためにCBがかなり手薄に。その結果がパロンボCBで臨んだヴォイヴォディナ戦の惨敗だ。やはりCBもしくは左SB、最低1人ないし2人の補強が必要だった。

モンテッラ監督3バック+両SB

 ドド(メスバー)                デ・シルヴェストリ(サーラ)(カッサーニ)(ペレイラ)

         カッサーニ シルヴェストレ

       (モイサンデル)  (ディアキテ)

           ラノッキア

            (シュクリニアール)

※モンテッラ監督も、就任当初はそのまま4バックを使用するがあまり上手くいかず・・・さらに冬のメルカートで大幅にメンバーが変わったのでますます4バックが難しくなった。

ズカノヴィッチ、レジーニの2人のレギュラーが移籍したのはかなり大きい。と言うか何を考えて放出したのか良くわからない。さらに控えのコーダも移籍して、左SBのサブのメスバーも飲酒運転で逮捕された後は、いっさい練習に呼ばれなかった。代わりに加入したのがドド、ラノッキア、ディアキテ、シュクリニアール、サーラ。名前と人数を見れば魅力的だが、なかなか組織を構築する事が出来ず・・・

3バックへの転換は特にドドの適性をみての物だろう。左のドドは、攻撃は非凡な物は持っていたが守備に難が有り4バックは難しかった。またCBも、モイサンデルが思ったほどのディフェンス力が無く、シルヴェストレも昨シーズンの輝きが無い。新たに加入したラノッキアも4バックより3バックのカバーリングが長けていると言う事で3バックに踏み切る。CBはケガがちだった為に、結局ユーティリティプレーヤーのカッサーニが一番CBで使われていた。右のデ・シルヴェストリが怪我から戻ってきて、故障以前と遜色無い働きを見せたのが唯一の救いか。22節のボローニャ戦の後半から3バックに変更して上手くいったために、23節のトリノ戦から完全に3バックに変更してシーズン最後までその布陣で戦った。

 来シーズンもDF陣は一気に刷新される可能性が有る。まず3バックか4バックかも補強次第でわからない。ラノッキアは100%レンタル更新されないだろうし、個人的には残って欲しいが、ドドもインテルからレンタルの為に残留の可能性は50%。デ・シルヴェストリを軸に据え、CBに2人強い選手を補強。そしてペレイラとシュクリニアールの2人は将来の楽しみな希望として大切に育てたい。

 さて、DF陣ひとりひとりを振り返ってみる。

右SB 29 ロレンツォ・デ シルヴェストリ 6 昨夏の代表の試合で重傷を負い、11月まで復帰出来なかった”ロロ”。公傷とは言え彼の不在はかなりでかかった。イタリア代表に賠償請求したいぐらいだ。ただ復帰後に、以前の彼と同じ姿を見せてくれたのは良かった。4バックの右SBも務まるが、3バックの右WBの方がより生きている感じだった。技術はそこまででもないがとりあえずクロスは上がる。また今シーズンは逆サイドからのクロスに対して、ペナ内まで入ってきてシュートに絡む姿も多く見られた。EUROの直前まで代表に選ばれていたが、本戦出場がかなわなかったのは残念。(17試合1470分/1ゴール/2アシスト)

CB 26 マティアス・シルヴェストレ 5.5 ロマニョーリと言う相棒を失い、昨季の輝きを失った。怪我しながらシーズンインした為に、なかなかトップフォームを取り戻せず。コンディションを取り戻してきた後半戦はディフェンスで貢献出来た試合もあったが、数少なかった。3バック時は基本左のCB,ラノッキアがいない時は中央。しかしモイサンデル、カッサーニ、ディアキテと4人で2ポストを争う感じで、完璧にレギュラーでは無かった。4バックの方が彼には向いてる気がする。2年契約だから来季もいる可能性は高いが、正念場だろう・・・(25試合2079分/0ゴール/0アシスト)

CB 4 ニクラス・モイサンデル 5 ロマニョーリの後釜として期待された前アヤックス&フィンランド代表の主将。期待が大きかっただけに評価も辛い物にならざるを得ない。オランダリーグでは通用していたディフェンスがセリエAでは通用しないんだね、と言う事が見える感じのプレーが多かった。また怪我も多く、開幕も怪我からコンディショニング遅れで突入。シーズン終盤もほとんどいなかった。体調が完璧になり、セリエAにも慣れる来季はいればもう少しはやれそうだが、今年31歳と言う年齢を考えると大きな伸びしろは期待できない。(22試合1899分/0ゴール/0アシスト)

右左SB&CB 5 マッティア・カッサーニ 6 開幕当初は4バックの右SBとして”ロロ”の穴を埋める。間に怪我もあったが、復帰後は主に3バックのストッパーとして出場。緊急時には左SBもやったり完璧なユーティリティプレーヤー。チームへの貢献度は高い。抜群に強いCBでも抜群に早いSBでも無いが、どのポジションでも経験に裏付けされた堅実なプレー。彼が完璧なレギュラーだと弱いが、サブとしては常にベンチに置いておきたいプレーヤーだ。(25試合2150分/0ゴール/1アシスト)

右SB 13 ペドロ・ペレイラ 6 今シーズンのサンプ一番のサプライズか。ポルトガルのベンフィカユースから加入した彼が、まさかトップチームに入るとは思ってもいなかった。しかし”ロロ”の故障と、さらに2番手のカッサーニの故障もあって17歳にして右SBで出場のチャンスを掴む。すると俊敏なオーバラップからのクロスでムリエルのゴールをアシストしたり、特に攻撃面で非凡な面をアピール。さすがにディフェンスはまだ弱くてレギュラーとまではいかなかったが、将来非常に楽しみな逸材だ。昔のブラジル代表右SBゼ・マリアに似たタイプのプレーヤー。大切に育てて欲しいし、簡単に手放しちゃいけない。(9試合675分/0ゴール/1アシスト)

***冬加入選手***

左SB&WB 11 ドド 6 冬のメルカートで、出番が殆ど無かったインテルから加入。若くしてセリエAデビューした通り、ドリブルが上手くSBとしての攻撃力はかなりのもの。一方ディフェンスには何を抱える。当初4バックの左SBに苦労していたが、3バックの左ウィングバックになると攻撃力をいかん無く発揮。ブラジル人らしいトリッキーなドリブルから、効果的なクロスを上げる。まだ若いし成長すればレアルのマルセロみたいになれるか。オフサイドで取り消されたために、今シーズンのゴールは無かった。レンタル満了の為にいなくなる可能性が高いが、左利きで彼の様に攻撃力があるSBは簡単には見つからないので、ゼヒ留めて欲しい(17試合1488分/0ゴール/1アシスト)

CB 16 アンドレア・ラノッキア 4 ドドと共に、出番が無かったインテルから加入した元キャプテン。イタリア代表の経験も多い男だが、なぜインテルで出番を失ったかはよーくわかった。サンプでのデビュー戦でまず失点につながる致命的なミス。この時は久々の出場で試合勘が無いと言う事で、私もまだかばっていた。たしかにDFにしてはテクニックが有りヘッドも強い。徐々に試合慣れしてきて一応3バックの中央でレギュラーにはなる。しばらく無難なプレーは続けていたが、33節のサッスオーロ戦で前半あっという間に2枚のイエローで退場。パレルモ戦では失点・敗戦につながる致命的なミス。ディフェンダーとしては1対1に弱すぎる、そしてエレガントにプレーしようとし過ぎて致命的なミスが多い。もううちでは結構です。インテル戻っても出番は無いでしょうから、どこかで仕事を探してください(14試合1207分/0ゴール/0アシスト)

CB 23 モビド・ディアキテ 6 昨季ミハイロビッチに断られた男が、結局サンプに入ってきた。加入後すぐ出場した試合で怪我してしまい、しばらく間が空いてしまったのは残念だが、復帰すると何試合かスタメンを勝ち取る。屈強な身体を生かしたディフェンスと、ドスドスと迫力があるオーバーラップ。ちょっと下手なところも私好みで、来季もみてみたい。ただ彼は4バックは厳しいかな?3バックのストッパーの方が向いてる気がする(8試合686分/0ゴール)

CB 37 ミラン・シュクリニアール ND 冬のメルカートでスロヴァキアリーグから将来への投資として獲得された選手。プリマヴェーラで経験を積み、シーズン最後に出場がかなった。そこで期待以上の出来。スピードもパワーもあるディフェンスで、セリエAの並み居るFWとも渡り合い、将来がものすごい楽しみ。まだビルドアップなどは課題が残るがそこは21歳。ちょうど現在ドイツ代表のムスタフィが、サンプでデビューした時と雰囲気が似てる。ペレイラと共に、サンプ期待の星だ。セリエAでの1試合が目に留まり、なんとEURO2016に出場する事になる!しかもサンプ唯一・・・出場は無いかもしれないが、貴重な経験を積んでくれ!ちなみに背番号37は、祖国のスターで目標とするDFシュクルテルが良くつけてたから選んだそうな(3試合113分/0ゴール)

右SH&右SB 22 ヤコポ・サーラ ND エラス・ヴェローナでバリバリのレギュラーだった右サイドハーフ。本職MFながら、右サイドならサイドバックからウィングまでどこも出来る。サンプではデ・シルヴェストリの控えとして使われた。と言うか来ていきなり右SBでスタメンを務めるがその試合で怪我。復帰までしばらくかかった為、ほとんど今季の出場は無かった。守備も攻撃も無難にこなしそうな優等生だが、まだ特徴がイマイチ良くわからないので来季ベストな状態でみてみたい(5試合209分/0ゴール)

***冬放出選手***
左SB&CB 19 ヴァスコ・レジーニ 5.5 一番不可解な移籍。ずっと移籍の噂はあったが、今季も左SBのレギュラーとして前半戦出場。そんな中ナポリにレンタルで放出されて、ナポリでは出場ゼロ。結局来季は少なくとも一旦はサンプに帰ってくるみたいで、その際に代理人を代える事から、どうやら前代理人が仕組んだ移籍だったらしい。サンプで出場していた期間は昨季と全く変わらず。攻撃も守備もそれほどポカは無いが、全体的にひ弱な感じだ。もうレギュラーとして彼に期待するのはあきらめよう。バックアッパーとしてなら良いが。攻撃も守備も10段階で7点と言う感じだ。(14試合1207分/0ゴール)

左SB&CB 87 エルヴィン・ズカノヴィッチ 6.5 夏の移籍組の中では一番活躍していた。その選手を何故半年であっさり手放す?しかも2億9千万で買って、4億円で売るってたいして儲かっていない。すこし弱いミハイロビッチみたいな選手。当初は左SBで獲得された選手だが、CBが故障続きで結局ほとんどセンターバックでの出場に。得意の左足からのFKとヘッドでゴールも決めた。サンプに留めて欲しかったなぁ(16試合1329分/3ゴール/3アシスト)

左SB 3 ジャメル・メスバー 3 彼は移籍では無いが、2/2に飲酒運転で逮捕。「ジェノヴァの通りをポルシェで走っていたメスバーは、警察からの停止命令を受けたあとにしばらく走行を続けたものの、最終的には検査に応じることに同意。その結果、基準アルコール摂取量の3倍に当たる量が検出されたほか、フランスの運転免許証を所有していなかったことも明らかになり、これらの罪によって起訴されているとのことだ。」この事態をサンプは重く受け止め、実質解雇の処置。一応は左SBのサブとして考えられていた彼がいなくなった結果、左SB,WBはドド1人でシーズン最後まで戦う事となった。さようならサンプ唯一のアルジェリア代表・・・(7試合620分/0ゴール)

CB 6 アンドレア・コーダ ND あまり期待されていなかった控えのCBは、モイサンデルの故障とサラモンの移籍でなんと開幕戦スタメンを勝ち取る。しかし不運な事に第2節でケガ。これの完治まで3ヶ月くらいかかって、冬に復帰するや否やペスカラに放出された。性格が良い頑張り屋な為、ティフォージの受けも良かったがさすがにレギュラーは厳しい実力だった。元々がムリエルとセット販売で押し付けられた選手だったから、仕方が無いか(4試合121分/0ゴール)

 

 

  以上のメンツから、私個人的に来季への願望。まず私的に来季に向けて必要な選手、そうでない選手

いる = デ・シルヴェストリ、シュクリニアール、ドド、ディアキテ、ペレイラ

どちらでも = シルヴェストレ、モイサンデル、カッサーニ,サーラ

いらない = ラノッキア、メスバー

ペレイラはレンタルで修行に出しても良いと思うが。とにかくシュクリニアールペレイラは未来のサンプの希望の星だ。センターバックは総入れ替えして欲しい。シュクリニアールがどれだけのスピードで成長するか。まぁ3バックか4バックでだいぶ補強の内容も変わってくるだろうが、とにかくセンターバックがチーム全体見回しても最重要課題であろう。左はドドが無理なら代わりを探さなければ。レジーニじゃちょっとなぁ・・・ 

 サンプトピックス

その他ニュースを少しだけ

1.ペスカラに今季レンタルに出していたMFルーカス・トレイラの帰還は間違いない。1996年2月11日生まれの20歳のウルグアイ人。今季はペスカラで26試合3ゴール。残念ながら負けてしまったが、セリエA昇格プレーオフまで戦った。同じウルグアイ人のガルガノにハムシクを足した選手と言う評判で、面白そうだ。とりあえず夏のキャンプでモンテッラが品定めをして使えそうならそのままサンプ、まだだったらレンタルに出されるだろう。

2.上でも触れたが、ナポリに買い取りオプション行使されなかったDFヴァスコ・レジーニも一旦は戻ってくる

3.その他、現在サンプ移籍の噂に上ってるのがFWバロテッリ、G・ロッシ、あとフロジノーネのブルガリア人MFトネフ。トネフ以外は飛ばし記事の臭いがプンプンするが・・・

 

Foooooooorza Saaaaaaaamp!!  

今日のカッサーノのアフォリズム(格言) 

numero74: 

 La musica aiuta,rilassa,da' allegria.

Mettiamola nello spogliatoio e vinciamo di piu'.

格言74:

音楽は俺を助け、リラックスさせ、快活にさせる

ロッカルームにも音楽を流そう、そうすればもっと俺たちは勝てる


2015-16 シーズン総括 選手寸評[1] 監督&GK編

2016-05-30 21:42:57 | ほぼ週刊サンプ通信 '15-'16

さてヨーロッパのサッカー、2015-16シーズンもCL決勝=レアルの優勝と共に終わりを告げた。今年はこの後EURO2016が控え、それが終わると共にカルチョメルカートが本格化するのだが、その前にサンプの失意の2015-16シーズンを、各ポジション別に振り返っていきたい。今後の補強の展望も含めて。第1回はGK&監督編。ちなみにガゼッタ方式の採点は、全く私個人の独断と偏見によるものである。

 

監督 ワルテル・ゼンガ 4.5 リーグ戦の結果は4勝4分4敗、10位と言う成績で解任された。シーズンの成績はともかく、一番責任が問われたのがEL予備予選での敗退。特にホーム(マラッシが芝の張替えの為、トリノでの試合だったが)での今季初戦、セルヴィアのチーム相手に0-4と言うセンセーショナルな敗戦と言うのが印象悪すぎた。これにより、元々ゼンガ招聘に懐疑的だったサンプティフォージの不満が一気に爆発し、開幕前からゼンガ解任を求める声が多かった。他チームより早くキャンプを始めた貯金を生かして、カンピオナート序盤は少なくとも格下チーム相手にはしっかり結果を残した。しかしサッカーの質、やりたいサッカーはさっぱり見えてこなかった。フィオレンティーナ戦でサッカーの質の面で格の差を見せつけられて敗北すると、フェレーロもついに解任に踏み切った。

フェルナンドをボランチに固定し、前線は絶好調だったエデル&ムリエルの2トップの個人の技術にかける。攻撃はまだ良かったが、昨年のシニサ監督時代との差はとにかく守備。メンバーはさほど変わらなかったが(その一人だけいなくなったロマニョーリも大きかったとは思う)、ただ鬼軍曹ミハイロビッチの時には無かった集中力の欠如、セットプレーでのあっさりした失点が目立ち、とにかく失点が多かった。GK出身監督ながらDF陣を構築できなかったのは謎だ。

ゼンガ解任時点での記事はこれ↓↓

http://blog.goo.ne.jp/shussissi/e/c3e3fe8d41cd9ee482d9d4bdcf7bcc87

 

↑↑このBlogを見てくれている人にはすでにしつこいと思うが、結局ハゲ監督はダメだったか~

 

監督 ヴィンチェンツォ・モンテッラ 5 ゼンガの後を引き継ぎ、成績だけ見ると6勝6分14敗。順位も15位にまで下げて、ぎりぎりで残留をなんとか果たした。ティフォージは、現役時代にサンプファンのアイドルであり、しかも監督で他チームで結果をすでに残し始めていたモンテッラさえ来れば一気に強くなると思っていた(私もその1人だ)。しかし現実はそんなに甘くは無かった。結果はゼンガ時代より酷くなり、しかもカンピオナートの終わり方が悪かった。最後の2試合、DERBY0-3、ユーヴェ戦0-5と最悪の形で連敗しシーズンフィニッシュ。ただ、普通の監督ならかなり責められていると思うが、ティフォージの矛先はどちらかと言うと会長のフェッレーロの方に向かっている。ある意味、モンテッラの人望はスゴイ。モンテッラが擁護される点が以下の3つ。

・元々スペインの様に攻撃的で、パスを良くつなぎスペクタクルなサッカーを好むモンテッラ。彼のサッカーをシーズン途中から実現するのは難しい

・ただでさえ、モンテッラの望んだメンバーで無い所から、冬のメルカートでさらに大量の入れ替えが有った。

・キャンプインが早かった為に、シーズン終盤でガス欠になっていた選手がいた。

 モンテッラはゼンガがぐちゃぐちゃにしたチームの、まず理想の布陣を模索するところから始めた。4-3-3から始まり4-3-1-2を試したりして最終的に3バックに落ち着く。しかしそこで冬のメルカートの大量入れ替え。まぁ難しいシーズンだったのは間違いない。ここら辺は私もある程度同意見で、シーズン最後の方にモンテッラ解任を望む声もちょっとは出ていたが、個人的にはシーズン最初から、ある程度モンテッラが望む選手を集めて1年間見てみたい。それでダメだったらもう言い訳は許されない。

 当初モンテッラがイタリア代表の監督になるのでは?と言う噂が多かったが、どうやらモンテッラ留任は確定っぽいので来シーズンに期待!また現時点でミハイロビッチ→トリノ、ヴェントゥーラ→イタリア代表、リッピ→イタリア代表のスーパーアドバイザーがほぼ決まっている。

 

↑↑サンプの来季はこの2人にかかっている!!

GK 2 エミリアーノ・ヴィヴィアーノ 7 今シーズン、サンプ内からMVPを選ぶとしたら彼では無いか?もちろん成績的には全く褒められたもので無いが・・・昨季の29試合30失点より大分失点も多い。ただ今季はザルDF陣の中、ミスらしいミスも無く、どんな試合も集中力を保ってゴールを守ろうとした。154セーブは今季のセリエAでもかなり上位で有り、シュートはかなり撃たれたが、彼がいなかったらさらに失点は増えていただろう。

また、DERBYでジェノアがSUDの下でゴールを決め、喜ぼうとしたのを「向こうへ帰れ!」と追い返す漢気を見せて、ティフォージ受けも良い。次のキャプテンに推す声も多いのだ。アズーリの第3GKを務めていたペリンが怪我したために、ついにヴィヴィアーノに代表の座が回ってくるか?と言われたが残念ながらEURO2016は落選。老けているがまだ30歳。代表のチャンスもまだ有るし、もうしばらくサンプのゴールは任せたい。ちなみにアズーリは結局ブッフォン、シリグ、マルケッティの3人になるみたいだ。まぁゆっくり休んで、来季も頼むぜい!(37試合/56失点)

GK 57 アルベルト・ブリニョーリ ND セリエBのテルナーナでレギュラーを数シーズン務めた後、24歳で2ndキーパーを務める事になったブリニョーリ。今季はヴィヴィアーノが全く怪我しなかった為に、出番が無かった。コパイタリアでさえも、今季は1試合のみ(ミラン戦)でしかも勝ちにこだわった為に出場機会は無く・・・ただ1年間頑張ってサブGKを務めたご褒美に、最終戦の自身の出身クラブであるユーヴェ戦でセリエAデビューのご褒美を貰う。1試合だけ見た感想では、フィオリッロを思い出した。バネは有りそうだがまだ堅実性・安定感に欠けるタイプ。来季はおそらく出場機会を求めて、セリエBかA下位でレギュラーが取れそうなところにユーヴェが貸し出すであろう。1年間お疲れ様でした。また御縁が有れば。(1試合/5失点)

GK 1 クリスチャン・プッジョーニ ND 昨季ジェノアのオファーを断ったサンプ愛に溢れる熱血漢。念願のサンプ帰還を果たした。出場は無かったが、ベンチのムードメーカーとして貢献。彼のような選手が存在する事が、イタリアサッカーの良い所であると思う。どこまでサンプが雇ってくれるかはわからないが、引退したらSUDでDERBY応援したりするんだろうなぁ(0試合/0ゴール)

  • 来シーズンのGK陣はヴィヴィアーノの契約延長をすんなりすれば問題無し。メルカートでは最薄課題のポジション。2ndキーパーが誰になるかぐらいか。また若手を持ってくるのか、ベテランが来るのか。プッジョーニをまた雇ってくれるなら、今年みたいな若手がバランスが取れて良いと思うが。ヴィヴィアーノで安定してる間に、サンプユース出身の若者が化ければ良いなー。現在はトッツォ、ファルコーネ、マッソーロ等か

 

ちなみにまだメルカートは始まっていないが、極小情報だけでも

 ・ナポリにレンタルで冬に出されたDFヴァスコ・レジーニがひっそり帰還。出場は0だった。そして帰ってくると同時に代理人が変わるらしい。代理人がらみの移籍だったんだろうな

 ・FWロドリゲスは買い取りオプション行使されずにチェゼーナに帰還。今年一番可哀そうな選手だったかもしれない

 ・レンタル組の中では、ドドとカルボネーロは更新される可能性が有る。私もこの2人は留めて欲しいが。

*EUROにも選出されなかったラノッキアは現在、日本に観光旅行中らしい。サンプにもインテルにもおそらくいらないと言われるだろう。J-Leagueに売り込みに来たのかもしれないが、今のままじゃ日本でも厳しいんじゃないの!?(笑)

↑↑RanocchiaオフィシャルFacebookより

 サンプウルトラ達は集会を開き、フェレーロ及びクラブに対するティフォージ達のスタンスを示したらしい。やはりフェレーロには口だけでは無く、明確なクラブの目標、そしてそれに伴う補強のはっきりした方針を示せと。とりあえずフェレーロのそれに対する回答と、モンテッラの100%の留任。それからいよいよ来シーズンの補強を見守っていきたい。どうやらコレアをトップ下で生かす4-3-1-2にしたいようだが・・・・サンプのメルカートで一番注目選手なソリアーノの去就を含めて、まだ全くどうなるかわからないが。ソリアーノにはインテルやシニサのトリノ、さらにブンデスの噂まで様々な噂が飛び交っている。どんなにフェレーロがでかい事を言おうが、収支バランスをある程度守る補強と言うのは変わらないだろうからなぁ。いずれにせよ、しっかりしたDFの補強は急務!!

Foooooooorza Saaaaaaaamp!!  

今日のカッサーノのアフォリズム(格言) 

numero72: 

Non promettermi cose che non potrai mantenere.

Se una cosa non puoi farla,dimmelo.E io capiro'.Forse...

格言72:

守れない約束を、俺に誓うんじゃない、

もし出来ない事が有るならば、それを俺に言え。多分、俺はそれを理解するだろう。多分・・・


2015-16 SERIE A 最終第38節 Juventus 5-0 SAMPDORIA もう言う事無し。早く忘れよう今シーズン

2016-05-24 18:43:21 | ほぼ週刊サンプ通信 '15-'16

SERIE A 第38節 5/14(土)  17:00@ユヴェントス・スタジアム(トリノ) 主審:ガヴィルッチ氏(Latina出身)

サンプドリア 05 逆賊ユーヴェ(前半0-2) 

  • (前半5分)  ユーヴェ[1] エブラ
  • (前半15分) ユーヴェ[2] ディバラ(PK)
  • (前半37分) ユーヴェ[3] ディバラ
  • (後半32分) ユーヴェ[4] キエッリーニ
  • (後半40分) ユーヴェ[5] ボヌッチ

  ユーヴェのスクデットを盛大に祝う。トリノで始まり、トリノで終わった実りの少ない2015-16シーズン 

[試合前情報]

DERBYと逆賊ユーヴェ、続けての惨敗で1週間寝込んでました。

嘘です。

でも更新する気があまり起きなかったのは事実です。ちょっとだけ振り返るとしますか、今さら

しかし今までで、こんなモチベーションが湧かない試合があったであろうか?普通はユーヴェ戦燃えるのに・・・ 

 さてサンプの残留、ユーヴェのスクデットも決まってての完璧な消化試合。戦前から試合後にユーヴェのスクデットを祝うお祭りをやると言う事で、完璧にお祭りムードのユヴェントス・スタジアム。一方サンプのティフォージは、前節のDERBY惨敗を受けてウルトラの殆どが応援をボイコット。多い時には4-5000人詰めかけるトリノでのユーヴェ戦だが、この日は100人もいってなかったんじゃないかな?トリノでのユーヴェ戦は、サンプ5勝:19分:ユーヴェ33勝。最後にサンプがトリノで勝ったのは2013年。逆賊イカルディがブッフォンのニアをぶち抜いたのを含めて2ゴール決めて2-1で勝った。前回の対戦は1-2で惜敗。あの頃は、DERBYに勝った直後でイケイケだったのになぁ→http://blog.goo.ne.jp/shussissi/e/142080e88dcf4990afee689c5085950d

 さてサンプはこの消化試合に、モンテッラが若手や出場機会が少ない選手をたくさん試す。怪我でフェルナンドとカッサーノがベンチからも外れ、ソリアーノやデ・シルヴェストリもベンチスタート。まずGKに、ここまで1年間健気にサブGKを務めたブリニョーリが起用される。ユーヴェユース出身のブリニョーリにとっては、記念すべきセリエA初出場が嬉しい凱旋試合。DFでも若手のシュクリニアールがスタメン。さらに右ウィングハーフには、出場機会が少なかったサーラが先発。クアリアレッラを支えるダブルトップ下には、コレアとリッキーのアルゼンチンコンビが起用された。パロンボ、ソリアーノ、”ロロ”、ヴィヴィアーノ、カッサーノ、キャプテン候補が全員不在の為、この日のキャプテンはクルスティチッチ。

 一方のユーヴェはそこそこのベストメンバー。まぁこの時点で勝てるわけは無い。GKだけブッフォンを休ませてネトを使ってきてくれたが、このネトも一昨年はフィオレンティーナでバリバリのレギュラーだった贅沢なセカンドGK。バルツァーリ-ボヌッチ-キエッリーニのイタリア代表3バック。100億円の男ポグバを中心としたMF。そして今やユーヴェのアイドルとなったディバラとマンジュキッチの2トップ。さらに毎試合12人目の最高の選手(=審判)がいるから、まぁ今のイタリア内に敵はいないだろう。もういいから、ヨーロッパで勝ってイタリアのランキングを上げてくれ。ユーヴェの控えメンバーをみていて思ったが、アサモアとかサンプに来れば活躍できるのに・・・かなり私好みだし、ユーヴェで干されてそうだし。あとルガーニをレンタルで。お願いしやっす!

↑↑★土曜の17時から行われたANTICIPO。写真はセリエAデビューを飾ったGKブリニョーリ↑↑ 

SAMPDORIA <3-4-2-1> 監督ヴィンチェンツォ・モンテッラ  

         クアリアレッラ(85分ポンセ)

    コレア   アルヴァレス

 (76分ソリアーノ)

ドド                   サーラ(55分ラノッキア)

   バッレート クルスティチッチ(Cap)

シュクリニアール(■15分) ディアキテ 

        シルヴェストレ 

         ブリニョーリ

ベンチ:GKプッジョーニ DFカッサーニ、ペレイラ、デ・シルヴェストリ 

MFパロンボ、カーロ FWロドリゲス、ムリエル 

Juventus (3-5-2): Neto; Bonucci, Barzagli, Chiellini; Lichtsteiner, Pereyra (21′ s.t. Sturaro), Hernanes, Pogba, Evra; Dybala (24′ s.t. Morata), Mandzukic (30′ s.t. Zaza).
A disposizione: Buffon, Rubinho, Cuadrado, Lemina, Padoin, Asamoah, Rugani, Sturaro.
Allenatore: Massimiliano Allegri.

備考:退場:前半15分シュクリニアール;警告:前半21分キエッリーニ,35分エルナネス,37分サーラ,後半27分ストゥラーロ;年間チケット保有者数25.657人(1試合平均982.547 euro), 有料入場者数13.499人(990.635 euro);芝状態良好

<あらすじ>

前半5分 エブラGoal 0-1
→左サイドからディバラのFK。ファーに上がったクロスを走りこんで来たエブラがヘッドで叩き込んであっさり先制を許す・・・

  14分 ディバラのスルーパスから、ぎりぎりオフサイドトラップをかいくぐったマンジュキッチがペナ内に侵入。必死に後ろから追いかけたシュクリニアールがスライでクリアするが、マンジュキッチも倒したと言う事でPKをとられてしかも一発退場。100歩譲ってファールだとしても、一発レッドは厳しくないかい?

前半15分 ディバラGoal(PK) 0-2
→そのPKを、ディバラが左足インサイドで左下に流し込み追加点・・・

はい、試合終了。

  20分 リッキーを倒したキエッリーニにイエロー

  32分 ピンチ!ディバラのループパスからリヒトシュタイナーがヘッド。しかしこれはポストに救われる

  34分 マンジュキッチが左サイドからペナ内に侵入してシュート。ブリニョーリがわずかに触りCKへ逃れる

  35分 コレアを倒したディバラにイエロー

前半37分 ディバラGoal 0-3
→中盤でパスを受けたディバラが反転して、ドリブルを開始してそのままミドルシュート。強烈な左足ミドルがニアサイドに突き刺さる。ダメ押し・・・

ロスタイム0分。そのまま終了

前半は0-3。開始早々に1本だけリッキーがシュートまで持ち込むシーンが有ったので、ひょっとしたら奇跡か?とちょこっとだけ思ったが、全く無意味でした。現地の解説も言っていたが、ユーヴェ相手に前半15分で0-2、しかも数的不利、さらに低モチベ、もうその時点で試合終了。早くポンセ出せ―

 後半8分 ポグバのスルーパスからキエッリーニが抜けだしてシュート。GKブリニョーリはこの1対1をなんとかセーブ
   10分 サーラに代わってラノッキア投入。ユーヴェの敵インテル出身のラノッキアにはユーヴェサポから大ブーイング

   17分 ペレイラに代わって元ジェノアのストゥラーロ投入

   20分 ディバラに代わってモラタ投入。ディバラには当然の大スタンディングオベーション

   28分 カウンター、コレアのドリブルを止めたストゥラーロにイエロー 

   30分 マンジュキッチに代わって元サンプのザザ投入

   30分 コレアに代わってソリアーノ投入

後半32分 キエッリーニGoal 0-4
→右からのCK。GKブリニョーリが飛び出してパンチングも、距離が出ず。ペナ内でこのボールを、キエッリーニがダイレクト左足ボレーで強烈に叩き込む。とどめ・・・

前半40分 ボヌッチGoal 0-5
→左からのCK。モラタがヘッドで競り勝ち落とし、突っ込んできたボヌッチが足で押し込む。とどめのとどめ・・・

   40分 クアリアレッラに代わってポンセ投入。ユーヴェサポからもクアリアレッラには拍手。そして今年のプリマヴェーラのエースストライカー「ポンセ」にとっては嬉しいセリエAデビュー!

ロスタイム0分。そのまま終了。0-5 

(ポイント)

・まぁもう試合内容は良いでしょ

・ホントに全く何も見どころが無かった試合(サンプ側にとって)

・私の好きなディアキテは頑張っていた

・収穫と言えば、ブリニョーリとポンセがセリエAデビューを飾れた事ぐらいか。ブリニョーリは来年いなそうだけど・・・

 とりあえず2015-16シーズンは終わった。悪夢・・・まではB落ちして無いのでいかないとは思うが、最後の方は何も目標も無く、DERBYも負け、酷いシーズンだったと言えよう。思えば、昨年の7月30日にこのトリノの地でEL予備予選に0-4の惨敗から始まった今シーズン。最後は同じトリノで0-5の惨敗。トリノで始まりトリノで終わった2015-16だった。今後ゆっくりシーズンは振り返るとしよう。まずはモンテッラの去就からだな。今のところ残ってもう1年やる可能性が高そうだけど・・・

 

 

Può passare il tempo(時間は過ぎていくだろう)
Ma siamo sempre noi(でも俺たちは変わらない)
Cambieranno tante cose(色々な物が変わっていく)
Anche i nomi dei nostri eroi(俺たちのヒーローの名前も)

 

Grida forte più di ieri perchè la Sampdoria sei Tu!!

 

昨日よりでかい声で叫ぼう、お前がサンプドリアだから!! 

 

Foooooooorza Saaaaaaaamp!!  

次節:セリエA開幕戦 2016年 8/20(土)or21(日) 対??? @??? 2016-17シーズンで会いましょう~

’15-’16 SERIE A 最終成績

 38試合 10勝10分18敗 勝点40 得点 48 失点 61 得失点差 -13 最終成績15 

今日のカッサーノのアフォリズム(格言) 

numero70:

A Bari Vecchia mentre giocavo spesso volavano le pallottole.

Posso avere paura dei fischi di uno stadio?

格言70:

バーリの旧市街では、プレーしてる間に良く弾丸が近くを飛び交っていた。

(そんな環境でプレーしていた俺が)スタジアムでのブーイングに恐れを抱くと思うかい?