ときどりの鳴く 喫茶店

時や地を巡っての感想を、ひねもす庄次郎は考えつぶやく。歴史や車が好きで、古跡を尋ね、うつつを抜かす。茶店の店主は庄次郎。

浅間神社 in 八王子神社 与野あたり

2014-05-20 05:46:37 | 史跡

浅間神社 in 八王子神社 与野あたり

大宮バイパスの与野公園斜向かいに「ドイト」があり、裏手に八王子神社があります。

 八王子神社・御由緒

 

裏手に、塚があり・・・登ると浅間神社があります。

もともと、信仰心など全くないのですが、江戸時代に庶民の信仰を、江戸や周辺で集めたという、
それも山岳信仰はなぜだろうと、前から不思議に思っておりました。
与野浅間神社は富士講の神社の様です。
富士講だとすると、この小山は余り高くはないが富士塚のようです。
高くなくても、江戸時代は高層建物など無く、ここいらからは、富士山が見通せたのではないかと思われます

中山道六十九次の浮世絵を見てみると、

3支蘇路ノ驛 浦和宿 浅間山遠望
4木曾街道 大宮宿 冨士遠景
7岐岨街道 鴻巣 吹上冨士遠望
11木曾海道六拾九次之内 新町(広重)富士山
20木曾街道 追分宿・浅間山眺望(英泉)
24木曾海道 六拾九次之内 八幡(広重)浅間山
30木曾街道 塩尻嶺(しおじりとうげ) 諏訪ノ湖水眺望(英泉)富士山

絵の背景に、実に富士か浅間が七カ所描かれています。
共通するのは火を噴く山で、浅間は日頃煙もたなびかせていたと思われます。
それだけでも、畏敬に値し、信仰の対象になりそうです。
火山は、荒ぶる時、噴火します。噴火すれば近隣は溶岩が流れて覆い尽くし、山林・田畑・焼き尽くします。
火山の灰は、遠方まで降り積もり、一尺二尺と積もれば、耕作地は不毛の原野と化します。
浅間神社は、火山の荒ぶる魂を鎮め宥める、鎮撫の役割のようです。
そして、浅間神社の本宮は富士山麓に鎮座しているようです。・・・富士山本宮浅間大社(富士宮市)
浅間神社の祭神は、”木花咲耶姫命(=コノハナサクヤヒメのミコト)”と言われる。
これは、火山の噴火の様子が、出産に類似している由縁とか、
(ちなみに出産に関係する女性部分を"ほと”と呼び、”火戸”とか"火門”の字が宛がわれる)、
姫の父親が、”大山祇命(オオヤマツニのミコト)で、父親も祭神として祀られることが多い。
木花咲耶姫命は火の鎮撫ということで、”水”を扱えるとして、”火伏せ”の神にもなり、
大火を経験した江戸の市民から絶大な人気を得て、富士講は大流行したらしい。
その教義は、複雑難解なものでは無く、至って単純で、毎日富士の霊峰を拝み、
孝行や勤勉に勤め、労働に励むことが、富士の荒ぶる魂の鎮撫に繋がり、
機会あれば修行登山して富士の霊峰に登るというものであったようだ。
今から思えば、火山活動と勤勉な庶民の生活スタイルとは、合理的には何ら関連性を持たないが、
信仰とは、えてしてそんなもののようである。
さて、ここは与野であるが、なぜに山岳信仰がここで根付いたのか分からない。
ここから余り遠くない所に御嶽信仰の御嶽神社もあるし、・・
更に富士塚のある浅間神社もある。あるいは付近に大火があり、悲惨な経験をした土地柄なのかも知れない。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする