9月6日と7日、岩手県盛岡市内で第21回全国市民オンブズマン岩手大会が開催され、公共事業問題、政務活動費問題、秘密保護法問題、地方自治法改正問題など、多くの問題について活動報告等行われました。
今日は以下に公共事業の問題について、紹介します。
まず最初は、新規の公共事業を生み出す、その根拠として利用される需要予測の問題。
全国市民オンブズマン連絡会議は過去10年間に開業した地方自治体や三セクによる鉄道21路線について、予測と実績を調査したところ、約半数が予測の6割未満だったことが分かったというもの。
そして、ここで登場したのが、静岡空港の需要予測大はずれで有名な、国交省事務次官ほか多くの天下りの受け皿となっている財団法人運輸政策研究機構である。
福岡市の地下鉄3号線(七隈線:橋本~天神南)の需要予測精度が、静岡空港の需要予測の精度33%をも下回るわずか29%の精度しかなかったとのこと。また、横浜市から受注した4号線(日吉~中山)についても44%の精度であったという。
さらに、昨年11月7日に地元福岡市で毎日新聞が報じたところでは、福岡市が人工島への鉄道建設を目的にこの運輸政策研究機構に委託した需要予測において、わずか1年前の予測の1.7倍に膨れ上がっていたこと、その理由が、需要予測の前提となる住宅地や企業用地が売れて従業員数が前回予測のばいになるなどと甘い前提で計算していたことが公になっている。
結局、行政に都合の良い予測を出してくれ、その予測がどれだけ外れても全く責任を負わなくても済む、ということで、こういった需要予測請負機関の存続・繁栄が社会的に放任されているのである。
ちなみに、人口減少の中、需要が伸びるというリニア新幹線の需要予測もこの運輸政策研究機構である。
さて、こういった問題がなぜ今振り返られるかというと、震災復興からアベノミクスに連なる近年の公共事業の再興である。
総事業費だけでなく設計額に対する落札率も上昇(すなわちコスト高)し、使い方も、これを機に使わなければ損とばかり、いつか来た道で、粗雑・放漫になるからである。
実際、最近減っているのが一般競争入札で、逆に増えているのが単純な単独随意契約に変わる「総合評価方式」や「プロメ[ザル方式」などの新しい契約方式だ。
これにより、価格に関わらず意図する業者に落札させることができ、価格の高騰を招くのである。
もちろん、一口で公共事業といっても、生活に直結するようなものや喫緊の被害防除的な、借金してでも今行う必要のある公共事業というものも確かにある。
しかし、今行われているのは、国が大盤振る舞いするその金を個々の地方がどうやって掠め取ろうかという大狂騒・大競争としか思えない公共事業があまりに多い。
現行の財政の仕組みの中では、はるか先を見た公金の使い方を国が主導せずしてたかり体質の地方に自制ができるはずがない。復興財源の流用に見られた過ちは繰り返してはならないのである。
それには、国民の監視こそ最も重要であり、その前提となる情報公開が健全でなければならない。
今日は以下に公共事業の問題について、紹介します。
まず最初は、新規の公共事業を生み出す、その根拠として利用される需要予測の問題。
全国市民オンブズマン連絡会議は過去10年間に開業した地方自治体や三セクによる鉄道21路線について、予測と実績を調査したところ、約半数が予測の6割未満だったことが分かったというもの。
そして、ここで登場したのが、静岡空港の需要予測大はずれで有名な、国交省事務次官ほか多くの天下りの受け皿となっている財団法人運輸政策研究機構である。
福岡市の地下鉄3号線(七隈線:橋本~天神南)の需要予測精度が、静岡空港の需要予測の精度33%をも下回るわずか29%の精度しかなかったとのこと。また、横浜市から受注した4号線(日吉~中山)についても44%の精度であったという。
さらに、昨年11月7日に地元福岡市で毎日新聞が報じたところでは、福岡市が人工島への鉄道建設を目的にこの運輸政策研究機構に委託した需要予測において、わずか1年前の予測の1.7倍に膨れ上がっていたこと、その理由が、需要予測の前提となる住宅地や企業用地が売れて従業員数が前回予測のばいになるなどと甘い前提で計算していたことが公になっている。
結局、行政に都合の良い予測を出してくれ、その予測がどれだけ外れても全く責任を負わなくても済む、ということで、こういった需要予測請負機関の存続・繁栄が社会的に放任されているのである。
ちなみに、人口減少の中、需要が伸びるというリニア新幹線の需要予測もこの運輸政策研究機構である。
さて、こういった問題がなぜ今振り返られるかというと、震災復興からアベノミクスに連なる近年の公共事業の再興である。
総事業費だけでなく設計額に対する落札率も上昇(すなわちコスト高)し、使い方も、これを機に使わなければ損とばかり、いつか来た道で、粗雑・放漫になるからである。
実際、最近減っているのが一般競争入札で、逆に増えているのが単純な単独随意契約に変わる「総合評価方式」や「プロメ[ザル方式」などの新しい契約方式だ。
これにより、価格に関わらず意図する業者に落札させることができ、価格の高騰を招くのである。
もちろん、一口で公共事業といっても、生活に直結するようなものや喫緊の被害防除的な、借金してでも今行う必要のある公共事業というものも確かにある。
しかし、今行われているのは、国が大盤振る舞いするその金を個々の地方がどうやって掠め取ろうかという大狂騒・大競争としか思えない公共事業があまりに多い。
現行の財政の仕組みの中では、はるか先を見た公金の使い方を国が主導せずしてたかり体質の地方に自制ができるはずがない。復興財源の流用に見られた過ちは繰り返してはならないのである。
それには、国民の監視こそ最も重要であり、その前提となる情報公開が健全でなければならない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます