6月辞任と言っていた川勝知事が早ければ今週中にも辞職願を出すかもしれないと報じられた。そうなると、次の知事戦は5月中にも行われる可能性が出てきたことになる。
現在出馬を表明しているのは1名であるが、報道では複数の候補者が上がっているので現時点での個々人(敬称略)に対する(あくまで現時の)個人的認識を建設の是非だけでなく県と市の維持費などの費用負担も問題となる浜松ドーム球場問題にからめて紹介したい。
まず、大村慎一であるが、総務省官僚出向で川勝県政初期に副知事として県政に関わり政財界の受けが川勝を凌ぐものであったことから脅威と映った川勝によってわずか2年で事実上更迭された人物である。川勝後継というよりも川勝対立候補を支援してきたその前の知事である石川後継(復権)と言った方が適切であろう。総務官僚らしく良くも悪くも無難に県政運営はするため経済界からの要望にはノーと言えず西部経済界の顔を立て浜松ドーム球場は推進されてしまうだろう。
次に鈴木康友であるが、前市長をスズキ(鈴木修)の支援を受け退け政令市の浜松市長を4期努めただけあって知名度は高いが、県西部以外の地域から見たら浜松優先の県政となるという懸念の払拭は容易ではなく、現に浜松ドーム球場を支持していただけあって推進は間違いないだろう。また、その維持費にあっても県による全額負担としたいだろう。さらに、大樹総研とのつながりは個人的に抱く県政への大きな懸念材料だ。
渡辺周、榛葉賀津也は国政では野党の国会議員であるが、県政においては知事与党「ふじのくに県民クラブ」系の国会議員である。「ふじのくに県民クラブ」は県職員労組やスズキ労組などで構成される連合静岡を支持母体としており川勝県政を支えてきたという実績がある。実際先日発表された静岡県職員の給与水準(ラスパイレス指数)は全国トップとなっている。個別には、榛葉は先日無免許運転で辞職した中山県議の選挙支援でいわゆる製造物責任が問われ、渡辺は野党ということもあって近年目立った実績がなく小選挙区で敗れた比例復活組である。結局、浜松ドーム球場については支持母体の連合静岡やふじのくに県民クラブが推進の立場であることから、この意向に逆らうことはできないだろう。
最後に細野であるが元々は労組組織の連合静岡の支援を受けた民主党の国会議員であったが現在は自民党に所属しているものの、その経歴から与党議員にもかかわらず目立った活躍の場は与えられていない。かつて、静岡空港建設問題に際し、自身の支持母体である連合静岡が空港推進であったのに対し自身は反対であったことから板挟み状態であったものの、空港推進の石川知事対抗馬としての知事選出馬を狙ったが、結局は圧力に負け断念させられた経緯がある。現状はそこまでのしがらみがないことから県東中部からの支援を受け出馬すれば浜松ドーム球場にストップをかけられる可能性がある一人と思われる。
一方、各候補のリニアへの支持不支持はどうかと言われそうであるが、水だけでなく残土や環境など川勝時代に広げた問題が山積しており「イケイケドンドン」か「ちょっと待った」といった単純な対応は現状どの候補にあってもできない状況であり、今後どうやって問題解決が図れるかというプロセスしか争点にできないし、そうであるべきと考える。
(最終更新4月10日AM6:50)
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