思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

NHKの「ヒトラーのこどもたち」を見て、純潔主義=「天皇の赤子」というわが国の思想と制度を思った。

2019-08-16 | 社会思想

 いま、NHKで、「ヒトラーのこどもたち」と題するショッキングな番組を放映していました。

純粋なアーリア人のこどもをつくる施設を欧州に10数ヵ所つくり、そこで世界支配の「エリート」を育てる計画が実行されていた事実をフランス人ジャーナリストが明かしたのです。

 

  ヒトラーのドイツは、純粋なアーリア人!?という意味不明の計画を真剣に追求していたのですが、それを見て、わたしは、日本の純潔主義=天皇を出す皇室は神の系譜という主張を思いました。

 昭和天皇は、自分は人間であると戦後に「人間宣言」をしましたが(アメリカの提案を受けて)、それでも、皇室の祖先は神との認識を持ち続けたと言われています。

 

 70年余り前まで日本という国は、天皇を現人神(生きている神)として崇め、教育を通して、皇族は古事記の神話から続く特別の存在なので敬わなければならないと教え、それに疑問を持つ者を逮捕・投獄・拷問にかけていたのでした。非国民として排除しました。世界支配の八紘一宇という思想も共通してます。

 

 なんとも言葉にならぬほどの話ですが、明治以降、国民は臣民とされ、日本臣民は「天皇の赤子」であると言われてきました。戦後の新憲法14条で、「門地(生まれや家がら)により差別されない」と明瞭に記されていても、いまなお皇族は、超がいくつもつく特別待遇で、そのかわりに個人の発言や行動の自由は大幅に制限され、人権が奪われています。退位した後も「上皇」と呼ばれ(今はいつの時代なのか!)、死ぬまで個人にはなれません。

 

 これほど異様な制度とそれを支える思想を21世紀の今日でも維持している国、「一世一元」という明治政府が拵えた制度で全国民の時間・時代を決めている国は、190か国以上ある世界の中でただ一カ国です。 
 ついでに言えば、まったく縁もゆかりもない江戸城に住み続けさせている(最初は伊藤や山県らが京都御所から満15才の睦人を連れてきたのだが、戦後の新憲法下でもまだ江戸城に住まわせている)は、酷い話で、他者の家を奪っている(奪わせている)一家を高貴なものとし、その長を国民統合の象徴とするとは、これでは、「不道徳の勧め」のような話にしかなりません。京都御所に戻してあげないといけませんよね。


武田康弘

 

 

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