好き嫌いを抜きに冷静に見れば、
すでに、会計士・税理士や実践的な法律の専門家である元検事の郷原信郎さんや三井環さんらの証言により、法律違反のないことは明白であるにも関わらず、最大の実力者である政治家は、政治的生命を断たれることになりそうです。
誰かを、何かを、スケープゴードにして、一番大きな問題から目をそらす。そらさせる。
それに乗って、乗せられて、得をするのは誰?
わたしは、わたしの好みでない古いタイプの政治家であっても、罪なき人を「罪人」とすることはできません。それほど恐ろしい「犯罪」はないと思うからです。それほど酷い「反倫理」はないと思うからです。
多くの仕事、その人でなければできない仕事をしてきた人を、「犯罪人」として遇する。あまりにも残酷、あまりにも破廉恥、あまりにも非道徳です。それでは、善美を求める人間として生きることはできない、とわたしは思います。
わが日本人は、ここまで堕ちたのか、言葉を失う出来事です。感情論理の絶対化はヒステリーですが、「集団ヒステリー」ほど恐ろしいものはないでしょう。
武田康弘
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コメント
魔女狩りの理屈と感情は、恐い。 (Cmoon)
2010-10-06 18:40:35
検察特捜が狙ったのは、小沢さん(陸山会=政治団体は法人化できないので個人所有になる)が買った秘書宿泊施設土地代金4億円に対する”不法政治献金の立件”で、その外堀を埋めるために、政治資金規正法虚偽記載という”微罪”を持ち出して、陸山会の当時の会計担当秘書3名を逮捕しました。
しかし、あの無理筋徹底捜査の東京地検特捜部が、1年以上の時間と10億円以上の捜査費用をかけた強制捜査にも関わらず、4億円の不正献金の証拠はなく、地検特捜部の”幻想”に過ぎませんでした。検察特捜の”幻想”は、村木さんの公判でも明らかになったように検察特捜の悪しき体質です。いったん勝手に描いた疑惑は、どんなカードを使っても犯罪に仕立て上げるという体質です。しかし4億円は小沢さんの自己資金で、一時的に立替えが必要なため、銀行からの融資を受けたという事実が明らかにされました。
記者クラブ主催の昼食会の講演会の講演者として大林検事総長は、事実上の敗北宣言と言える発言を記者の代表質問(東京新聞記者)に答える形で「起訴を成立させる証拠は、捜査したにもかかわらず見つからなかった」と言いました。残念なことに、読者が見落してしまうほど記者クラブ各メディアの扱いはとても小さく、何のための代表質問だったか不思議です。
検察特捜の幻想ともシナリオとも言えるような不正献金疑惑についてはかなり早い段階で検察特捜は挫折し、面子のために不正献金疑惑の外堀を埋めるための政治資金規正法虚偽記載という、いわば別件逮捕で争うしか検察特捜の方向性はなくなりました。しかし政治資金規正法虚偽記載で明らかになったは、「登記の期ずれ」で犯罪と言える代物ではなく、もしこの程度のことで政治家や秘書が、起訴されるとすれば、前総務大臣(総務省は政治資金規正法の管轄官庁)の原口議員ではありませんが、年間何十人もの政治家や秘書が逮捕、起訴される事態になります。
たいていは「修正」で済む”誤認記載”の部類に属するものです。
こうした、事実にもかかわらず特定の政治家とその秘書が、検察の”権威”と、メディアの論調に洗脳された国民にやりだまに上げられ、政治生命を喪失するかもしれない事態に発展したことは、国民の無知ぶりの一部を露呈してしまいました。
これまでメディアと政治家と国民の多くが、小沢さんに求めていたものは、「説明責任」という『犯人じゃないなら自分でそれを証明しろ』という中世の魔女狩りの理屈です。そして今回の検審の議決は、『証拠はないかもしれないけれど、小沢は犯人かもしれないから、裁判所で決めろ』というもので、民主主義国家の中で生まれ得ない発想です。
これが「市民感覚」「市民の正義」なら世も末です。市民の無知による硬直した感情が、特定の政治家の政治生命を貶めようとしているわけで、今回の議決は「市民の不正義」と言えるでしょう。
「市民感覚」を構成させる大きな要素は、マスメディアが握っています。日本のメディアは、海外のメディアに比べ、検察との関係バランスにとても神経質で、近過ぎる関係にあり、検察もこうしたメディアの姿勢を実に上手く利用して、検察特捜の”幻想”を広く深く国民を洗脳しています。このことに早く気付かないと日本の事態は、さらに悪化の道を辿り、一億総白痴化どころか、国民が権力の手先になってしまった戦前の状態に戻ってしまう怖れさえあり、これを助長しているのが世論調査で、政治家が世論調査結果をあまりにも神聖視しているため、いったん走り出してしまえば、後に戻れない状況が生まれるでしょう。
小沢さんをめぐり具象化したものは、こうした危険性を示唆していると思います。
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正鵠を射る指摘に感謝です。 (タケセン)
2010-10-06 18:48:14
Cmoonさん
正鵠を射る分析に感謝です。まったくその通りと思います。
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一回目と二回目が違う!! (内田卓志)
2010-10-11 16:18:11
武田先生
先日の郷原さんの説明を聴いて驚嘆しました。
何と一回目の起訴相当事実と第二回目の起訴相当事実が
違うのです。どうも検察審議会の弁護士の錯誤のようです。
(2回目は4億円期日ずれに加えて4億円の不正献金のそのもの
も問題としているようです)
これでは世の中でたらめのことで犯罪人にされます。
やはり、教育の根本から立て直さないとダメです。
すでに、会計士・税理士や実践的な法律の専門家である元検事の郷原信郎さんや三井環さんらの証言により、法律違反のないことは明白であるにも関わらず、最大の実力者である政治家は、政治的生命を断たれることになりそうです。
誰かを、何かを、スケープゴードにして、一番大きな問題から目をそらす。そらさせる。
それに乗って、乗せられて、得をするのは誰?
わたしは、わたしの好みでない古いタイプの政治家であっても、罪なき人を「罪人」とすることはできません。それほど恐ろしい「犯罪」はないと思うからです。それほど酷い「反倫理」はないと思うからです。
多くの仕事、その人でなければできない仕事をしてきた人を、「犯罪人」として遇する。あまりにも残酷、あまりにも破廉恥、あまりにも非道徳です。それでは、善美を求める人間として生きることはできない、とわたしは思います。
わが日本人は、ここまで堕ちたのか、言葉を失う出来事です。感情論理の絶対化はヒステリーですが、「集団ヒステリー」ほど恐ろしいものはないでしょう。
武田康弘
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コメント
魔女狩りの理屈と感情は、恐い。 (Cmoon)
2010-10-06 18:40:35
検察特捜が狙ったのは、小沢さん(陸山会=政治団体は法人化できないので個人所有になる)が買った秘書宿泊施設土地代金4億円に対する”不法政治献金の立件”で、その外堀を埋めるために、政治資金規正法虚偽記載という”微罪”を持ち出して、陸山会の当時の会計担当秘書3名を逮捕しました。
しかし、あの無理筋徹底捜査の東京地検特捜部が、1年以上の時間と10億円以上の捜査費用をかけた強制捜査にも関わらず、4億円の不正献金の証拠はなく、地検特捜部の”幻想”に過ぎませんでした。検察特捜の”幻想”は、村木さんの公判でも明らかになったように検察特捜の悪しき体質です。いったん勝手に描いた疑惑は、どんなカードを使っても犯罪に仕立て上げるという体質です。しかし4億円は小沢さんの自己資金で、一時的に立替えが必要なため、銀行からの融資を受けたという事実が明らかにされました。
記者クラブ主催の昼食会の講演会の講演者として大林検事総長は、事実上の敗北宣言と言える発言を記者の代表質問(東京新聞記者)に答える形で「起訴を成立させる証拠は、捜査したにもかかわらず見つからなかった」と言いました。残念なことに、読者が見落してしまうほど記者クラブ各メディアの扱いはとても小さく、何のための代表質問だったか不思議です。
検察特捜の幻想ともシナリオとも言えるような不正献金疑惑についてはかなり早い段階で検察特捜は挫折し、面子のために不正献金疑惑の外堀を埋めるための政治資金規正法虚偽記載という、いわば別件逮捕で争うしか検察特捜の方向性はなくなりました。しかし政治資金規正法虚偽記載で明らかになったは、「登記の期ずれ」で犯罪と言える代物ではなく、もしこの程度のことで政治家や秘書が、起訴されるとすれば、前総務大臣(総務省は政治資金規正法の管轄官庁)の原口議員ではありませんが、年間何十人もの政治家や秘書が逮捕、起訴される事態になります。
たいていは「修正」で済む”誤認記載”の部類に属するものです。
こうした、事実にもかかわらず特定の政治家とその秘書が、検察の”権威”と、メディアの論調に洗脳された国民にやりだまに上げられ、政治生命を喪失するかもしれない事態に発展したことは、国民の無知ぶりの一部を露呈してしまいました。
これまでメディアと政治家と国民の多くが、小沢さんに求めていたものは、「説明責任」という『犯人じゃないなら自分でそれを証明しろ』という中世の魔女狩りの理屈です。そして今回の検審の議決は、『証拠はないかもしれないけれど、小沢は犯人かもしれないから、裁判所で決めろ』というもので、民主主義国家の中で生まれ得ない発想です。
これが「市民感覚」「市民の正義」なら世も末です。市民の無知による硬直した感情が、特定の政治家の政治生命を貶めようとしているわけで、今回の議決は「市民の不正義」と言えるでしょう。
「市民感覚」を構成させる大きな要素は、マスメディアが握っています。日本のメディアは、海外のメディアに比べ、検察との関係バランスにとても神経質で、近過ぎる関係にあり、検察もこうしたメディアの姿勢を実に上手く利用して、検察特捜の”幻想”を広く深く国民を洗脳しています。このことに早く気付かないと日本の事態は、さらに悪化の道を辿り、一億総白痴化どころか、国民が権力の手先になってしまった戦前の状態に戻ってしまう怖れさえあり、これを助長しているのが世論調査で、政治家が世論調査結果をあまりにも神聖視しているため、いったん走り出してしまえば、後に戻れない状況が生まれるでしょう。
小沢さんをめぐり具象化したものは、こうした危険性を示唆していると思います。
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正鵠を射る指摘に感謝です。 (タケセン)
2010-10-06 18:48:14
Cmoonさん
正鵠を射る分析に感謝です。まったくその通りと思います。
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一回目と二回目が違う!! (内田卓志)
2010-10-11 16:18:11
武田先生
先日の郷原さんの説明を聴いて驚嘆しました。
何と一回目の起訴相当事実と第二回目の起訴相当事実が
違うのです。どうも検察審議会の弁護士の錯誤のようです。
(2回目は4億円期日ずれに加えて4億円の不正献金のそのもの
も問題としているようです)
これでは世の中でたらめのことで犯罪人にされます。
やはり、教育の根本から立て直さないとダメです。