思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

シャルル・ミンシュの芸術 ベルリオーズ

2007-01-24 | 趣味

磐石の巨人クレンペラーとは大きく異なりますが、シャルル・ミンシュも私の大好きな指揮者です。

私は、高校生のころよりベルリオーズが好きなこともあり、燃える情熱で全体をつかみ、その中に豊潤な色彩と繊細な世界を生むミンシュの音楽を、なんとも悦ばしいものと感じてきました。

そのミンシュがボストン交響楽団の常任指揮者だった最盛期のCDがまとめて40タイトル発売されました。 (BMG JAPAN)クリック(試聴もできます)
 
一枚1050円、二枚組2100円と廉価なのは、うれしい限り。ベルリオーズの4枚を購入して聴きましたが、音質もLPレコード時代のプアーなものではなく、1954年の最初期のステレオ録音から大変優れたものです。CD化の技術進歩を実感します。

創造的想像力そのもののようなベルリオーズの音楽の再現は極めて難しいのです。燃え上がるような白熱のドラマ、ロマン的激情とエスプリと古典的品位を併せ持つ空前の音楽の真価を知る音楽家や聴衆は多くはありません。ベルリオーズを振らせてミンシュの右に出る者はいません。違った角度からそのエレガントな美しさを現したアンドレ・クリュイタンスを除いては。

ます、一枚という方には、イタリアのハロルド+序曲集がお勧め(BVCC38432)。その生気溢れる演奏・温度の高さは、現在のオーケストラからは聴くことができません。眩いばかりの輝き、美しい激情の世界をご堪能ください。

1954年、1962年録音の二つの幻想交響曲も、晩年のパリ管弦楽団との名盤(67年録音)とはまた異なるよさを持ちます。刺激的な激演!ミンシュの白熱の演奏で40タイトル全部を聴きたくなりました。困った(笑)

(※ミンシュは、1891年フランスのストラスプール(当時はドイツ領)で生まれ、1968年パリ管弦楽団とアメリカ演奏旅行中に心臓発作で急逝77歳)

武田康弘






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