Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

店主誤組みする

2018-10-20 23:49:00 | CB400F/350F
大分前の記事でヘッドが酷いことになっていたCB350F



「なんでこんなことになるのだろう?」
と不思議がっていた

で、持ち込まれた部品取り車からヘッドを外して洗浄して交換し車検作業も終わらせて9/18に納車

9/20にお客様より
「すいませんが、帰りに気になる音があり見ていただきたい
と思います。
カムチェーンかな?と思いますが。
2日後の土曜日に行かさせていただきます。
宜しくお願い致します。」
とメールを頂いた。

ところがお互いの都合が合わず
お越しになったのが渡してから200km程度走行後の10/5だったかな
明らかな異音
聞けば帰りに出ていた音はもっと小さかったがどんどん大きくなったと

カムチェーン調整云々の話ではない音なので再度お預かり

早速開けてみると


まったく同じことになっている

良く診てみるとカムチェーンガイドの下側がクランクケースの溝に入っていない
簡単な絵を描いてみた

左が正規の状態
カムチェーンガイドの上側はヘッドの溝に納まり、下側はクランクケースの下側の溝に入る
エンジンが動いているとカムチェーンにより下方向へ力が掛かるがクランクケースの溝に入っているのでガイド自体は動かない

ところが右図のように下側がずっこけていると押さえるものがないので
ガイドが下方向に引っ張られ
上側のゴムが破断して薄い鉄芯だけになりヘッドのアルミを削りながらガイド自体が下方向に落ちていく(ヘッドを削りながら)

これは完全に店主の誤組み


これまで数多くのCB400F,350Fのエンジンを分解組み立てしてきたが初めてのこと
こんな自分の恥になることは本来公開しないものだろうが
私としては自分に対しての戒めもあるが
私がやらかすくらいだから他の人も可能性があるということ
警告として公開するべきだと思ったからです。

カムチェーンガイドをセットしたときに下側がクランクケース側の受けに収まっているか必ず確認すること


これも悪いことを考えれば
ガイドをひっくり返して下側が確実に入ったのを確認して組み上げて
何食わぬ顔で「カムチェーン調整しておきました~」って渡せばお客様にはわからない
(次回エンジンを開けたときにバレますけど)

そんなことは出来るわけがないので
当店のストックのシリンダーヘッドを用意
中古品だがかなり程度が良い
これも全バラしてカーボン除去、洗浄、バルブ摺り合わせなど行う


もちろんガスケット類、シールワッシャー類も交換

ヘッドを組んで確認しながらガイドをセット

ヘッド周りを組んでおしまいではなく

金属粉が落ちていますから
オイルパン、フィルターケースを外して再度洗浄
(オイルフィルター、エンジンオイルも交換)

オイルポンプも外してトロコイドも洗浄



お客様には大変にご不便をおかけしてしまいました。






ふくちゃんがんばって

2018-10-20 22:30:00 | SHIO HOUSE 猫部/犬部
10/6の記事「ふくちゃん復活」で食事を爆食いと書いた。
1週間経ち10/8に再度病院へ診察に行ってドクターに「食べました~」と報告したが
その日から食べなくなってしまった

10/7さらに片目が開かなくなり病院へ
担当のドクターは休みで別のドクターに診てもらい
食べない件を話すと皮下補液をしてくれたが、それからも食べないのは続いた。

10/12に病院へ行って
「水を飲む際に口をくちゃくちゃする」と言うと
「気持ち悪いのでは?」と吐き気止めを処方、再度皮下補液をしてもらう
このときも更に別のドクターで初めて診てもらう女医さん
ふくちゃんのお腹を触診してて
「手術の跡があるね、避妊手術してるでしょ?」と
これまでどのドクターも判らなかったのに....
同じ病院なので担当医に引き継ぎますねと
翌々日に1週間後の検診で担当医に診てもらうため、その間に家で行うように翌日分の補液セットを出してもらう

10/14、この日はツーリングに誘われていたが延期のため2人で病院へ
ドクターが言うには「食べなければしょうがないので療法食は後回しにして食べたいものを食べさせてください、しかし強制給餌はお勧めしない」という
すでにいままで食べていたフードやちゅーるなども試しているが食べてくれない

嫁とどうしようかと話しになって
掛かり付けのドクターの言うように1週間様子を見るか
セカンドオピニオンで行った猫専門病院、その後で行った世田谷の病院へ連れて行くか
はたまたそれ以外の初めての病院へ行くか
ただ、嫁は医者との相性の良し悪しがはっきりしているので難しいところ
掛かりつけ以外に連れて行くことに難色を示した。
嫁としてはわんこも定期健診しているので掛かり付け病院の担当医との関係を悪化させたくないというのもあるだろう
自分としてはこのまま放っておいて食べなければどんどん衰弱するだろうしそれで死んでしまうことは避けたい、とりあえず他の医者に診せたいと考えたがその場は「あなたに任せます」と飲み込んでしまった。

その後自分なりにずっと考えていて
嫁に黙って連れて行こうと決めた

10/16日 早起きして身支度し
世田谷の病院の診察券を探すがどこにも無い
まいった!

仕方なく寝ている嫁に診察券どこ?と聞くと
私も行くと言う
身支度していて
どうせ行くなら千葉の病院に連れて行こうと
そこはうちのわんこたちを譲り受けたところ
以前はジャックの繁殖もしていた。
(やめた今でも15頭居るらしいが)
そこのドクターは信頼できるという
ささっと支度して出発

首都高~東関道~京葉道路~貝塚ICで降りてすぐのところに病院はある


これまでの検査結果を見せて
いきさつをすべて話して
ドクターが首をかしげている
最初の血液検査から1ヶ月以上時間が経っているので再度検査しましょうと
結果を見てびっくり腎臓の値が大幅に超えていて
急性腎不全状態
「食べないのあたりまえだよ」と
急遽ビタミン剤の点滴
「3日連続でやりたいけど、遠いから事情を話して地元の病院へ引き継ぐ?」と聞かれたが
「毎日来ますからお願いします。」と
距離や道路代など関係ない、信用できるところで処置してもらいたい

帰り道、掛かり付けに連れて行けばよかったじゃないかと言われたが
自分も普段よく言ってることだが
人によってアプローチは違うもの
自分で幾らやっても直らないものが、他人やショップで見てもらって直ることもある
私らプロでも決して無い訳ではないこれまでの経験から考え方が偏りがちになることもあり
初めての臨床の場合手間取ることもありえる

10/17 2日目千葉市の病院で点滴

帰ってきても相変わらず何も食べてくれない
ふくちゃんはもうガリガリ


立たせてあげれば自立して水は飲める
しかし、トイレは介助が必要
寝床でお漏らしも..

10/18 3日目千葉市の病院で点滴

ドクターにまったく変わらないことを告げる
点滴を続けるとのことで
もし可能なら自宅で出来ますがと提言
というのもごんちゃん、おひめちゃんともども自宅で点滴の皮下注射をしていてすでに慣れている
ドクターも「そのほうが良いでしょう」と
(往復する時間、道路代やふくちゃんのストレスを考えてだろう)
さらに「強制給餌はどうでしょう?」と聞くと
「ぜひやってください」という

なんだぁ、やってよければもっと早くやったのに~

帰ってきて嫁が「エネルギーちゅーる」なるものがあるという
カロリーが倍でタウリン入りだそうだ
しかし一般市販してなく動物病院用とのこと

試しにアマゾンで検索.....「無い」
ダメもとでヤフオク........「あるじゃん!」

早速落札

10/20 朝トイレでおしっこをさせて、水を飲ませようとしたらもう自立できないほど衰弱している
強制給餌は何回かに分けて与えるが嫌がると終わりなので量があまりにも少ない
エネルギーちゅーるはまだ届かないし...

ヨンフォアミーティングまでもう1週間になる
宿も予約してある
ふくちゃんの状況次第ではドタキャンもありえる
14時になって出勤してきた嫁と会議

しばらくして嫁が行動に移した
調べたら今日なら掛かり付けの病院で担当医も居る
即、電話して
「誰でも良いからすぐに診てくれ」と伝え
「まずは血液検査してくれ」と言ってくるよと
家に帰りふくちゃんと病院へ
店主は接客中で嫁にすべてを任せた

掛かり付けの病院は週末になると大混雑
それでも担当医が診てくれて
血液検査の結果はやはり腎臓の値がぶっちぎり
「膵炎に気をとられて気が回りませんでした」と
「おいおい!!」
「早く血液検査すればよかったですね」ですって
聞けば腎臓の数値は一日でぐいっと上がることもあるという

なぜか担当医はいつも検査をしたがらない
店主がケチだと思われている???
おひめちゃんのときに膀胱の腫瘍で手術を提案されたが
「高齢だから自然に任せる」と云ったのを覚えているのか?

なんかここのところうまく噛み合っていなかったのは事実

嫁はずばり聞いたらしい
「もう諦めたほうが良いのか?大丈夫なのか?ダメなら病院ではなく家で最後を迎えさせたい」
ドクター曰く
「目力があるので大丈夫でしょう」と

結果、1週間~10日の入院となった。
3日おきに血液検査も実施するという
自分たちでは強制給餌もうまく出来ないから
後は任せるしかないでしょう
セカンド、サード、フォースオピニオンまで行って
最後に掛かり付けに戻ったのは
24時間対応の病院で必ず人が居るということ
嫁としてはこれが一番の決定打のようだ

もちろんそれだけのことをすれば費用もそれなりにかかるがお金の問題じゃない
お金はバリバリ働けばよいが
ふくちゃんは代わりがいません
だって家族ですから


これからペットを迎えようとお考えの読者さん
こういうこともあるということを念頭において迎え入れてください

コメント (1)

今週の車検車両(完結偏)

2018-10-20 20:19:00 | CB400F/350F
今日は夕方から雷雨でお客様が来ないのでちょいと溜まったネタを片付けよう



車検車両続き


フロントフォークを分解、オイルの汚れは無い

ロックピースにもヘドロは無く

内部もきれい

オイルシールも現行の新しいもの

ということは最近O/Hしているだろう、しかしインナーチューブの曲がりの確認もせずに組んでしまった???
ありえないなぁ

参考までにO/H後4000kmのフォーク

それでもこれだけ汚れます

フォークが組みあがり
ステムベアリングを交換し組み立て
ホイールを組むのにアクスルナットを見ると泥が詰まっている!?


フロント周りがあらかた組みあがり
リアへ

スイングアームは新しいグリスが充填されていたがグリスニップルから入れたものだろう
全バラにしてブッシュ、サイドキャップ、カラーを交換
ガタガタだったスイングアームもこれでシャキッとした。
センターカラーはこれまでのものよりも耐摩耗性を考えて、材質は今までどおり炭素鋼だが表面処理をタフトライドから高周波焼き入れに変更し硬化層がより厚くなっている。
使用部位によって材質、表面処理は吟味するべき

次はホイール
クロームメッキ仕様のハブ
保管状況からメッキ層の下からの腐食で酷いことになるのは予想される
内部はよ~~く見たらCB350F用のハブでした。

スプロケットのがたつきは0.5mmUPのワッシャーで対応

ブレーキパネルは軸径の太い1977北米向け


車体自体は1974北米向けのようなのでけっこうなちゃんぽん車両

ブレーキシューにはマーキングが残っており、新車時からのもの?(ブレーキパネルが)



やっとエンジンに着手
外した腰上の脱脂、カーボン除去、洗浄、ガスケット剥がしで丸一日消化する

さぁこれからバルブ摺り合わせ~組み立て

O/Hではないのでシートカット、フェイスカットは割愛
ただ、あまりにシート当たり幅が広い場合は最低限のシートカットは行う

ヘッドが組みあがり
クランクケース側のガスケット面修正
(ガスケットはがし~オイルストン掛け)

カムチェーンが大分遊んだようですね
内壁が削れています。

当店での作業に限り純正ガスケットを使用する

メーカー廃盤になり出なくなってから慌てて海外やらヤフオクやらでかき集めたもの、数に限りがある。
NetShopでの販売用は同じ純正だがちょいと古いもの

ヘッドも載ってナットを締めて一晩おく
翌日再度トルクチェック
純正ガスケットはほぼ締まることは無い

途中から画像が少なくなっているが
すでに余裕が無い状態

ヘッドカバーを見るとタコメーターギアのクリップが無くワイヤリングされている

外すときに口開かせてしまったか?飛ばしてしまったか?
純正部品は廃盤なので仕方なくやったのだろう

キャブレター
ステープレートを外し切削作業でピンを除去
ブッシュを外すと内部は深い傷が入っている

また、スロットルレバーのボルトを折ったのだろう
ドリルで穴を開けて行き過ぎてシャフトにまで穴を開けている
寸止めしなくちゃ!
っていうかそんなことしなくてもある方法で簡単に緩みます
(ノウハウにあたるため内緒です。)

外したついでに念のためフロートチャンバーを1個開けて中の確認

メインジェットは社外品、スロージェットは純正だがなぜか#42(STDは#40)
ジェットニードルも新しそうだが純正か社外かは不明

組み立てて~車体に装着
無かったオーバーフローチューブも補充

無い車両を良く見かけるがオーバーフローしたガソリンが直にクランクケース上面へ
そのうちガソリンの色素で真っ赤になります。

車検整備項目のガバナーのグリスUP
グリスっ気がなく動きも悪い


無事完成


翌日車検場へ
まずテスター屋で光軸調整
と・こ・ろ・が
お話にならないくらい光量が足りない
シールドビームということで想定はしていた

車に積載で行っていたのでそんなこともあろうかといろいろ持っていってた
リレーハーネスを組んでみる

それでも9000cd
さらにヘッドライトを交換

シールドビームはレンズと一体、出なくなると困りますね
これでアイドリングでも15000、回せば20000オーバー
中に入ってる球が劣化しているのですね

無事車検も通り

今日の午後試乗して完成しました。

いやぁ大変でした
初めて点検整備する車両はトラップが一杯です。