テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて35年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

5年生 失敗を恐れず「比を使った解法」にチャレンジしよう 

2014-08-24 17:53:52 | 中学受験


 いよいよエデュコ夏期講習も最終クールを残すのみとなりました。8月26日~8月30日の第6クールでは、3・4・5年生とも「算数・重要単元予習」が講習の中心クラスと言えます(要町駅前校では、8月20日~8月24日の第5クールで終了しました)。
 「予習シリーズ(下)」の例題学習と「重要単元予習」クラスの意義については、前号で述べたとおりですが、特に、5年生後期算数の重要性が高いことから、5年生に対して「常に、新しい解法スキル(比を使った解法)の習得を心がける」ことを呼びかけたいと思います。

 子どもたちにとって、「中学受験算数克服の分岐点」となる項目が「割合と比」、と言って過言ではないでしょう。専ら「絶対値」を扱ってきた算数に、相対的な関係をしめす「割合」が入ってくるなり、「算数が不安」になる子が少なくありません。
 例えば、「定価の30%引きとして420円で売られている魚の定価はいくらだった?」という問題の場合、多くの5年生が答えられないのが現実です(食卓で子どもたちに聞いてみてください)。特に、算数を計算スキルそのもののようにとらえ、反復練習で乗り越えていこうとする学習観にもとづいて学習する場合、行き詰るのは必然と言えるでしょう。
 大げさに言うと、算数も物語として捉え、原因(仮定)・理由(原理)・結果(解答)をしっかり認識しながら学習する習慣を心がける必要があります。エデュコがノート演習に強くこだわるのも、ノートを計算のためのものではなく、物語の理解(考え方)を反映させる道具として位置付けているからにほかなりません。

 5年生後半からは、分数や小数を道具とする「割合」から、さらに抽象的な「比」を使った解法スキルが求められるようになります。大人から見れば、「割合」同様、大変便利なものなのですが、子どもたちにしてみれば「絶対値」からかけ離れた「比」は、「割合」以上に、簡単には受容できないもののようです。
 とはいえ、逃げるわけにはいきません。「予習シリーズ5(下)」の学習内容を確認すると、総合回を除く全15回のうち、10回において比を用いて解答する回期になります。
 「比の表し方」から始まり、「連比」・「逆比」・「比例式」・「相似」・「辺の長さ比と面積比」・「速さと比」・「容積(体積)と比」など、徹底的に「比を使った解法」が求められることになります。

 大人・子どもを問わず、新しいスキルの習得からは、つい逃げたくなるものでしょう。「この方法でもできるから大丈夫」としてしまえば、進歩がありません。なかなかぴんと来ない「比」を使うことを嫌がり、分数や小数で処理する既有の技法に拘泥する子どもは、少なくありません。
 「比」の導入期においては、分数・小数で処理する「割合」と比較したときの、「比」のアドバンテージは大きく感じられないかもしれませが、「予習シリーズ5(下)」で頻繁に演習する「比」を使った解法の習得は、「入試問題の克服」に欠かせないものと認識されてくることでしょう。
 
 既有の解法スキルで解けるものであっても、失敗を恐れず、積極的に新たな解法スキルを習得する意識を持ちましょう。「比」の理解と「比を使った解法の習得」は、中学受験算数克服の必要条件といえます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする