きぼう屋

生きているから生きている

「共に生きる」支援

2009年04月10日 | ホームレス支援のこと
ホームレス支援機構・京都寄り添いネットは
発足10年目を迎えております

そしてつい半年前までは
つまり金融恐慌が起こる前までは

わたしはこの働きは10年を区切りに縮小できるなあ
と思っておりました

京都市のホームレス当事者の数も減っておりましたし(6割減)
自立後になおかかわりの必要な方に関しても
教会の枠でかかわることができる範囲であったからです

しかし
金融恐慌が起きまして
また派遣切りなどが起こりまして

さらには
これでもって
世界のシステムがいつまでもホームレスを生み出すものであることを
思い知らされまして

活動を縮小させるどころか
活動をひろげなければならない

ということに気がつかされてしまいました

しばらく私自身の精神が大変でした
なにしろ整理がつきません

縮小させようと思っていたところで拡大させる
という方向転換を身体全体で受け取るには
一ヶ月ほど時間を必要としました

また
実はなんとなく
いや本当ははっきりと
ホームレス問題が拡大することは
半年前の金融恐慌発生時にわかっていたのですが
わかっていないふりをして
他の働きの忙しさにかこつけて
寄り添いネットのことについては新たに手をつけていなかったものだから
多少あわてなければならない状況でもあり
この忙しさを受け入れることにも
勇気と悔い改めがいりました

半年間のさぼりに関しては
当事者および当事者との交わりをいただく方々
さらには京都のひとたちに
心からお詫びせねばなりません

またキリストに謝罪せねばなりません

主よ
なにもわかっていないわたしをお赦しください


そして
ようやく
やることにしました

ホームレス支援機構・京都寄り添いネットは
秋に機構改革をすべく動き始めます

さて
ではホームレス支援でさらに何が求められるのでしょうか

それは「共に生きる」支援です

なんのこっちゃというところでしょうが
つまりこういうことです

これからは若いホームレスが生まれます
その際
これまでのような主に高齢の方々を支援してきた機構では
若い方々に寄り添う術がありません

極めて簡単にひとつのことから言うならば
高齢のホームレス当事者の場合
その方がたとえば生活保護でのアパート生活を始めたならば
その方への支援はほぼ完了したと言えました
(無論自立後のかかわりという支援も現在の大きなテーマですが)

しかし若年層の当事者の場合
いったん生活保護でアパート生活をはじめても
当然それでおしまいにはなりません
その後当事者が人間らしく生きるためには
仕事を見つけたいし
結婚もあるだろうし
子どもも与えられるわけで
そうなると
むしろアパート設定がスタートで
その後
若いホームレス当事者とまさに「共に生きる」支援でもって
仕事に結婚に子育てなどに至るまで重荷を分かち合い
また生活保護を終えて
次の道を探し定め続けるということを
共にやっていくという

つまり
ホーム・レス状況の方々の
ホーム
となる支援

家族となる支援

若い当事者のお父さんお母さんとなる支援
兄弟姉妹となる支援

が本当に見事に必要な時代がやってくるわけであります


そしてこの他者のホームとなる!
という人間の極めて人間らしい事柄は
人類の普遍テーマでもあろうと思います

この間のわたしの講演においては
マズローの欲求五段階説は不完全だと言うようにしています
マズローは第一段階の欲求は食欲と性欲となっているけれども
それは第二段階で
第一段階は
ホームを求めるという
つまり赤子が母親を求めるという欲求である
と語るに至っております

それくらい人間に必要な支援を互いに獲得していきたい!
ゆえに機構改革をします


みなみなさまのご協力を心よりお願い申し上げます