さて、第829回は、
タイトル:水の舳先
著者:玄侑宗久
出版社:新潮社 新潮文庫(初版:H17)
であります。
……ネタがないときは、そのまま~(爆)
たまにあるのよね、「さて、」の次にな~んも思い付かないときが。
さておき、本書ですが、ある温泉施設での出来事を通じて病や死、宗教とか、そういったものを描いた、臨済宗のお坊さんが書いたお話。
ストーリーは、
「温泉施設「ことほぎの湯」には、重い病を患う人が集まってくる。僧・玄山は書道教室を開き、彼らの相談相手になっていた。末期癌の久美子は明るい人気者だが、心に深い孤独を秘めたクリスチャン。あるとき、彼女は身寄りもなく死んでいく男を懸命に世話する。そして、自らの死を悟った久美子が玄山に告白した「罪」とは……。多用な宗教観に立つ人間の病と死を描き、究極の癒しを問う衝撃のデビュー作。」
まず、評価……の前に、この小説、とにかく読みにくい。
比較的文章がダメな小説であっても、それなりにすらすら読める部分のほうが多いものだが、これは1ページを読むのに、とにかく何度も何度も読み返さないといけないくらい。
それくらい、表現力のなさが目につく。
句読点の使い方は読み手のことをまったく考えてないとしか思えないし、情景描写と心理描写が一文の中にごちゃまぜになって話がつながらないし、読みにくいだけの比喩表現は多いしでいいとこなし。
文章がとても気になる私としては、この読みにくさは、ダメダメな意味で特筆に値するくらいだね。
ではストーリーは、と言うと、玄山と久美子のふたりが仏教とキリスト教という異なる宗教観の中で向き合う姿はいいのだが、その他のキャラがいったい何のためにいるのか、不明。
特にストーリー紹介では名前すら出てきていないが、久美子に関わるキャラとしてミネオと言うキャラがいる。時折テーマや物語のキーになりそうな言葉や行動をするのだが、はっきり言って邪魔。
メインキャラなんだか、脇役なんだかよくわからない立ち位置だし。
むしろ完全に脇役に回ってくれて、玄山と久美子のふたりを中心にして、物語をもっと深く掘り下げてくれたほうが読みやすいだろうし、物語の深みももっと出たのではないかと思う。
もっとも、これくらいとてつもなく読みにくい文章では、少しくらいどうこうしたところで、深読みしたいなんて、私はこれっぽっちも思わないけど。
とにかく、これだけ読みにくい小説というのは久々。
こうした部分であれこれと深読みしたいひとにはいいのかもしれないが、そうでなければ読み切れずに挫折することは確実。
文学論や哲学とか、小難しいことを語りたくて仕方がないひとにはいいけど、そうでなければ手を出さないほうが吉。
もちろん、私はそんな論だの何だのよりはおもしろい物語を求めているので、当然、総評は落第。
タイトル:水の舳先
著者:玄侑宗久
出版社:新潮社 新潮文庫(初版:H17)
であります。
……ネタがないときは、そのまま~(爆)
たまにあるのよね、「さて、」の次にな~んも思い付かないときが。
さておき、本書ですが、ある温泉施設での出来事を通じて病や死、宗教とか、そういったものを描いた、臨済宗のお坊さんが書いたお話。
ストーリーは、
「温泉施設「ことほぎの湯」には、重い病を患う人が集まってくる。僧・玄山は書道教室を開き、彼らの相談相手になっていた。末期癌の久美子は明るい人気者だが、心に深い孤独を秘めたクリスチャン。あるとき、彼女は身寄りもなく死んでいく男を懸命に世話する。そして、自らの死を悟った久美子が玄山に告白した「罪」とは……。多用な宗教観に立つ人間の病と死を描き、究極の癒しを問う衝撃のデビュー作。」
まず、評価……の前に、この小説、とにかく読みにくい。
比較的文章がダメな小説であっても、それなりにすらすら読める部分のほうが多いものだが、これは1ページを読むのに、とにかく何度も何度も読み返さないといけないくらい。
それくらい、表現力のなさが目につく。
句読点の使い方は読み手のことをまったく考えてないとしか思えないし、情景描写と心理描写が一文の中にごちゃまぜになって話がつながらないし、読みにくいだけの比喩表現は多いしでいいとこなし。
文章がとても気になる私としては、この読みにくさは、ダメダメな意味で特筆に値するくらいだね。
ではストーリーは、と言うと、玄山と久美子のふたりが仏教とキリスト教という異なる宗教観の中で向き合う姿はいいのだが、その他のキャラがいったい何のためにいるのか、不明。
特にストーリー紹介では名前すら出てきていないが、久美子に関わるキャラとしてミネオと言うキャラがいる。時折テーマや物語のキーになりそうな言葉や行動をするのだが、はっきり言って邪魔。
メインキャラなんだか、脇役なんだかよくわからない立ち位置だし。
むしろ完全に脇役に回ってくれて、玄山と久美子のふたりを中心にして、物語をもっと深く掘り下げてくれたほうが読みやすいだろうし、物語の深みももっと出たのではないかと思う。
もっとも、これくらいとてつもなく読みにくい文章では、少しくらいどうこうしたところで、深読みしたいなんて、私はこれっぽっちも思わないけど。
とにかく、これだけ読みにくい小説というのは久々。
こうした部分であれこれと深読みしたいひとにはいいのかもしれないが、そうでなければ読み切れずに挫折することは確実。
文学論や哲学とか、小難しいことを語りたくて仕方がないひとにはいいけど、そうでなければ手を出さないほうが吉。
もちろん、私はそんな論だの何だのよりはおもしろい物語を求めているので、当然、総評は落第。
私もおもしろい話を求めているので、そんなに読みにくい話なら、パスですね(^^ゞ
ところで、最近、「死都日本」という本を読みましたが、(昔の本です)お読みになっていますか?
このデビュー作で候補作になってますね。
「死都日本」ですか。
読んだことがないですね。
ただAmazonを見ると、メフィスト賞受賞作……う~む、メフィスト系は手を出しにくいのです
が、レビューを見る限りはまともそうですね。
図書館にあれば、借りてみようかなぁ。