さて、どこかの伝奇小説みたいにシリーズっぽくなってるなの第374回は、
タイトル:魔法飛行
著者:加納朋子
出版社:東京創元社 創元推理文庫
であります。
何が納得って、「ななつのこ」のときにコメントを入れてくれたにゅきみさんの言葉。
確かに、「ななつのこ」とこれを先に読んだら、微妙な感じになりそう。
さて、シリーズ名はないけれど、「ななつのこ」の続編のような位置づけで、主人公は駒子。
前作は、同名の本の著者である佐伯綾乃という作家との文通、と言う構成を取っていて、日常の中の小さな謎を佐伯綾乃が手紙の中で解き明かすものだった。
基本的なところに変化はない。
短編連作のところもね。
前作は駒子が「ななつのこ」を読んで手紙を書いたのが発端だった。
でも、今回はこの佐伯綾乃(=?)の勧めで物語(と言っても日常のミステリを物語にしたもの)に対して、佐伯綾乃が感想を書く、と言うスタイル。
また、ひとつの物語の合間に不可解な、駒子に宛てた手紙が挿入されている。
キャラは駒子を含めて「ななつのこ」と基本的に一緒。
ひとり駒子が所属している部の友達が増えている。
話は4話で、それぞれ、
「秋、りん・りん・りん」
大学で出会ったきついけれど、どこか惹かれる女性との関わりを描いた話。
「クロス・ロード」
交通事故で死んだ少年の幽霊にまつわる話。
「魔法飛行」
新キャラの友達と学園祭舞台にした、そしてちょっと恋愛テイストの入った話。
「エンデバー」
ここまでの3話と間に挟まっている手紙の謎を、佐伯綾乃とともに解決する話。
となんか紹介になってない気がするけれど、書きすぎるとネタバレになりそーだしなぁ(^^;
ミステリにネタバレはやっぱあかんだろうから、これで紹介は勘弁してもらおう。
さて、納得の理由はと言うと、前作よりもミステリ色やドラマ性が強くなっていること。
確かに、相変わらずのキャラたちでほんわりとした、いい雰囲気はあるのだけど、ストーリーがやや重くなっている。
間に挟まれる謎の手紙や各話に散りばめられた伏線、すとんと落ちてくれるラストなど、「ななつのこ」「ささら さや」と読んできて、これがいちばん構成がしっかりしていると思う。
だからかな、「ささら さや」のような心地よいほどの雰囲気が薄まってしまって、やや物足りないところがある。
ストーリー的にはいちばんうまく作られているんだけどねぇ。
それにしても、3冊読んでみて思ったのが、このひとの文章はかなり好きかも。
一人称となると、どうしてもひとりの視点からではあり得ない視点からの描写があったり、逆にそれに拘りすぎると描写が乏しくなる欠点がある。
そういうところが気になったりするんだけど、このひとのはそのバランスがとてもいい。
心理描写と情景描写、駒子らしい考え方や言葉などもそう。
だからだろうけど、とても読みやすい。
一度たりとも引っかかることなく、するするするする入ってきて、頭の中のキャラの動きも滞ることがない。
文章的には平凡なのかもしれないけど、この流れのよさは特筆に値すると思う。
もちろん、ラノベ的な軽さで読みやすいのではない。
これまでの3作、それなりにどうかと思うところはあるけれど、やはりオススメできる作品。
なので、また次の「掌の中の小鳥」買っちまったよ(笑)
タイトル:魔法飛行
著者:加納朋子
出版社:東京創元社 創元推理文庫
であります。
何が納得って、「ななつのこ」のときにコメントを入れてくれたにゅきみさんの言葉。
確かに、「ななつのこ」とこれを先に読んだら、微妙な感じになりそう。
さて、シリーズ名はないけれど、「ななつのこ」の続編のような位置づけで、主人公は駒子。
前作は、同名の本の著者である佐伯綾乃という作家との文通、と言う構成を取っていて、日常の中の小さな謎を佐伯綾乃が手紙の中で解き明かすものだった。
基本的なところに変化はない。
短編連作のところもね。
前作は駒子が「ななつのこ」を読んで手紙を書いたのが発端だった。
でも、今回はこの佐伯綾乃(=?)の勧めで物語(と言っても日常のミステリを物語にしたもの)に対して、佐伯綾乃が感想を書く、と言うスタイル。
また、ひとつの物語の合間に不可解な、駒子に宛てた手紙が挿入されている。
キャラは駒子を含めて「ななつのこ」と基本的に一緒。
ひとり駒子が所属している部の友達が増えている。
話は4話で、それぞれ、
「秋、りん・りん・りん」
大学で出会ったきついけれど、どこか惹かれる女性との関わりを描いた話。
「クロス・ロード」
交通事故で死んだ少年の幽霊にまつわる話。
「魔法飛行」
新キャラの友達と学園祭舞台にした、そしてちょっと恋愛テイストの入った話。
「エンデバー」
ここまでの3話と間に挟まっている手紙の謎を、佐伯綾乃とともに解決する話。
となんか紹介になってない気がするけれど、書きすぎるとネタバレになりそーだしなぁ(^^;
ミステリにネタバレはやっぱあかんだろうから、これで紹介は勘弁してもらおう。
さて、納得の理由はと言うと、前作よりもミステリ色やドラマ性が強くなっていること。
確かに、相変わらずのキャラたちでほんわりとした、いい雰囲気はあるのだけど、ストーリーがやや重くなっている。
間に挟まれる謎の手紙や各話に散りばめられた伏線、すとんと落ちてくれるラストなど、「ななつのこ」「ささら さや」と読んできて、これがいちばん構成がしっかりしていると思う。
だからかな、「ささら さや」のような心地よいほどの雰囲気が薄まってしまって、やや物足りないところがある。
ストーリー的にはいちばんうまく作られているんだけどねぇ。
それにしても、3冊読んでみて思ったのが、このひとの文章はかなり好きかも。
一人称となると、どうしてもひとりの視点からではあり得ない視点からの描写があったり、逆にそれに拘りすぎると描写が乏しくなる欠点がある。
そういうところが気になったりするんだけど、このひとのはそのバランスがとてもいい。
心理描写と情景描写、駒子らしい考え方や言葉などもそう。
だからだろうけど、とても読みやすい。
一度たりとも引っかかることなく、するするするする入ってきて、頭の中のキャラの動きも滞ることがない。
文章的には平凡なのかもしれないけど、この流れのよさは特筆に値すると思う。
もちろん、ラノベ的な軽さで読みやすいのではない。
これまでの3作、それなりにどうかと思うところはあるけれど、やはりオススメできる作品。
なので、また次の「掌の中の小鳥」買っちまったよ(笑)
他にも作品は多いのですが、やぱし加納さんの魅力は
「ささらさや」に集約されている気がするのです。
もちろん他の作品も十二分に魅力的なのですが。
いま読んでいる「掌の中の小鳥」でもまだまだ4冊目。
いろいろと読んでみて、の段階なのでいまはまだ、これが一番! ってところまでは言えませんよ。
にゅきみさんくらい読んでから、ですね(^^