さて、とうとうストックがなくなってしまったの第215回は、
タイトル:裏庭
著者:梨木香歩
出版社:新潮文庫
であります。
照美という少女が主人公で、この少女がバーンズ屋敷と呼ばれる洋館の大鏡から、不思議な世界……バーンズ屋敷の裏庭へ入り、そこで様々な人物と出会い、いろんな出来事や事件を通じて成長していく物語。
とは言うものの、決して照美ひとりの物語ではなく、このバーンズ屋敷に縁のある母親(=さっちゃん)や友達の綾子ちゃんのおじいさんの丈次(=ジョージ)、両親が経営しているレストランの常連の夏夜さん、バーンズ屋敷のもともとの住人だったレイチェルなど、そうしたキャラクターたちのバーンズ屋敷にまつわる話を絡ませて、奥行きのある話になっている。
このあたりの重層的な話の作り方は、「からくりからくさ」にも通じるところがある。
ただ感じとしては、やっぱり話の大部分が照美の裏庭での物語なので、「からくりからくさ」ほどの重厚さは感じられない。
とは言うものの、話はけっこう重い。
特に、照美の家族……照美と母親、母親=さっちゃんとその母親=妙子の話の部分が深い。
また、裏庭を旅する照美に起きる出来事や事件も、最初はそうでもないけれど、話が進むにつれて深く、重くなっていく。
心理描写もどんどん内面に深く入っていっている。
梨木さんの作品の主人公を務める女の子は、どうも実年齢よりも大人びた印象がある。
この主人公の照美もそういうところがないわけではないけれど、でも、裏庭を経て成長する姿はとても自然。
しかし、毎回梨木さんの作品を読むと思うけど、ラストの描き方は相変わらずうまいなぁ、と思う。
裏庭から戻ってきた照美と両親が帰宅するシーン。
レイチェルと丈次が一緒にバーンズ屋敷の大鏡の前に立つシーン。
ストーリーの余韻を残しつつ、それぞれの、これからの物語を感じさせるものになっている。
でも、やっぱりなんと言ってもバーンズ屋敷の大鏡の前でのやりとり。
「フーアーユー?」
「テル・ミィ」
「アイル・テル・ユー」
これが持つ意味を、思ってみるのがいちばんいいのかもしれない。
読んだあとの感じ方はひとそれぞれだろうけど、それでいいと思うけどね。
タイトル:裏庭
著者:梨木香歩
出版社:新潮文庫
であります。
照美という少女が主人公で、この少女がバーンズ屋敷と呼ばれる洋館の大鏡から、不思議な世界……バーンズ屋敷の裏庭へ入り、そこで様々な人物と出会い、いろんな出来事や事件を通じて成長していく物語。
とは言うものの、決して照美ひとりの物語ではなく、このバーンズ屋敷に縁のある母親(=さっちゃん)や友達の綾子ちゃんのおじいさんの丈次(=ジョージ)、両親が経営しているレストランの常連の夏夜さん、バーンズ屋敷のもともとの住人だったレイチェルなど、そうしたキャラクターたちのバーンズ屋敷にまつわる話を絡ませて、奥行きのある話になっている。
このあたりの重層的な話の作り方は、「からくりからくさ」にも通じるところがある。
ただ感じとしては、やっぱり話の大部分が照美の裏庭での物語なので、「からくりからくさ」ほどの重厚さは感じられない。
とは言うものの、話はけっこう重い。
特に、照美の家族……照美と母親、母親=さっちゃんとその母親=妙子の話の部分が深い。
また、裏庭を旅する照美に起きる出来事や事件も、最初はそうでもないけれど、話が進むにつれて深く、重くなっていく。
心理描写もどんどん内面に深く入っていっている。
梨木さんの作品の主人公を務める女の子は、どうも実年齢よりも大人びた印象がある。
この主人公の照美もそういうところがないわけではないけれど、でも、裏庭を経て成長する姿はとても自然。
しかし、毎回梨木さんの作品を読むと思うけど、ラストの描き方は相変わらずうまいなぁ、と思う。
裏庭から戻ってきた照美と両親が帰宅するシーン。
レイチェルと丈次が一緒にバーンズ屋敷の大鏡の前に立つシーン。
ストーリーの余韻を残しつつ、それぞれの、これからの物語を感じさせるものになっている。
でも、やっぱりなんと言ってもバーンズ屋敷の大鏡の前でのやりとり。
「フーアーユー?」
「テル・ミィ」
「アイル・テル・ユー」
これが持つ意味を、思ってみるのがいちばんいいのかもしれない。
読んだあとの感じ方はひとそれぞれだろうけど、それでいいと思うけどね。
男の子とはとても比べ物になりません。
特に、照美くらいの小学校6年生(だと思う)の子で、感受性の強い子は、照美並みの考え方をしているんじゃないかな。
梨木さんの本は、児童書、一般書に関わらず、重いですよね。
だから、いっぺんに続けて読もうとすると、かなり大変。
と、言いながら「村田フェンディ滞土録」とエッセイを2冊、図書館で借りてきちゃいました。
返却期限までに読めるだろうか、少々不安です。
でも、小学校6年生くらい(だいたい私も小学校高学年くらいに思ってました)で、あんな感じなんですねぇ。
メモっとこ……(笑)
一般書は特に重いです。
いや、好きなんですけどね、重いのは(笑)
だけど、この重さはなかなかないのではないかと思います。
どろどろした重さとか、暗澹とした重さってのはありますけど、こう、清冽なものが迫ってくる感じで。
だから、大変ですけど、読み終わったあとに、いろいろと考えさせられるのかなぁ、とも思ってみたり。
「村田フェンディ滞土録」見つけたんですね。
あとエッセイと。
ブログにはあげるのかな。
感想楽しみにしてますよ~(^^