さて、昨日こそは記事が公開されてるだろう――と思われた方、ごめんなさい遅刻しました! な第977回は、
タイトル:蒼海訣戰(1~5巻:以下続刊)
著者:納都花丸
出版社:一迅社 REX COMICS(初版:'06)
であります。
「三笠。
その……ごめんな、今日は俺のせいで、兄さんに会えなかったり…先輩に絡まれたりして――――――」
「うん、でも。
俺がやってないって言ったとき、お前が信じてくれて、うれしかった。
だから今日のことは貸し借りなしにしようぜ」
「うん!
……なあ、三笠。
俺、やっぱりまだよくわかってないかもしれないけど、秋津人と追那人でたくさん違いがあるんだろうけど――――――同じじゃないけど、でも。
俺たち、友達になれるよな?」
「――――――うん!」
――1巻130頁、三笠と初瀬の会話より。
―久々に飲みに行きました―
「こんばんは~、ホタルでーす♪」
「マユっす。
何で今日は夜の収録なんだ?」
「実はさっきまでお友達とお酒飲んでたのです~」
「酒……って、いいのかよ未成年!」
「推定1200歳デスガ何カ?」
「(そういやこいつ妖怪だったな……)
で、サシだったのか? それとも集団でドンチャン騒ぎか?」
「一対一でじっくりと昔話をしてきました。
あ、このブログの話題も出ましたよ。ホタル君、君の書評には愛が足りないね――って褒められちゃいました~♪」
「(明らかに褒めてねぇだろ、それは!)
そりゃ良かったなァ……他に何か言ってたか?」
「えーと……細かいアラまで見つけ出すのが美徳とされた時代は終わった! 『今、書評は優しさの時代へ』なのだよ! ――って力説されてましたけど?」
「それはイー×のキャッチコピーだっ! あー、それで誰か目星がついたぜ――後で礼を言っておこう、丁重にな」
「カクテルおごってもらったので、私は御機嫌なのですよ♪ ん~、カルアミルク美味しい~♪」
―猫耳+仮想戦記?―
「さて、本日御紹介するのは――『なんちゃって坂の上の雲』なんて野暮は言いっこなし! コミックREXの顔役の一つ『蒼海訣戰』です!」
「でも、誰がどー見たって『坂の上の雲』だよな」
「だからそれを言っちゃ駄目っ!」
「言っちゃ駄目っつってもなぁ、主人公とその兄のモデルが秋山兄弟なのはほぼ確実だぞ」
「確かにそうかも知れませんが、これはこれで面白いんだからゴチャゴチャ言わないのっ!
というわけで本作の内容ですが、日清~日露戦争時代をモチーフにした猫耳軍記物です!」
「いや、それもかなり偏った見方だろ。
つーか、猫耳三人しか出てきてねーぞ! ついでに言うと尻尾も生えてる!」
「何を脳が干涸らびたようなことを言ってるんですか。
読者の89.4%は猫耳目当てで本書を購入してるんですよ!(国土地理院調べ) もはや、猫耳軍記物と言い切ることに何の差し障りもありません! 猫耳キャラさえいれば、ヴェラヤノーチ帝国など小指で粉砕できます!」
「んなわけあるかぁっ!
ったく……これ以上混乱する前に、きちっとストーリー解説だけはしとくぞ。
三つの異なる民族が共存する多民族国家・津州皇國(つーか、ぶっちゃけ大日本帝国)を舞台に、水軍志官寮で明日の水軍士官を目指す若者達の姿を描く仮想戦記物だ。ホタルが言ったように、日清戦争後、日露戦争前の時代をモチーフにしており、タイトルの『蒼海訣戰』も日本海海戦のことだと思われる。いちいち口で解説するのも面倒なので、以下に、本作独自の用語と元ネタを列記する」
【津州皇國(つしまこうこく)】――十五世紀以上に渡って女帝が支配する秋津州國が、汐見王朝と追那人居住地を併合して、二六二四年に誕生した立憲君主制国家。二六五一~二六五三年の津楠戦争(日清戦争)、二六六〇~二六六二の津州皇國内乱(順序が逆だが戊辰戦争?)を経て、現在(二六六四年)、百五代姫巫女(ひみこ)の皇女・壱代(いよ)が統治している。
【追那人(おいなじん)】――世界で唯一、とがった耳と尻尾を持つ民族で、モデルはアイヌ人。少数民族のため、人口の八割を占める秋津人からは現在でも差別されている。ふとした瞬間に視力以外の視界が開けて、その場にいる他人の意識が流れ込んで来る、カムイピリマ(※リは小文字)という特殊な感覚を有する。中でもカムイピリマを感じる力が特に強い者をカムイサシミと呼ぶ。
【汐見人(しおみじん)】――金髪碧眼の民族で、モデルは琉球人。ちなみに、一巻の三笠の発言からすると、金髪でない者もいるようだが、詳細は不明。追那人同様、秋津人から差別されており、津州皇國内乱では故郷を最後の戦地にされるというとばっちりまで受けた。
【水軍志官寮】――説明するまでもないが、大日本帝国で言うところの海軍兵学校、つまりエリート養成所である。元ネタは三年制(時代によって変化)だが、こちらは二年制のようだ。所属する生徒には階級が与えられており、兵卒よりも上の身分として扱われる。
【ヴェラヤノーチ帝国】――400年の帝政が続く大国。元ネタは多分、ロシア帝国であろう。今の所詳細は不明だが、五巻終了時に怪しい某人物が、「ヴェラヤノーチに行く」と発言しているので、六巻で実態が明らかになる……かも。
「長っ! これはキャラ紹介は次の項に移した方が良さそうですね」
「だな。しかし、今回は随分と変則的な記事になってるなァ」
―キャラ紹介!―
「ではでは、猫耳主人公の三笠真清君、15歳!
経緯は不明ですが、幼少時に三笠家の養子になった追那人の少年で、元の名はサネク。
おにーさんに憧れて軍人を目指し、初の追那人、しかも十五期首席として水軍志官寮に入寮、周囲の偏見の目と戦いつつ立派な水軍士官を目指すとっても前向きな子です♪
最大の特徴は猫耳と尻尾ですが、加えて、涙腺が緩いという属性まで備えており、尋常でない可愛さを誇ります。
萌え要素、天才思考、特殊能力(カムイサシミ)を持つ猫耳少年に死角なしっ! いつ初瀬君が堕ちるか、本当に楽しみですね~♪」
「何でそこで、や○い話が出てくるんだっ! まったく……油断も隙もあったもんじゃねぇな。
では、真清の親友の初瀬忠信、同じく15歳。
十五期次席で真清のルームメイト。水志寮幼年部にあたる巧玉舎では常に首席だった。
とにかく明るく屈託のない性格で、初対面から追那人である真清に対しても普通に接してきた、ある意味大物。天ボケの気もあり、十五期生のムードメーカー的存在である。
その実、学業に関しては非常に真摯で、慣れないまとめ役を代わってもらおうと甘えた態度を取る真清を叱咤する場面もあった。
津楠戦争で父親を失っており、それがトラウマとなっている」
「絵に描いたようないい子ですよね~、初瀬君。こういう友達って貴重だと思います。
では、真清君と初瀬君の先輩で、裏の主人公とも言える八島文行君。
十四期首席で、水志寮唯一の汐見人です。
真清君と違って秋津人に対する対抗意識が非常に強く、ほとんど誰とも口をきかず、自分の実力を誇示することで身を守っている……ちょっとイタイ子ですね。
当初は、同じ被差別民族ということで真清君を味方に引き入れようとしていましたが、彼が三笠家の養子と知って逆上、以後は目の敵にするようになります。
言動は乱暴なものの、微妙に面倒見のいいところがあって、時々フォローを入れてくれるのが救いと言えば救いでしょうか……でもこの子苦手」
「言ってることは決して間違ってないんだが、立ち回りが下手で損してるよな、八島は。
何げに文字数がヤバげなので、残る二人はまとめていくぞ。
真清の兄で陸軍騎兵大尉の三笠光清と、ヒロインにして今上皇帝の壱与。
前者は先の内乱で英雄に祭り上げられた男で、真清の目標となる人物だ。性格はそんまんま頼れる兄貴で、精神的に未熟な弟を色々とフォローした後、レヒトブルグに留学する。真清のことは弟と認めているようだが、『追那の女は抱かない』と発言するなど、民族問題には色々と思うところがあるらしい。もしかして――追那人の女と別れさせられた過去とかあるのか?
後者はわずか14歳で即位し、現在16歳になったがまだまだ自分に自信が持てずにいる少女皇帝だ。巫女姿とドジっ子属性で、本作の萌え要素の一翼を担う重要キャラだが、立場が立場だけに真清と絡んだのは今の所一度だけだったりする。ちなみに、二巻冒頭で二六六四年即位となっているが、二六六二年の誤植だな(笑)」
「教官と他生徒の紹介もしたいのですが……スペースがないので割愛します。吉野教官とか、かなり重要なキャラなんですけどね……」
―総評としては?―
「絵はかなり綺麗ですし、青春群像劇としても良く出来ていると思います♪ 少年漫画的な戦闘シーンは今の所ありませんが、話が進めばそういう展開もあるのではないかと。代わりと言っては何ですけど、二巻の兵棋演習は艦隊戦の醍醐味が味わえる上、各キャラの個性が出ててかなり面白かったですね。
でもやっぱり、何と言っても猫耳が――(以下略)」
「あー、お前がその結論に行き着くのはハナから解ってたぜ。
表紙が猫耳全開なんで軽く見られてしまうかも知れないが、その実、結構骨太な作品だ。
今、ホタルが言った兵棋演習の場面はかなり凝ってたし、真清や八島が差別と戦うシーンや、生徒達の若者ならではの葛藤もちゃんと描かれている。もっともそれだけだと華がないので……その、なんだ……猫耳少年とか巫女少女とかを出して、上手くバランスを取ってるな。
グロいシーンもないので、割と幅広い年齢にオススメできる逸品と言えるだろう」
「一・二巻は水志寮での生活がメイン、三巻では追那人の秘密と光清さんの旅立ちを描き、四・五巻はいよいよ練習艦に乗って乗艦実習、担蓮(大連)上陸と、どんどん話が大きくなってきてるので、今後も期待大ですね!」
「もっとも今のペースだと、タイトルの蒼海訣戰まで行き着くには、十年ぐらい時をすっ飛ばすか、単行本五十巻ぐらい描かないと無理だぜ。
それまでコミックREXが保てばいいがなァ~……クックック」
「あの~……それで一番痛手を受けるのは、続きが読めなくなって絶望する自分だってこと、解って言ってます?」
――【つれづれナビ!】――
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タイトル:蒼海訣戰(1~5巻:以下続刊)
著者:納都花丸
出版社:一迅社 REX COMICS(初版:'06)
であります。
「三笠。
その……ごめんな、今日は俺のせいで、兄さんに会えなかったり…先輩に絡まれたりして――――――」
「うん、でも。
俺がやってないって言ったとき、お前が信じてくれて、うれしかった。
だから今日のことは貸し借りなしにしようぜ」
「うん!
……なあ、三笠。
俺、やっぱりまだよくわかってないかもしれないけど、秋津人と追那人でたくさん違いがあるんだろうけど――――――同じじゃないけど、でも。
俺たち、友達になれるよな?」
「――――――うん!」
――1巻130頁、三笠と初瀬の会話より。
―久々に飲みに行きました―
「こんばんは~、ホタルでーす♪」
「マユっす。
何で今日は夜の収録なんだ?」
「実はさっきまでお友達とお酒飲んでたのです~」
「酒……って、いいのかよ未成年!」
「推定1200歳デスガ何カ?」
「(そういやこいつ妖怪だったな……)
で、サシだったのか? それとも集団でドンチャン騒ぎか?」
「一対一でじっくりと昔話をしてきました。
あ、このブログの話題も出ましたよ。ホタル君、君の書評には愛が足りないね――って褒められちゃいました~♪」
「(明らかに褒めてねぇだろ、それは!)
そりゃ良かったなァ……他に何か言ってたか?」
「えーと……細かいアラまで見つけ出すのが美徳とされた時代は終わった! 『今、書評は優しさの時代へ』なのだよ! ――って力説されてましたけど?」
「それはイー×のキャッチコピーだっ! あー、それで誰か目星がついたぜ――後で礼を言っておこう、丁重にな」
「カクテルおごってもらったので、私は御機嫌なのですよ♪ ん~、カルアミルク美味しい~♪」
―猫耳+仮想戦記?―
「さて、本日御紹介するのは――『なんちゃって坂の上の雲』なんて野暮は言いっこなし! コミックREXの顔役の一つ『蒼海訣戰』です!」
「でも、誰がどー見たって『坂の上の雲』だよな」
「だからそれを言っちゃ駄目っ!」
「言っちゃ駄目っつってもなぁ、主人公とその兄のモデルが秋山兄弟なのはほぼ確実だぞ」
「確かにそうかも知れませんが、これはこれで面白いんだからゴチャゴチャ言わないのっ!
というわけで本作の内容ですが、日清~日露戦争時代をモチーフにした猫耳軍記物です!」
「いや、それもかなり偏った見方だろ。
つーか、猫耳三人しか出てきてねーぞ! ついでに言うと尻尾も生えてる!」
「何を脳が干涸らびたようなことを言ってるんですか。
読者の89.4%は猫耳目当てで本書を購入してるんですよ!(国土地理院調べ) もはや、猫耳軍記物と言い切ることに何の差し障りもありません! 猫耳キャラさえいれば、ヴェラヤノーチ帝国など小指で粉砕できます!」
「んなわけあるかぁっ!
ったく……これ以上混乱する前に、きちっとストーリー解説だけはしとくぞ。
三つの異なる民族が共存する多民族国家・津州皇國(つーか、ぶっちゃけ大日本帝国)を舞台に、水軍志官寮で明日の水軍士官を目指す若者達の姿を描く仮想戦記物だ。ホタルが言ったように、日清戦争後、日露戦争前の時代をモチーフにしており、タイトルの『蒼海訣戰』も日本海海戦のことだと思われる。いちいち口で解説するのも面倒なので、以下に、本作独自の用語と元ネタを列記する」
【津州皇國(つしまこうこく)】――十五世紀以上に渡って女帝が支配する秋津州國が、汐見王朝と追那人居住地を併合して、二六二四年に誕生した立憲君主制国家。二六五一~二六五三年の津楠戦争(日清戦争)、二六六〇~二六六二の津州皇國内乱(順序が逆だが戊辰戦争?)を経て、現在(二六六四年)、百五代姫巫女(ひみこ)の皇女・壱代(いよ)が統治している。
【追那人(おいなじん)】――世界で唯一、とがった耳と尻尾を持つ民族で、モデルはアイヌ人。少数民族のため、人口の八割を占める秋津人からは現在でも差別されている。ふとした瞬間に視力以外の視界が開けて、その場にいる他人の意識が流れ込んで来る、カムイピリマ(※リは小文字)という特殊な感覚を有する。中でもカムイピリマを感じる力が特に強い者をカムイサシミと呼ぶ。
【汐見人(しおみじん)】――金髪碧眼の民族で、モデルは琉球人。ちなみに、一巻の三笠の発言からすると、金髪でない者もいるようだが、詳細は不明。追那人同様、秋津人から差別されており、津州皇國内乱では故郷を最後の戦地にされるというとばっちりまで受けた。
【水軍志官寮】――説明するまでもないが、大日本帝国で言うところの海軍兵学校、つまりエリート養成所である。元ネタは三年制(時代によって変化)だが、こちらは二年制のようだ。所属する生徒には階級が与えられており、兵卒よりも上の身分として扱われる。
【ヴェラヤノーチ帝国】――400年の帝政が続く大国。元ネタは多分、ロシア帝国であろう。今の所詳細は不明だが、五巻終了時に怪しい某人物が、「ヴェラヤノーチに行く」と発言しているので、六巻で実態が明らかになる……かも。
「長っ! これはキャラ紹介は次の項に移した方が良さそうですね」
「だな。しかし、今回は随分と変則的な記事になってるなァ」
―キャラ紹介!―
「ではでは、猫耳主人公の三笠真清君、15歳!
経緯は不明ですが、幼少時に三笠家の養子になった追那人の少年で、元の名はサネク。
おにーさんに憧れて軍人を目指し、初の追那人、しかも十五期首席として水軍志官寮に入寮、周囲の偏見の目と戦いつつ立派な水軍士官を目指すとっても前向きな子です♪
最大の特徴は猫耳と尻尾ですが、加えて、涙腺が緩いという属性まで備えており、尋常でない可愛さを誇ります。
萌え要素、天才思考、特殊能力(カムイサシミ)を持つ猫耳少年に死角なしっ! いつ初瀬君が堕ちるか、本当に楽しみですね~♪」
「何でそこで、や○い話が出てくるんだっ! まったく……油断も隙もあったもんじゃねぇな。
では、真清の親友の初瀬忠信、同じく15歳。
十五期次席で真清のルームメイト。水志寮幼年部にあたる巧玉舎では常に首席だった。
とにかく明るく屈託のない性格で、初対面から追那人である真清に対しても普通に接してきた、ある意味大物。天ボケの気もあり、十五期生のムードメーカー的存在である。
その実、学業に関しては非常に真摯で、慣れないまとめ役を代わってもらおうと甘えた態度を取る真清を叱咤する場面もあった。
津楠戦争で父親を失っており、それがトラウマとなっている」
「絵に描いたようないい子ですよね~、初瀬君。こういう友達って貴重だと思います。
では、真清君と初瀬君の先輩で、裏の主人公とも言える八島文行君。
十四期首席で、水志寮唯一の汐見人です。
真清君と違って秋津人に対する対抗意識が非常に強く、ほとんど誰とも口をきかず、自分の実力を誇示することで身を守っている……ちょっとイタイ子ですね。
当初は、同じ被差別民族ということで真清君を味方に引き入れようとしていましたが、彼が三笠家の養子と知って逆上、以後は目の敵にするようになります。
言動は乱暴なものの、微妙に面倒見のいいところがあって、時々フォローを入れてくれるのが救いと言えば救いでしょうか……でもこの子苦手」
「言ってることは決して間違ってないんだが、立ち回りが下手で損してるよな、八島は。
何げに文字数がヤバげなので、残る二人はまとめていくぞ。
真清の兄で陸軍騎兵大尉の三笠光清と、ヒロインにして今上皇帝の壱与。
前者は先の内乱で英雄に祭り上げられた男で、真清の目標となる人物だ。性格はそんまんま頼れる兄貴で、精神的に未熟な弟を色々とフォローした後、レヒトブルグに留学する。真清のことは弟と認めているようだが、『追那の女は抱かない』と発言するなど、民族問題には色々と思うところがあるらしい。もしかして――追那人の女と別れさせられた過去とかあるのか?
後者はわずか14歳で即位し、現在16歳になったがまだまだ自分に自信が持てずにいる少女皇帝だ。巫女姿とドジっ子属性で、本作の萌え要素の一翼を担う重要キャラだが、立場が立場だけに真清と絡んだのは今の所一度だけだったりする。ちなみに、二巻冒頭で二六六四年即位となっているが、二六六二年の誤植だな(笑)」
「教官と他生徒の紹介もしたいのですが……スペースがないので割愛します。吉野教官とか、かなり重要なキャラなんですけどね……」
―総評としては?―
「絵はかなり綺麗ですし、青春群像劇としても良く出来ていると思います♪ 少年漫画的な戦闘シーンは今の所ありませんが、話が進めばそういう展開もあるのではないかと。代わりと言っては何ですけど、二巻の兵棋演習は艦隊戦の醍醐味が味わえる上、各キャラの個性が出ててかなり面白かったですね。
でもやっぱり、何と言っても猫耳が――(以下略)」
「あー、お前がその結論に行き着くのはハナから解ってたぜ。
表紙が猫耳全開なんで軽く見られてしまうかも知れないが、その実、結構骨太な作品だ。
今、ホタルが言った兵棋演習の場面はかなり凝ってたし、真清や八島が差別と戦うシーンや、生徒達の若者ならではの葛藤もちゃんと描かれている。もっともそれだけだと華がないので……その、なんだ……猫耳少年とか巫女少女とかを出して、上手くバランスを取ってるな。
グロいシーンもないので、割と幅広い年齢にオススメできる逸品と言えるだろう」
「一・二巻は水志寮での生活がメイン、三巻では追那人の秘密と光清さんの旅立ちを描き、四・五巻はいよいよ練習艦に乗って乗艦実習、担蓮(大連)上陸と、どんどん話が大きくなってきてるので、今後も期待大ですね!」
「もっとも今のペースだと、タイトルの蒼海訣戰まで行き着くには、十年ぐらい時をすっ飛ばすか、単行本五十巻ぐらい描かないと無理だぜ。
それまでコミックREXが保てばいいがなァ~……クックック」
「あの~……それで一番痛手を受けるのは、続きが読めなくなって絶望する自分だってこと、解って言ってます?」
――【つれづれナビ!】――
◆ 『コミックス一覧表(白組)』へ
◇ 『つれづれ総合案内所』へ