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つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

またやっちまった

2007-02-25 17:10:19 | ファンタジー(異世界)
さて、1年も前かよ……の第817回は、

タイトル:七姫物語
著者:高野和
出版社:メディアワークス 電撃文庫(H15)

であります。

日曜版(ラノベの日)のネタを探し、図書館にあるかを検索し、予約がなくすぐに借りられるかを確認してヒットしたのがこれですが、ぢつは1年以上も前に相棒が「デビュー作」の魔力に負けて読んでいました(爆)
と言うわけで、またもや図らずもクロスレビューとなってしまった本書ですが……。

「ある大陸の片隅、そこでは七つの主要都市が先王の隠し子と呼ばれる姫君を擁立し、国家統一を目指して割拠した。その中の一人、七宮カセンの姫に選ばれたのは九歳の孤児カラスミだった。彼女を担ぎ出したのは、武人のテン・フオウ将軍とその軍師トエル・タウ。二人とも桁違いの嘘つきで素性も知れないが、「三人で天下を取りにいこう。」と楽しそうに話す二人の側にいられることで、カラスミは幸せだった。しかし、彼女が十二歳になった時、隣の都市ツヅミがカセンへの侵攻を始める……。
第9回電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞作。時代の流れに翻弄されながらも、自らの運命と真摯に向き合うひとりの少女の姿を描いた新感覚ストーリー。」

だそうです。
……うん、間違ってはない……と言うか、電撃文庫の編集ってこういう紹介文、うまいんじゃないかとよく思うよなぁ。
ゼッタイ私が書くよりわかりやすい……(爆)

さておき、まずは初手から。
数十ページで文体に挫折しそうになったよ……。
無駄に多い体言止め。
これには本気で辟易した。

……とは言え、そうした個人的な好みを差っ引いて見れば、カラスミの視点で語られるこの文章は、作品の雰囲気によく合っており、時折見える少女らしい仕草など、カラスミの魅力を伝えるのには十分役立っている。
またこうしたふわふわとした雰囲気を見せる文体は、作品の世界観にも合っており、著者あとがきに「世界観が独特と審査員の方々に評価」とあるように、確かに和風だが和風すぎない独特の世界観を読む者に感じさせる要因となっている。

ただ、こうした世界観、雰囲気が合っているからと言っても、縹渺として浮ついたものでなければ、の話。
あとがきの上記評価のあとの「世界観なんかどうでもよかったというのが本音」との言葉に集約されていると思うが、雰囲気はあるが地に足のついていない世界観では、物語も薄っぺらに見えてしまう。

実際のところ、ストーリーはどうか……と言う話になると、すいません、もうストーリー紹介見なければ思い出せません。
このあとすぐ「狼と香辛料4」を読んだのが最大の原因なんだけど、それでもここまで印象に残らないストーリーも珍しい。
まぁ、ツヅミの襲撃からこっち、カラスミと護衛の少年ヒカゲふたりでうろうろ(だけではないが)しているうちに、なんかテンとかが戻ってきて、あっさりとツヅミなんかを攻略してしまったので、激しく盛り上がりに欠けているのも原因だろうとは思うけど。

雰囲気が感じられる作品ってのは嫌い……じゃなくてむしろ好きなんだが、別の作品を読んだだけであっさりと消えてしまうような雰囲気とストーリーじゃ、いつもながらに雰囲気がどうのと言ってる私でも評価はしづらい。
ラノベ点を考慮しても、ぎりぎり及第には届かないか。



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懐かしさのみ……かな?

2007-02-10 15:53:16 | ファンタジー(異世界)
さて、思~えば~と~おくへ~来た~も~んだ~♪ の第802回は、

タイトル:雷の娘シェクティ 1 天雷あまがみの剣
著者:嵩峰龍二
出版社:富士見書房 富士見ファンタジア文庫(初版:H1)

であります。

平成元年……古いなぁ……。
とは言え、実は当時、けっこう好きだった小説でいまとなってはなかなか手に入らない本だから半ば諦めていたんだけど……図書館にありました(笑)
でも、昔読んでて好きだったのがいま読むと……ってのはよくあることなので、どうかと思いつつ……。

構成は、「ドラゴンマガジン」と言う雑誌に連載として掲載されていたこともあって短編連作の体裁で、本編4話、付話として世界観を解説するための話である「創世の史詩」というのが収録されている。
各話は以下。

「第一話 天雷の剣」
大陸の南部中央に広がる大砂漠地帯、その交易路の東端部にあるバクシィで、十あまりの少年シェクタと女戦士アマゾニスのラウニィは、シェクタがイカサマ賭博で稼いだ金で、ようやく宿でくつろぐことが出来ていた。
しかし、神々の遺産の鍵である者がバクシィにいることを知った領主とお抱えの魔導士は占いが示す場所……シェクタとラウニィがいる宿へ襲撃をかける。

ラウニィが鍵である者と思っていた領主勢は、シェクタ……ほんとうは少女であったシェクティが持つ剣が神々の遺産である「天雷の剣」であることを知るが……。

「第二話 風の狂戦士」
神殿都市アドレガ。数ヶ月前、ある女戦士とつらい別れを経験したシェクティは、しかし遺産の鍵を持つ者として、神殿を乗っ取った妖術士に狙われていた。
それを吟遊詩人のレミスカグナ……レマに助けられるが、他人と深く付き合うことを怖れるシェクティは、レマからも逃れるがついには妖術士に捕らえられてしまう。

偶然の出会いを装いつつも実際はシェクティを探していたレマは、自らのくびきを解き放ち、シェクティを助けるために妖術士がいる神殿へ向かう。

「第三話 黒の妖精郷」
ひょんなことから旅の同行者(この時点ではレマが追っかけている状態)となったシェクティとレマ。
だが、まだ自らの持つ力に他人を敬遠しがちなシェクティは、レマが寝静まったのを見計らって逃げ出してしまう。

しかし、その日は現実とは異なるシェクティの持つ力すらも及ばない別世界への扉が開きやすい日だった。

「第四話 過去の傷跡」
結局、ともに旅をすることになったシェクティとレマ。
ふたりはバロウダという街を訪れていたが、そこはレマが渋るのをシェクティがレマの様子を見て無理矢理寄った街だった。(寄った原因は、シェクティの食い意地で食糧が乏しくなったためだが)

レマが渋る理由……裏世界では「風のレマ」として怖れられているレマが、過去にここに巣くう妖術士一味を壊滅させたことだった。そして、その妖術士がまだ生きていることも……。

「付話 創世の史詩」
都市、と呼ぶには小さなミムザの街に立ち寄ったシェクティとレマ。
そこで多忙な神官の代わりに葬儀の主宰を頼まれたレマと、葬儀の様子を見ていたシェクティは、宿に戻ってからレマに「人間が死んだらどうなるのか」という問いをかける。
そんなシェクティに、レマはまじないの歌を用いてシェクティに創世の物語から語り始める。


最初に、いま読んだらどうかと思ってたけど、懐かしさを除いても、全巻読んでいて、どういう結末なのかも知っているけど、それでも意外におもしろく読めた。
短編連作で、基本は一話完結で読みやすいし、重厚な世界観も記憶通りしっかりしている。

ただ、著者自ら、「得意のオカルティズムを駆使」して設定などを作った、とあり、確かに綿密に世界の階層や人外の魔物や精霊などの設定を構築しているが、結局そのオカルティズムでの知識を再構築しただけなのが、なんかねぇ……。
魔物や精霊とかの名前や役割もいろんな神話や伝説とか、無節操に取ってきてるだけで、オリジナルは結局シェクティやレマに関わるメインの神々の部分だけってのが、もっと綿密に作るなら、もうちょいオリジナリティを入れて捻ったりしてもいいんじゃない? って気はする。

また、文章もやや繋がりが悪いところが散見されるのもマイナス。

まぁ、そういうところを除けば、物語も世界観もしっかりしているほうだし、キャラも主人公のシェクティは、いまで言ういわゆる「ツンデレ」でかわいいところもあり、ラノベが好きなひとにはまじめなファンタジーとしてオススメできるだろう。
古い作品だが、軽めのファンタジーはもう飽きた、って感じのひとにはいいかも。

潜入するっ!

2007-02-05 22:07:01 | ファンタジー(異世界)
さて、遂にネタ切れしてしまう第797回は、

タイトル:砂の覇王9 流血女神伝
著者:須賀しのぶ
出版社:集英社 コバルト文庫(初版:H14)

であります。

須賀しのぶの長編ファンタジー『流血女神伝』シリーズの第二弾『砂の覇王』の最終巻。
自らの意思で敵地に乗り込むカリエの姿を描きます。
今回の表紙は、何か逝っちゃってる感じのシャイハンと、オリエンタルな服装のカリエ。決して、ランプの精と、賢い女奴隷モルギアナではありません。(笑)



カリエはシャイハンの求めに応じ、彼が治めるヨギナを訪れた。
オル教に改宗し、名もディエーマと改めて、名実共にエティカヤ人となる。
すべては、バルアンの妻としてシャイハンを殺すために。

だが、意外にも紳士的なシャイハンにカリエの決心は揺らぐ。
さらに、人質としてヨギナに連れてこられたバルアンの娘イウナが、父ではなくシャイハンを選んだことが混乱に拍車をかけた。
唯一の慰みは、トルハーンの救出に成功したという、ラクリゼからの手紙が届いたこと……それだけだった。

エティカヤ全土が、二人の王候補の対決へ向けて動き出していた。
コルドもヒカイも、主の生存を隠しつつ、来るべき戦いに備えてその牙を研ぎ続ける。
一方、バルアンは真のエティカヤ王となるため、神の山オラヤン・エムに挑もうとしていた。

白き神オルが選ぶのはバルアンか、それともシャイハンか? 今、砂漠に血の嵐が吹き荒れる――!



というわけで、砂の覇王最終巻です。
バルアンがシャイハンとの戦いにケリを付け、さらに、カリエがバルアンとの関係に答えを出します。
もっとも――

カリエの流浪の旅はこれで終わったりしませんが。

そもそも、ザカリアの企てはまだ完成してないし、ルトヴィアの滅亡もまだ書かれてないし、ラクリゼやサルベーンといったザカール軍団は暗躍してるし、トルハーンはギアスと再対決する気まんまんだし、ユリ・スカナの話もありそうだし、ついでに言えばカリエとバルアンのその後も気になるし……と、未解決問題は山のように残っています。ここでいきなり二十年後に飛んで、主役はカリエの息子! とか言われた日にゃ~暴動が起こるでしょう。

というわけで、サバイバル娘の旅はまだまだ終わりません。
ついでに言うと、エドの苦労もまだまだ続きます。(笑)
ただ……続きの紹介はまたいずれかの機会にさせて下さい。

次作『女神の花嫁』をまだ手に入れてないので。(爆)

内容的には、生物兵器ラクリゼと破壊坊主サルベーンの若き日の物語……らしい。
ラクリゼはともかく、サルやんには大して興味がないのですが、一応正伝なのでファンとしては読まねばならんでしょう。
完全なる番外編『天気晴朗なれど波高し』にまで手を出す気はありませんが……。

終わったようで終わってない微妙な内容……でも、オススメ。
カタルシス満載の戦闘シーンなぞ欠片もありませんが、王位をめぐる争いそのものはしっかり描かれているので問題ありません。(剣振るだけが戦いじゃないしね)

最後に、何度でも言おう――!
須賀しのぶはガチ。

(誰だ? 二ヶ月以上続けてオチがそれかいっ! とか言ってるのは?)



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煌夜祭の夜が来る……

2007-01-31 23:16:15 | ファンタジー(異世界)
さて、この文庫は初めてだったりする第792回は、

タイトル:煌夜祭
著者:多崎礼
出版社:中央公論新社 C★NOVELS(初版:H18)

であります。

第二回C★NOVELS大賞受賞作。
死海に隔てられた十八諸島を舞台に、人と魔物の接触を描く物語です。



故郷も名も持たず、島から島へとさすらう者達がいる。
仮面で素顔を隠し、異国の話を伝えて歩く漂泊者。
人は彼らを語り部と呼ぶ。

冬至の夜、語り部は島主の館に集い、夜通し物語を語る。
容易に越えられぬ死海の向こうの島の物語は金に等しく、良き話には島主が褒美を出す。
数多の知恵と知識が披露される語り部の大祭、人はそれを煌夜祭と呼ぶ。

今年もまた煌夜祭が始まる。
島主のいない館で、ナイティンゲイルとトーテンコフ、たった二人だけの煌夜祭が。
習いに従って、ナイティンゲイルが先に語り始めた……煌夜祭の真の目的を明かす物語を――!



読み終わった後の素直な感想――

うわ~、壁だわこれ。

第一回ファンタジーノベル大賞を受賞した『後宮小説』のように、これも以後の投稿者の前に立ち塞がる壁となるのは間違いありません。そのぐらい出来がいい。

物語としては、いわゆる『千夜一夜物語』タイプです。
おとぎ話のような短編の間に、語り部と聞き手の話が入っているというもの。
ただ、千夜一夜物語と異なるのは、ナイティンゲイルとトーテンコフはどちらも語り部かつ聞き手であり、しかも偽名と仮面で正体を隠しているということ――このミステリ調の設定が実に秀逸。

当然と言えば当然ですが、二人が語る物語は、彼らの人生に大きく関わっています。
そのため、ある程度読み進めていくと、得体の知れない二人の正体がおぼろげながら解ってきます。
片方の正体はすぐに判明するのですが、もう片方がなかなか難物で、それだけで終盤までぐいぐい引っ張られてしまいました……読ませる力が半端じゃないぞ、この方。(爆)

各個の短編の出来も素晴らしいものでした。
人を食う罪に葛藤する魔物、魔物を愛し憎悪する人間、二つの種族の接触を実に丁寧に描いています。
それぞれの話は独立していますが、スポット的にリンクしており、流れと共にゆっくりと収束して終章で結合します。連作短編のお手本ですね。
ストーリーの腰を折ることなく自然に情報がばらまいてあり、悲しい宿命を背負って生まれてくる『魔物』と、不思議な世界『十八諸島』のことがすんなり理解出来るようになっているのも見事。

魔物はなぜ生まれてくるのか?
ナイティンゲイルとトーテンコフ、二人の正体は?
何のために煌夜祭は存在し、数百年もの間続けられてきたのか?
数々の謎を解き、物語は静かに幕を閉じます――

ここ近年で読んだ一冊完結物の中では、ぶっちぎりでトップですね。

文句なし、五重丸のオススメです。
ファンタジー好きを自認する方は、必ず一度は読んどきましょう。


☆クロスレビュー!☆
この記事はSENが書いたものです。
LINNの書いた同書のレビューはこちら

暴走したっ!

2007-01-29 23:56:24 | ファンタジー(異世界)
さて、すいません……最近死にっぱなしです、な第790回は、

タイトル:砂の覇王8 流血女神伝
著者:須賀しのぶ
出版社:集英社 コバルト文庫(初版:H14)

であります。

須賀しのぶの長編ファンタジー『流血女神伝』シリーズの第二弾『砂の覇王』の八巻目。
兄弟の国ルトヴィア、夫の国エティカヤ、二つの大国の間で揺れるカリエの姿を描きます。
今回の表紙は……いや、何も言いますまい。しかし、これが六巻の御子様と同一人物とは……。



カリエは、ギウタ皇国最後の皇女カザリナとしてルトヴィア貴族との婚姻を要求されていた。
候補は二人――現ルトヴィア皇帝であるドミトリアス、そして、死の淵から生還し、トルガーナ伯となったミューカレウス。
だが、かつて皇子宮で共に過ごした兄弟との婚礼など、カリエには考えられなかった。

そんな中、カリエはミューカレウスとともに、先帝マルカーノスが座すコーフィリアを訪問した。
コーフィリア――別名廃帝宮の主とミュカの会話は、彼女に失った両親の顔を思い出させる。
愚帝として知られるマルカーノスの顔と、現帝ドミトリアスのそれが重なった時、カリエは奇妙な幻覚を視た……敬愛する兄の未来の姿を。

コーフィリアには意外な人物が滞在していた。
バルアンの先兵としてルトヴィアに留まり、首尾良くゼカロ北公を籠絡した第一妾妃・ビアンである。
彼女はカリエに、バルアンの正妃としての心構えを説き、その上で自分のやりたいようにやるよう言い渡した。

ルトヴィア皇帝ドミトリアス、トルガーナ伯ミューカレウス、エティカヤの第二王子バルアン……カリエが最後に選ぶのは――。



前回の記事では伏字にしてましたが、今回は堂々とバラしてしまいました。
そう、帝国の娘(後編)で重傷を負った悪ガキ皇子・ミュカ復活です。
身長が一気に伸びただけでなく、性格もかなり良くなりました……苦労したんだね、君も。

もっとも、いつものように――
どこぞの性悪女神が関わってたりしますが。(怖)

前から思ってたのですが、ザカリア流血女神に関わった人間って、少年漫画の改造人間に良く似てますね。
スペックだけはやたら高くなるけど、決して幸せにはなれない。
一番好き勝手に生きてるように見えるトルハーンも、結局バルアンの思惑に乗らざるを得なくなったし、皆さん大変です。

もっとも、今回一番貧乏籤を引いたのは主役のカリエ。
彼女が自分の思い通りにならないのが気に喰わなかったのか、今回、女神は実力行使に出ます。
女神の力でトランス状態に陥ったカリエは、ある人物と出会い、ある儀式を行います。でもその相手が……をい、よりによってそいつかよ。(苦笑)

他にイベントと言えば、トルハーンの裁判がいよいよ始まります。もちろん、死刑オンリーの方向で。(爆)
置いてけぼり状態のバルアン&ラクリゼ&海賊達も一応出てきますが、ほんの触り程度。
後、今でも充分危険な状態のドーン兄さんとグラーシカが、さらに死亡フラグを立てました。このままいくと洒落抜きでベルばらでギロチンエンドかも……。
(※女神伝シリーズはまだ終わってないので、どうなるかはまだ未定です)

次巻はエティカヤ編最終巻です。
バルアンの国盗り物語が全く進展してないのに大丈夫か? って感じですか、それについてはまた来週。



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絵と内容は多少異なります(笑)

2007-01-23 23:55:34 | ファンタジー(異世界)
さて、本当は分けて紹介するつもりだったんだけど……な第784回は、

タイトル:機械仕掛けの神々(上)(下)
著者:五代ゆう
出版社:富士見書房 富士見ファンタジア文庫(初版:H6)

であります。

五代ゆうの長編ファンタジー。
以前紹介した『はじまりの骨の物語』に続く、第二作です。
作者の心の中では、本作は『はじまり~』の姉妹編にあたるらしいのですが……確かに似てるかも。



金緑色の瞳、鋭い牙、黒灰色の毛に覆われた長い耳――人とは異なる姿で生まれた少年・スノウは、家族と別れ、錬金術師ルルスの徒弟として平和に暮らしていた。
しかし、『組織』の使者が持ってきた知らせにより、彼の平穏な生活は脆くも崩れ去る。
師のルルスが、旅先で行方不明になったというのだ……。

二月前、師の元に届いた組織の召喚状は偽物だった。
ルルスは世界でも指折りの錬金術師の一人、恐らく、皇帝と法王の権力闘争に巻き込まれたのだろうと使者は言う。
スノウは使者に連れられて、都の組織本部に向かうことになった。

七歳の時にルルスの元に来てからずっと、スノウは外の世界に出たことがない。
かつて人に滅ぼされた種族・エリンの血を引くが故に、迫害の対象となるからだ。
だが、大恩ある師を救うため、スノウは危険な旅に出る……人間そっくりの姿を持つ機人マシーナ・ライムンドゥスとともに――!



うん、確かに姉妹編だよね。

本作と『はじまりの骨の物語』に直接的なつながりはありません。
キャラクター、固有名詞、世界観、すべて異なっており、どちらも独立した作品として成立しています。無論、時間的つながりもなし。
しかし……作者本人が後書きで触れているように、本作は紛れもなく『はじまり~』の姉妹編なのです。

理由の一つに、本作の主人公スノウの旅が、前作の主人公ゲルダのそれのバリエーションであることが挙げられます。
二人は全く異なるキャラですが、境遇だけは非常に良く似ており、どちらも自分の居場所を求めて最果ての地を目指します。
周囲から恐れられる存在として生まれ、自分を育ててくれた存在を失い、辿り着いた地で己の秘密を知る……協力者、敵対者の配置に相違点はあるものの、二つの物語は根本的に同質のものです。

まぁ、それが悪いとは言いませんが――

オチまで一緒ってのは勘弁して下さい。

焼き直し、という言葉が脳裏に浮かんで、一気にテンション下がりました。

スノウ以外のキャラクターの扱いが低いのも難点。
最重要キャラである、声を失った代わりに心で話をすることができる少女ヴィーからして、スノウの心を支えるだけのアイテムです。
機人ライムンドゥスは単なる序盤の案内役で終わってるし、イザンバールは『はじまり~』や『〈骨牌使い〉の鏡』にもいた『脈絡もなく味方になってくれる無頼者』でしかないし、もう一体の機人オリンピアに至っては何のために出したのかさっぱり解らないし……と、どのキャラもまともにドラマを描いてもらってません。ひどっ。

しかし、私が一番引っかかったのは、十二世紀と十五世紀をごっちゃにした本作の世界観です。
スノウの旅は、位置的に言うとイギリスにあたるアルビオンに始まり、モンゴル帝国にあたるザナドゥで終わるのですが、道中に出てくる固有名詞、歴史、イベント(フリードリッヒ二世と法王の対立とか)など、すべて現実世界のものをそのまま使っています。
ちょっと世界史をかじった方ならすぐ解る単語が山のように出てくる上、歴史上の人物を多少いじくった『もどきキャラクター』が何人も登場するため、とても異世界の話とは思えませんでした。
これが、現実世界の中に機人や妖精といった架空の存在を放り込んだ歴史ファンタジー、というなら私もここまで五月蠅いことは言わないんですけどね。

正直、読むのが苦痛でした。廃棄確定。
ごちゃごちゃ言わず、素直にスノウの成長物語として読めばいい? すいません、私には無理です。(爆)

結婚するっ?

2007-01-22 23:53:38 | ファンタジー(異世界)
さて、あと二冊でネタが切れる第783回は、

タイトル:砂の覇王7 流血女神伝
著者:須賀しのぶ
出版社:集英社 コバルト文庫(初版:H14)

であります。

須賀しのぶの長編ファンタジー『流血女神伝』シリーズの第二弾『砂の覇王』の七巻目。
ルトヴィア帝国に逆戻りすることになり、周囲の思惑に翻弄されるカリエの姿を描きます。
今回の表紙は海賊姿のカリエとその肩に乗るオロキ鳥のリリアン、そして固い表情で遠くを見つめるギアス海佐。何か……これだけ見ると海洋冒険物みたいですね。(笑)



海賊王トルハーンと天才指揮官ギアス、旧友同士の戦いは後者に軍配が上がった。
戦闘中に、ギアスの旗艦に回収されたカリエは、そのままバルアンと離ればなれになってしまう。
海賊を打ち破り、帝国の威信を取り戻したルトヴィア艦隊はトルハーンを連行し、皇都タイアークへと帰還した。

国を追われ、異国の妃となり、挙げ句海賊の捕虜となった悲劇の皇女カザリナ・ユファトニー。
そんな空っぽの偶像を押し付けられることに辟易し、カリエは飽くまで海賊として皇都に降り立つ。
困惑する者達の中にあって、ドミトリアスとグラーシカだけは以前と変わらず、兄、及び、友として接してくれた。

だが、周囲の状況は平穏な時間を与えてくれるほど甘くはなかった。
ギアスの助命嘆願も虚しくトルハーン処刑の日は近付き、さらに、カリエの立場が宮殿内に波紋を呼ぶ。
カリエはグラーシカの親衛隊に入ることで周囲の雑音を封じようとするが、そんな彼女の前にトルガーナ辺境伯なる人物が現れ――。



とにかく変わり身の激しいカリエですが、今回は遂にグラーシカの親衛隊になってしまいました。
ルトヴィア帝国の設定が、いかにも革命以前のフランスっぽいことから、いつかやるんじゃないかと思ってましたが――。

狙ったな、須賀。

って感じですね。(笑)

ベルばらごっこですよ、ベルばらと書いてベルサイユのばら!
もう後は、バスチーユ監獄の前で美しく散るだけですね。(笑)
でもそーなると、エドがアンドレか……何か間違ってる気がする。

まぁ、それは置いといて。

流血女神伝の特徴は、お馬鹿なノリとシビアな展開が共存していることですが、本巻は特にその傾向が強いです。
必殺の抱き付き攻撃で過去最高の三機撃墜を果たすカリエ、慎みのない格好のカリエを見て絶句するドーン兄さん、夫の堅物ぶりを笑い飛ばすグラーシカ等、各キャラのしょーもないネタ(※最高の賛辞)を放り込みながら、同時に、過去と現在を語り合うトルハーンとギアス、カリエを失っても動じないバルアンに怒りを覚えるラクリゼ、強者には厳しいが弱者には甘々なドミトリアスを批判する×××といった真面目なネタもちゃんと入れているのは凄い。
相変わらずと言ってしまえば相変わらずなんだけど、この絶妙なバランス感覚は正直羨ましいなぁ。

ストーリーは、大体上記の粗筋で全部です。
最大のハイライトは、現実逃避まっしぐらなカリエを、地獄から生還した×××が諭す場面。
いや~、本当にいい男になって帰ってきました×××。本人も言ってるけど、確かにドミトリアスより皇帝向きかも。
(ん? 伏字の意味なし?)

舞台がルトヴィアに移ったため、今回、エティカヤ勢は殆ど出てきません。
せいぜいバルアンが腹をくくった、ってぐらいで、エドとかコルドとかヒカイが何をしてるのかは不明。
本当に残り二巻でシャイハンを倒し、国を分捕れるのか? ってとこですが、それについては最終巻で。

次巻は、カリエが一つの儀式を行います。
ところでこの娘、いつの間に十七歳になったんだ……?(爆)



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落とされるっ!

2007-01-15 23:59:11 | ファンタジー(異世界)
さて、自分で勝手に担当、な第776回は、

タイトル:砂の覇王6 流血女神伝
著者:須賀しのぶ
出版社:集英社 コバルト文庫(初版:H14)

であります。

須賀しのぶの長編ファンタジー『流血女神伝』シリーズの第二弾『砂の覇王』の六巻目。
なぜか海賊見習いになってしまったカリエの奮闘を描きます。
今回の表紙は、水夫のコスプレをするカリエと、隻腕の海賊・トルハーンのツーショット。何か……海で拾った子供を育てた海賊と、血のつながってない親父になついてる息子、って感じで微笑ましいです。(笑)



シャイハン側の目をあざむくため、カリエ達は大海賊トルハーンの元に身を寄せた。
バルアンは来るべき決戦のため、トルハーンを味方に引き込もうとするが、あっさり断られてしまう。
他に行く当てもなく、一行はなし崩し的に海賊としての生活を始めることになった。

一方、ルトヴィア帝国では、新たに編成された皇帝直属第六艦隊の進水式が行われていた。
引退を間近に控えたウジーク提督を司令官、かつてトルハーンの親友であったギアス海佐を旗艦艦長とした艦隊は、トルハーン打倒の特命を受けて船出してゆく。
しかし、見送りのために現れた皇后グラーシカは、自分の名を冠した旗艦が四等艦であることに、かすかな不安と大いなる不満を覚えるのだった。

エティカヤの首都リトラでは、第一王子シャイハンが父王ジヌハーンと対面していた。
病に倒れた征服王は、バルアンが海に消えた件を持ち出し、シャイハンに玉座を譲ることを伝える。
それでも迷いを断ち切れない彼の耳元で、美しく、怪しい僧が囁いた……貴方には覇王シャウルの加護がある、と――。



本当に地位の安定しないカリエですが、今度は海賊になってしまいました。(笑)
前巻は、遂にバルアンの本妻に! ってな話だったのに、そのすぐ後でこうなるあたり、外しませんねこの娘。
表面上はお気楽極楽なトルハーン、杓子定規を絵に描いたような副長・ソード、んで、いつもと違う雰囲気のラクリゼの三人に囲まれて、彼女は立派な海賊を目指します……ん? それでいいのか?
(しかし、トルハーンを評して――間近で見ると結構いい男だ――って、あンた本当に気が多いな)

メインはカリエの海賊修行ですが、他にも色々と枝エピソードがちりばめられています。
妙な性格だけど頭の切れはピカイチなギアスの活躍とか、相変わらず怪しい動きをしているサルベーンとシャイハンの絡みとか、バルアン不在のムザーソで起こる騒動等々。

一番の当たりは、ザカリア女神に支配された者同士であるラクリゼとトルハーンの密談。
全キャラ中でもトップクラスの強さを誇り、常に超然と構えている二人ですが、この時だけは妙に人間臭さが滲み出ていて素敵でした。
爽やかさとは無縁の、どっかの破戒坊主とはえらい違いです。(笑)

あ、そうそう、枝葉と言えばカリエが究極の二連コンボを決めてバルアンを落としました。
前回で落ちてたような気もしますが、今回のはかなり決定的です。
じゃあ二人の関係が何か変わったかと言うと……実は何も変わってなかったりしますが。(爆)

ところで、今まで散々影の薄かったエド君ですが――
本巻では一行も出番なし。
あっはっはっは! あ~、すいません、ファンの方の怒りは解るんですが、それでも笑いが止まらない。
私から見れば、鉄面皮だけど中身御子様なエディアルドより、今回大活躍のトルハーンの方が数段イイ男なので、全く気にならないのですよ。(やばっ、喧嘩売った!)

エピソード盛り沢山の番外編です、オススメ。
次回は、しばらく出番のなかった某人物が帰ってきます。



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思い出すっ!

2007-01-08 23:59:12 | ファンタジー(異世界)
さて、今週のカリエさんは? な第769回は、

タイトル:砂の覇王5 流血女神伝
著者:須賀しのぶ
出版社:集英社 コバルト文庫(初版:H13)

であります。

須賀しのぶの長編ファンタジー『流血女神伝』シリーズの第二弾『砂の覇王』の五巻目。
急転直下、自分を支配する運命の歯車の一つを見ることになったカリエの姿を描きます。
今回の表紙はカリエと謎の少女(笑)、そして、画面奥でこちらに鋭い視線を向けているラクリゼ。何かこれだけ見ると魔女みたいですが、実際、今回のラクリゼの役回りは……。



カリエは悪夢を見ていた。
聴覚以外を奪われ、どこかへ連れ去られていく夢だ。
闇の中に、二つの輝く瞳を見た時、彼女は死を覚悟した……。

目覚めた時、そこには現実があった。
バルアンの正妃マヤラータとしてかつての兄と友に再会し、気絶したという現実が。
だが、現実は夢のように簡単に終わることなく、さらに容赦のない要求を突きつけてくる。

カリエの新たな名――エティカヤに滅ぼされたギウタ皇国最後の皇女カザリナ・ユファトニー。
それは、ルトヴィア皇帝夫妻のみならず、バルアンの兄シャイハンをも惑わせ、場に混沌をもたらす。
そして遂に、ザカールの力によってカリエの記憶の封印が解かれる時が来た――!



ついに、この日がやって参りました。

流血女神伝オールスター感謝祭!

すいません嘘です……本当はドーン兄さんの戴冠式&その後の晩餐会。(爆)

しかし、オールスターというのは嘘ではありません。何せ参加者の顔触れが凄い。
運命の娘カリエ、ルトヴィア皇帝ドミトリアス、皇后グラーシカ、破戒坊主サルベーン、エティカヤ第二王子バルアン、第一皇子シャイハン、そしてユリ・スカナの嫡男イーダル君、と、東西の顔役が勢揃いします。
話の内容も、その場の台風の目であるカリエの過去に関するもので、まさに、『砂の覇王』全九巻のど真ん中に打ち込まれた楔のイベントと言えるでしょう。

ま、その割には、サルベーンがザカール流忍術(嘘)でカリエの記憶を暴いて、会はあっさり終わるのですが。(笑)

ともあれ、この最初で最後の会合を境に、本シリーズはキャラ同士の仁義なき生き残りゲームに突入します。
甘い奴は疲弊し、せこい奴は自滅し、負けた奴は喰われます……これは現時点の最強キャラであるラクリゼすらも例外ではありません。
もう、何というか――
弱者死すべし、って感じですね。

それでも、カリエとエドだけは変わりません。
良い意味で頑丈、悪い意味で成長ゼロの二人は、甘さを引きずったままどうにかこうにか生き延びます。
このシリーズで、唯一信じていいのはそこだけかも。他は何が起こってもおかしくないので、かなりの気構えが必要です。

で、本巻のその他の展開ですが、表紙に出てきている通り、ラクリゼが怪しい動きを始めました。
後、ある人物がドロップアウトしたり、バルアンがいよいよ王権奪取に動き出したり、トルハーン対ギアスの対決が間近に迫ったりします。
メインは一応カリエ、かな? メンツがメンツなだけに押されてる感じがしないでもないですが。(笑)

あ~、エド君は……単なる運び屋で終わってます。

いつものことだけどオススメ。
次巻はちょっとした番外編で、カリエが一風変わったコスプレをします。(これもいつものことだが……)



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変身するっ!

2007-01-01 23:59:47 | ファンタジー(異世界)
さて、あけましておめでとうございます、な第762回は、

タイトル:砂の覇王4 流血女神伝
著者:須賀しのぶ
出版社:集英社 コバルト文庫(初版:H13)

であります。

須賀しのぶの長編ファンタジー『流血女神伝』シリーズの第二弾『砂の覇王』の四巻目。
一連の騒動が終わったのも束の間、さらにバルアン王子に振り回されるカリエの姿を描きます。
今回の表紙はドミトリアスとグラーシカの結婚式。このまま二人ともお幸せに……といけばいいのですが、そうは問屋が卸さないのが本シリーズの特徴だったり。(爆)



カリエは、バルアンの身辺世話役として多忙な日々を過ごしていた。
ドミトリアスの戴冠式に出席するため、ムザーソを立つ日が近付いていたからだ。
そう……一年ぶりに帰るのだ、かつて皇子として過ごしたルトヴィア帝国に。

皇都タイアークを目指す旅は、驚きの連続だった。
正妃ではなく、飽くまで愛妾に過ぎない第一貴妃ビアンの同行、疲弊したクアヒナ東公国に対するバルアンの露骨な人気取り、そして……大切な友人との再会。
おまけに、連日のようにビアンの侍女の美容攻撃に晒されてくたくただった。なぜかバルアンもコルドも、カリエの肌が焼けていることを気にしたからだ。

クアヒナの人々が、かつての兄・ドミトリアスに期待する姿を見るのは誇らしかった。
だが、バルアンはそんなデミトリアスを冷静に分析し、カリエの苛立ちを誘う。
それでも、カリエの心は浮き立っていた。バルアンが皇太子夫妻に引き合わせることを約束してくれたからだ。

バルアンは確かに約束を守った。
ただしそれは、カリエの望む形でではなかった。
彼女は皇太子夫妻と再会する……アルゼウス皇子の身代わりでも、バルアンの奴隷でもない立場で――!



東西の顔役が一同に会し、いよいよ大河ドラマが動き始めた感のある第四巻です。
ドーン兄さんとグラーシカが結婚したり、好色坊主サルベーンがまたも顔の広さを発揮して怪しい動きを見せたり、謎の海賊トルハーンやその親友が登場したりと、カリエのみならず読者の私も驚きの連続なのですが、何が一番驚いたかって――。

カリエってまだ十五歳だったのね。

そう、結構時間が過ぎたようで、実は『帝国の娘』から一年しか経ってないのです。
裏を返せば、ドミトリアスは二十五歳! グラーシカに至ってはまだ十八歳!
うーん……何と言うか、表紙とのギャップが凄まじい。(笑)

で、ストーリーなのですが、カリエに関しては大体上の粗筋通り。
後は、結婚前&後のドミトリアスとグラーシカの話、バルアンの兄・シャイハンをそそのかすサルベーンの話、海賊トルハーン討伐のために招聘された男・ギアスの話などがあります。
ちなみにエドは、巻頭と巻末にちょろっと登場し、凄い場面に出くわしたり、凄い方と対面したりします。ま、所詮脇役ですが。(酷っ!)

いつものごとく、オススメです。
今回は珍しく、カリエがサバイバルしていませんが、当然ながら安息の日が訪れたわけではありません。
むしろどんどん立ち位置が怪しくなるばかりで――と、そのへんについてはまた次回



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