みかどん育児日記

自由を愛するみかどん(7才)を育児中のワーキング・マザーの日記です。

リビア月間

2014年10月13日 | 趣味
なぜリビアがここまで崩壊してしまったかを
よく知りたいと思い、乱読中。
1冊はチュニジア人有識者の研究本、もう1冊は
2011年の春、現地にいきなり飛びこんで、
NATO空爆と、海の物とも山の物とも
分からない暫定「議会」に正当性を与えようと、
当時のフランス大統領に進言し、彼らをいきなり
大統領府に連れて行っちゃったりした哲学者
Bernard-Henri Levyの回顧録(La guerre sans l'aimer)。

BHLはリビア、マグレブやイスラム教の専門家では
全くないのに、人々が殺戮されている!という
非常にヒューマンな気持ちにかきたてられ、
地域研究者や実務者からすると現場をかき乱すだけの
ような行動をあれこれ取っていたんだなぁ、と
リビアがますます混迷する中、感じます。

当時のサルコジ大統領や、また自分の後押し
により暫定首相等にも任命されたリビア人(後に行き詰り
退陣、元いたドイツにまた亡命)等とのやりとりが
具に書かれていてそれはそれで面白いのですが、
現地で「イスラム過激派なんて姿が見えない」と
言いきってみたり、BHLの下に集められた各部族の
首領達が、「フランス万歳、我々は国家統一に同意する」
と言ったのをナイーブに国家統一、民主化の始まりだと
サルコジに伝えてみたり、仏代表としてのクレディビリティも
何も与えられていないのに、あまりのやりたい放題っぷりに
驚きます。

他方、サルコジといえば、カダフィ資金(そしてカタール資金)
との黒いつながりも徐々に暴かれていて、そのような点は
当然ながらBHLの本では触れられていないので、
ジャーナリストが二人の関係を追った本も併せて読んでいます。

カダフィは、西欧社会、アラブ社会、そしてアフリカ社会、
それぞれの立ち位置(そして当然当時の世界情勢)により
評価が大きく変わる独裁者だと感じます。
あぁ、アラビア語ができればなぁ…